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工程計画とは?積上方式と割付方式の使い分け・山崩し・暦日換算

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けんせつる

けんせつる

工期が決まってる工事は、積上方式と割付方式どっち?

「山崩し」って工期を縮める方法だっけ?

この記事の要点

工程計画の立案方式は、積上方式(順行型)と割付方式(逆行型)の2つ。工期が指定された工事には割付方式が向きます。

山崩しは資源(労務・機械)の平準化の手法で、工期短縮のためではありません。ここが繰り返し問われます。

工程表の種類(バーチャート・ネットワーク等)は工程表の違い、山積み山崩しの手順は山積み工程表にまとめています。

工程計画とは、工事全体をいつ・どの順序で・どれだけの資源で進めるかを、着工前に組み立てる計画のことです。

できあがった計画を図にしたものが工程表です。この記事は工程表そのものではなく、計画をどう立てるかを扱います。まず立案方式の2つを押さえます。

工程計画の2方式を比べる模式図。積上方式(順行型)は着工から作業を積み上げて工期を出す方式で工期に余裕がある工事に向く。割付方式(逆行型)は竣工日から逆算して配分する方式で工期が指定された工事に向く。工期が先に決まっている場合は割付方式で、積上方式は誤り。
積上方式は着工から積み上げ、割付方式は竣工から逆算する。工期が先に決まっているなら割付方式。※関係をつかむための模式図。
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工期が指定されたら「割付方式」

この分野の最頻出です。複数年で繰り返し出ています。

工程計画の立案方式は、大きく2つに分かれます。

方式 組み方 向く工事
積上方式(順行型) 着工から作業を順に積み上げて、必要な工期を出す 工期に余裕がある工事
割付方式(逆行型) 竣工日から逆算して、各作業を割り付ける 工期が指定された工事/実績・経験の多い工事

覚え方は、工期(ゴール)が先に決まっているかどうかです。決まっていれば、そこから逆算する割付方式です。

試験のねらいはここです。「工期が指定され、施工実績や経験が多い工事に、積上方式(順行型)を用いる」は誤り。工期が決まっているなら、逆算する割付方式が向きます。この向き不向きを逆にする肢が繰り返し出ます。

山崩しは「資源の平準化」で工期短縮ではない

もう1つの頻出が、山積み・山崩しの目的です。

山積みは、日ごとに必要な労務や機械の量を積み上げて、山の形で見えるようにしたものです。ある時期に山が高くなると、その日は人や機械が足りなくなります。

山崩しは、その高い山をならして、資源の投入量を平らにする作業です。つまり資源(労務・機械)の平準化が目的です。

ここを取り違えさせてきます。「山崩しは工期短縮のために用いる」は誤り。山崩しは工期を縮める手法ではなく、山の高さをならして、無理のない資源配分にするための手法です(山積み工程表)。

工期を縮めたいときは、別の手を打ちます。クリティカルパス上の作業について、作業方法の変更や作業員の増員などを検討します(クリティカルパス)。

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計画を立てる順序と工程表の範囲

工程計画には、立てる順序があります。

  • 手順計画 → 日程計画の順:まず各作業の手順(順序関係)を決め、次にそれぞれの日程を決めます。順序が逆ではありません。
  • 基本工程を先に、詳細工程は後:基本工程を最初に立て、それに基づいて順次、詳細工程を決めます。
  • 基本工程表は「工事全体」:基本工程表は工事全体を示すものです。特定の部分や職種だけを取り出したものは部分工程表で、混同させる肢が出ます。

マイルストーンも押さえます。工事の進捗を表す主要な日程上の区切り(管理日)で、掘削開始日・地下躯体完了日・屋上防水完了日などが用いられます。

工区の分割と暦日換算

  • 工区の分割は作業数量を同等に:工程短縮のために工区を分けるときは、各工区の作業数量ができるだけ同等になるように計画します。数量が偏ると、資源の山が平準化されません。
  • 作業速度の設定:各工事の施工速度は、工期・品質・経済性・安全性などを考慮して設定します。速ければよいわけではありません。
  • 暦日換算:工程表は、休日や天候などを考慮した実質的な作業可能日数を算出し、それを暦日(カレンダー上の日数)に換算して作成します。
  • 工事用機械の不稼働を減らす:機械が連続して作業できるよう手順を定め、手待ち(不稼働)をできるだけ少なくします。

