けんせつる
フリーフロートを使い切ったら、後ろの作業に迷惑かかるんじゃないの?
この記事の要点
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.46は、ネットワーク工程表に関する問題です。正解は選択肢4。フリーフロートは後続作業に影響を与えずに使える余裕なので、使い切っても後続のトータルフロートには影響しません。
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.46は、ネットワーク工程表に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | EFT=EST+D(最早終了は最早開始に作業日数を加える) |
| 2 | ○(正しい) | LST=LFT−D(最遅開始は最遅終了から作業日数を減じる) |
| 3 | ○(正しい) | TFが0ならFFも0(TF≧FFの関係から) |
| 4 | ×(誤り) | FFを使い切っても後続作業のTFには影響しない |
選択肢4は、フリーフロートを使い切ると後続作業のトータルフロートに影響を及ぼすとした点が誤りで、FFは定義上、後続作業に影響を与えない余裕です。
この問題では、ネットワーク工程表の用語と計算の定義を正しく覚えているかが問われています。
フロートには大きく2種類あります。トータルフロート(TF)は全体工期に影響を与えずに持てる最大の余裕で、フリーフロート(FF)はそのうち後続作業に影響を与えずに使える余裕です。
ザックリ言えば、FFは「自分の都合だけで自由に使える余裕」、TFは「後ろまで含めた全体の余裕」ということです。ここは混乱しやすいところですね。
一つの作業の最早終了時刻(EFT)は、その作業の最早開始時刻(EST)に作業日数(D)を加えて得られる、という記述です。
作業を一番早く始められる時刻に、かかる日数を足せば、一番早く終わる時刻になります。
つまり EFT=EST+D で、この記述は正しいということです。ネットワーク工程表の基本計算ですね。
一つの作業の最遅開始時刻(LST)は、その作業の最遅終了時刻(LFT)から作業日数(D)を減じて得られる、という記述です。
全体工期を守るために一番遅くても終わらせるべき時刻から、かかる日数を引き戻せば、一番遅くても始めるべき時刻になります。
つまり LST=LFT−D で、この記述は正しいということです。
一つの作業でトータルフロート(TF)が0である場合、その作業ではフリーフロート(FF)も0になる、という記述です。
フロートには TF≧FF という関係があります。TFが0なら、それより小さくなれないFFも0になります。
TFが0の作業は余裕がまったくなく、クリティカルパス上の作業ということです。この記述は正しいわけです。
これが誤りを含む選択肢です。一つの作業でフリーフロート(FF)を使い切ってしまうと、後続作業のトータルフロート(TF)に影響を及ぼす、という記述です。
そもそもフリーフロートとは、後続作業の最早開始時刻に影響を与えずに使える余裕時間のことなんです。
つまりFFは「使い切っても後続作業に影響しない」ことが定義です。後続作業のTFに影響を及ぼすという記述は、定義と真逆で誤りということになります。
もし後続作業に影響する余裕まで含めるなら、それはFFではなくTFの話です。FFを使い切っても後続作業のTFには影響しないのが正しいわけです。
フリーフロートは名前のとおり「フリー=後続に気兼ねなく自由に使える余裕」と覚えます。
自由に使えるからこそ、使い切っても後ろに迷惑がかからない、という理屈です。
正解:選択肢4。FF=後続に影響しない自由な余裕→使い切っても後続TFは無影響、という順番でつなぐと引っかからなくなるでしょう。
フリーフロート(FF)を使い切ると、後続作業のトータルフロートに影響するか。
影響しません。FFは後続作業の最早開始に影響を与えずに使える余裕時間だからです。
最早終了時刻(EFT)はどう求めるか。
最早開始時刻(EST)に作業日数(D)を加えて求めます(EFT=EST+D)。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4
フリーフロートは「後続作業の最早開始に影響を与えずに使える余裕時間」のことなんです。だから使い切っても後続作業には影響を及ぼさないのが定義そのものなわけです。選択肢4は「後続作業のTFに影響を及ぼす」としていて、これが定義と真逆で誤りということになります。