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鉄筋の定着とは?定着長さの確認方法と配筋検査のポイント

けんせつる

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鉄筋の定着って何?どんな場面で使うの?

この記事の要点

定着とは、鉄筋を周辺のコンクリートの中に十分な長さ埋め込んで、鉄筋が引き抜かれないように固定することです。定着長さが不足すると、地震時などに鉄筋が抜けて構造耐力が大幅に低下します。

配筋検査では定着の起算点(どこから測るか)・定着長さが基準値以上あるか・フックの有無と折り曲げ角度を確認します。

定着長さは「これくらいあれば大丈夫」という感覚では管理できません。

コンクリートを打設してしまうと確認できなくなるため、打設前の配筋検査で確実に計測・記録します。

定着長さの基準はどうなっているか

定着長さは鉄筋径(d)の倍数で表します。JASS 5・建築基準法施行令・設計基準(配筋指針等)によって部位・条件ごとに定められています。

条件定着長さの目安
フックなし直線定着(一般部位)40d 以上が基本(コンクリート強度・鉄筋の種類によって変わる)
フックあり折り曲げ定着直線部分+フック部分で所定の長さを確保する
小梁・スラブ端部など端部定着設計図・配筋指針の規定による(20d・15d などの短縮が認められる場合がある)

ザックリ言えば、「太い鉄筋・低強度コンクリートほど長い定着が必要」という関係です。実際の現場では設計図に記載された定着長さ(図面記号で L1・L2 などと表記されることが多い)を確認して、その値を基準に計測します。

鉄筋の定着長さ(直線定着・フックあり定着)の規定値は、公共建築工事標準仕様書(下図)の表5.3.4に示されています。

公共建築工事標準仕様書 表5.3.4 鉄筋の定着の長さ 設計基準強度・鉄筋種類別
出所:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 p.34 表5.3.4 鉄筋の定着の長さ — コンクリート設計基準強度・鉄筋種類(SD295/SD345/SD390)別の直線定着・フックあり定着の長さ

現場でどこから・どう計測するのか

定着長さを計測する際に最も大切なのが起算点(どこから測り始めるか)です。

起算点の考え方

「躯体に埋まっている部分の長さ」をスケールで計測します。折り曲げ部(フック)がある場合は、折り曲げ前の直線部分とフック部分の合計で必要長さを満たしているか確認します。

フックあり・フックなしの確認ポイント

定着の種類確認事項
フックなし直線定着直線部分の長さが設計値以上あるか計測する
フックあり折り曲げ定着折り曲げ角度(90°・135°・180°)が指定通りか、折り曲げ半径が鉄筋径の所定倍数以上あるか確認する

フックの折り曲げ半径が小さすぎると鉄筋に亀裂が入る場合があります。曲げ加工の精度も確認対象です。

フック余長の最小寸法はどうなっているのか

フックの余長(折り曲げた後の直線部分の長さ)は、折り曲げ角度によって最小寸法が定められています。

折り曲げ角度余長の最小寸法
90°(直角フック)8d 以上
135°(鋭角フック)6d 以上
180°(半円フック)4d 以上

平たくいえば、折り曲げ角度が大きいほど余長は短くてよいということです。角度が大きい(180°)ほどフック自体の定着力が高いため余長を短くできます。

「角度が大きいほど余長も長い」と思い込みやすいところが試験の引っかけです。

フックの曲げ形状・余長の最小寸法(90°=8d・135°=6d・180°=4d)は、公共建築工事標準仕様書(下図)の表5.3.1に示されています。

公共建築工事標準仕様書 表5.3.1 鉄筋の曲げ形状及び寸法 フック余長の最小寸法
出所:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 p.31 表5.3.1 鉄筋の曲げ形状及び寸法 — フックの折り曲げ角度(90°・135°・180°)別の余長最小寸法(8d・6d・4d)

配筋検査での記録はどうするのか

定着長さが不足していたときどう対処するのか

配筋検査でNGが出た場合は、打設前に是正します。

管理人からのコメント

定着長さは鉄筋径の倍数で設計図に指定されています。端部のフック形状・直線定着の長さ不足は構造上の重大欠陥になります。

基礎と柱・梁の接合部は特に確認が必要で、配筋検査時に全箇所を記録してください。

混同しやすい用語の整理

定着 vs 継手

定着は鉄筋をコンクリートの中に埋め込んで引き抜けないようにすることです。継手は鉄筋と鉄筋をつなぐことです。

どちらも「鉄筋の力をコンクリートや隣の鉄筋に伝える」という目的は共通ですが、対象が違います(定着はコンクリート、継手は隣の鉄筋)。

定着長さ vs かぶり厚さ

定着長さは鉄筋が埋め込まれる水平方向(または鉛直方向)の長さです。かぶり厚さは鉄筋の表面からコンクリート表面までの厚みです。

定着はコンクリートへの埋め込み深さの管理、かぶりは外側の保護層の厚みの管理と覚えましょう。

一問一答

Q.

梁主筋が柱に定着するとき、定着長さの起算点はどこか?

柱の外面(柱主筋の内側)から。柱の中心や内面からではなく、柱の外面を起点として定着長さを計測する。

Q.

フックあり折り曲げ定着で確認すべき2つの事項は?

①折り曲げ角度が設計指定通りか(90°・135°・180°)。②折り曲げ半径が鉄筋径の所定倍数以上あるか。

小さすぎると鉄筋に亀裂が入る。

Q.

定着と継手の違いは?

定着は鉄筋をコンクリートに埋め込んで固定すること。継手は鉄筋と鉄筋をつなぐこと。

目的は似ているが対象が異なる。

Q.

鉄筋末端のフック余長は折り曲げ角度が大きいほど長くなるか?

×。折り曲げ角度が大きいほど余長は短くてよい。

90°=8d以上、135°=6d以上、180°=4d以上。角度が大きいほどフックの定着力が高くなるため余長を短縮できる。

まとめ

RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。

鉄筋工事の施工管理ポイントを確認する

鉄筋の継手の種類と確認ポイントを確認する

参考資料

・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)

・JIS A 5308 レディーミクストコンクリート

・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省

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けんせつる

建築業界の実務経験をもとに、建築施工管理の用語・施工手順・混同しやすい違いを整理しています。

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