混同しやすい用語の整理

積上方式(順行型) と 割付方式(逆行型)

組む向きが逆です。

積上方式(順行型)は、着工から作業を積み上げて工期を出す方式。工期に余裕がある工事に向きます。

割付方式(逆行型)は、竣工日から逆算して割り付ける方式。工期が指定された工事に向きます。

山崩し と 工期短縮

目的が違います。

山崩しは、資源(労務・機械)の投入量の山をならす平準化の手法です。

工期短縮は、クリティカルパス上の作業を短縮して行います。山崩しでは工期は縮みません。

過去問でどう問われたか

工程計画は、平成27年度から令和にかけて、1級・2級でほぼ毎年問われています。過去問の主題が「工程計画」の問だけでも19問あります。引っかけは3つのパターンです。

  • 積上方式と割付方式の向き不向きを逆にする……工期が指定された工事に「積上方式(順行型)」を当てる。正しくは割付方式。1級で反復。
  • 山崩しの目的をすり替える……山崩しを「工期短縮の手法」とする。正しくは資源の平準化。
  • 基本工程表の範囲をすり替える……基本工程表を「特定の部分・職種を取り出したもの」とする。正しくは工事全体。
年度・級・No. 問われ方/引っかけ
1級 平成27年 No.54 工期指定・実績の多い工事に積上方式(順行型)を用いるとした → 割付方式が向く ←①方式
1級 平成29年 No.54 同上(工期指定の工事に積上方式)→ 完成日から逆算する割付方式 ←①方式
1級 令和元年 No.54 工期に制約がある場合に積上方式(順行型)を用いるとした → 逆行型(割付方式) ←①方式
1級 平成30年 No.54 山崩しを工期短縮の手法とした → 資源の平準化の手法 ←②山崩し
1級 平成28年 No.54 基本工程表を「特定の部分・職種を取り出したもの」とした → 工事全体を示す ←③基本工程表

安定して問われるのは工期が指定されたら割付方式(積上方式は誤り)、山崩しは資源の平準化(工期短縮ではない)の2つです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

工期が指定された工事には、積上方式と割付方式のどちらが向くか。

割付方式(逆行型)です。竣工日が先に決まっているので、そこから逆算して各作業を割り付けます。積上方式(順行型)を用いるとする記述は誤りです。

Q.

山崩しは何のための手法か。工期短縮のためか。

資源(労務・機械)の投入量の山をならす、平準化のための手法です。工期短縮の手法ではありません。工期を縮めるときはクリティカルパス上の作業を短縮します。

Q.

基本工程表は、工事全体と特定部分のどちらを示すか。

工事全体を示します。特定の部分や職種を取り出したものは部分工程表です。この2つを入れ替える肢が出ます。

Q.

工程計画は、手順計画と日程計画のどちらを先に立てるか。

手順計画が先です。各作業の順序関係を決めてから、それぞれの日程を決めます。

まとめ

  • 工程計画の立案方式:積上方式(順行型)=着工から積む、割付方式(逆行型)=竣工から逆算。工期が指定されたら割付方式。
  • 山崩しは資源(労務・機械)の平準化の手法。工期短縮ではない。工期短縮はクリティカルパス上の作業を短縮する。
  • 手順計画→日程計画の順。基本工程を先に、詳細工程は後。基本工程表は工事全体を示す。
  • 工区の分割は各工区の作業数量を同等に。施工速度は工期・品質・経済性・安全性を考慮。
  • 工程表は作業可能日数を暦日に換算して作成する。

> 工程表の種類と使い分けは工程表の違いを確認する
> 山積み・山崩しの手順は山積み工程表を確認する
> 工期と工事費の関係は工期と工事費を確認する

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参考資料

  • 建築工事監理指針・施工計画(工程計画の立案方式=積上方式(順行型)と割付方式(逆行型)、工期が制約される場合は割付方式、手順計画→日程計画の順、基本工程表・詳細工程表)
  • 山積み・山崩しの解説(山積みは日ごとの資源負荷を積み上げたもの、山崩しは資源の山をならす平準化の手法。順行負荷は基準日から積み、逆行負荷は納期を基準とする)
  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級・2級 建築施工管理技術検定 第一次検定(学科)試験 問題」(工程計画の出題)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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