けんせつる
SD295とSD345って数字が違うだけ?現場でどうやって見分けるの?ミルシートで何を確認するの?
この記事の要点
SD295・SD345はJIS G 3112(鉄筋コンクリート用棒鋼)に規定された異形棒鋼の種類で、数字は降伏点の下限値(N/mm²)を示します。SD345が建築工事の主筋として最も広く使われます。
施工管理では搬入時の刻印確認とミルシートとの照合が主な確認場面です。種類違いの混入を防ぐことが重要です。
鉄筋の規格確認は配筋検査の基本です。現場での確認方法を整理しましょう。なんとなく全体のイメージがつかめましたか。
JIS G 3112 に規定される異形棒鋼(SD)の主な種類を整理します。
| 記号 | 降伏点(N/mm²) | 引張強さ(N/mm²) | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| SD295A | 295以上 | 440以上 | スラブ・小径の配力筋 |
| SD295B | 295~390 | 440以上 | 溶接を行う箇所(SD295Aより炭素量が少なく溶接性が良い) |
| SD345 | 345以上 | 490以上 | 建築工事の主筋(最も一般的) |
| SD390 | 390以上 | 560以上 | 高強度が必要な柱・梁主筋 |
ザックリ言えば、「SD〇〇の〇〇は降伏点の最低保証値(N/mm²)」です。数字が大きいほど強い鉄筋なわけです。
なぜかというと、SD295AとSD295Bの違いは強度ではなく溶接性能です。ここは混乱しやすいところですね。溶接を行う箇所にSD295Aを使うと溶接割れが生じやすいため、溶接箇所にはSD295Bを使う必要があります。
搬入された鉄筋の規格は、鉄筋本体の刻印(リブの形状・表示)で確認できます。
例えば、設計図書でSD345が指定されているのにSD295の鉄筋が搬入されてきた場合、刻印が異なるので現場で確認できます。搬入時に目視で種別を確認する習慣が大切です。
ザックリ言えば、「刻印は鉄筋の身分証明書」です。種別ごとに刻印の形状が異なるので、受入時に必ず確認しましょう。
ミルシート(鋼材品質証明書)で確認すべき主な項目は次の通りです。
ザックリ言えば、「ミルシートで強度を確認して、炉番号で現物と一致させて、初めて品質が証明される」ということです。書類だけでは不十分なわけです。
混同しやすい用語の整理
SD(Steel Deformed)は表面に凸状のリブ・節がある異形棒鋼。コンクリートとの付着力が高く、現在の建築工事では主流。SR(Steel Round)は表面が滑らかな丸鋼。付着力が低いため現在の建築では使用が少ない。設計図書の鉄筋記号でSDかSRかを確認する。
降伏点は鋼材が塑性変形を開始する応力度。SD345なら345N/mm²以上。引張強さは鋼材が破断するまでの最大応力度。SD345なら490N/mm²以上。降伏点と引張強さの比(降伏比)も品質管理上重要。
SD345の「345」が示す意味は何か?
降伏点の下限値(345N/mm²以上)。JIS G 3112で規定された値。SD345は引張強さ490N/mm²以上も規定されており、建築工事の主筋として最も広く使われる。
SD295AとSD295Bはどこが違うのか?溶接箇所にはどちらを使うのか?
強度規格は同じ(降伏点295N/mm²以上)だが、化学成分(炭素量)が異なる。SD295Bは炭素量が少なく溶接性が良い。溶接を行う箇所にはSD295Bを使用する。SD295Aは溶接すると割れが生じやすい。
ミルシートと現場の鉄筋を照合する際に確認すべき番号は何か?
炉番号(ロット番号)。ミルシートに記載された炉番号と搬入鉄筋のラベルの番号が一致しているかを確認する。番号が一致して初めてミルシートが「この鉄筋の証明書」として有効になる。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
参考資料
・JIS G 3112 鉄筋コンクリート用棒鋼
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)鉄筋工事の節
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
規格確認で気をつけたい問題として「ミルシートはあるが現物と照合していない」ケースです。
ミルシートを受け取っても、搬入鉄筋のラベル(炉番号)と照合しなければ証明書としての意味がありません。ロット番号の照合を必ず行いましょう。
もう一つは「SD295AとSD295Bを取り違えて溶接箇所に使う」問題です。
強度は同じなので見た目では分かりにくく、刻印をよく見て確認する必要があります。溶接箇所には必ずSD295B(またはSD345)を使うことを施工計画で明示しておきましょう。