けんせつる
平板載荷試験って何?いつ使うの?
この記事の要点
平板載荷試験は、直径30cmの円形鋼板(載荷板)を地盤面に置いて荷重をかけ、沈下量から地耐力を直接測定する試験です(JIS A 1215)。
N値から推定する標準貫入試験とは異なり、地耐力を実測できるのが特徴です。ただし有効深さが浅いため、地盤改良後の品質確認や表層地盤の支持力確認に使われることが多い試験です。
地盤の強さを「直接測る」という点では非常に信頼性が高い試験です。
ただし、測定できる深さに限界があるため、施工管理ではどんな場面で使うかを理解しておくことが大切です。
試験は以下の流れで進みます。
ザックリ言えば、「鋼板で地面を押して、どれだけの力で地盤が沈み始めるかを直接確認する試験」です。
平板載荷試験の有効深さは、載荷板径(30cm)の1.5~2倍程度、つまり45~60cm程度とされています。
これは「試験で評価できるのは地表面から45~60cmの範囲の地盤」という意味なことになります。
深部地盤の支持力を評価するには向いていませんが、その浅さが逆に強みになる場面があります。
例えば、表層改良工事が完了した後に「改良した地盤が本当に設計支持力を満たしているか」を確認するため、改良範囲内で平板載荷試験を実施することがあります。
地盤改良(表層改良)は、セメント系固化材を地盤と混合して地耐力を高める工法です。
改良後の地盤は地中に埋まってしまうため、目視では品質を確認できません。そこで平板載荷試験が活躍します。
施工管理での使い方は次の通りです。
要は、「一軸圧縮試験(サンプリング試料の強度確認)と組み合わせることで、地盤改良の品質確認が完結する」という位置づけです。
平板載荷試験と標準貫入試験はどちらも地盤の強さを調べる試験ですが、測定方法・得られる情報・適用範囲が異なります。
| 比較項目 | 平板載荷試験 | 標準貫入試験(SPT) |
|---|---|---|
| 測定方法 | 鋼板に荷重をかけて沈下量を実測する | ハンマー打撃回数(N値)を記録する |
| 得られる情報 | 地耐力(直接測定値) | N値(地盤硬軟の相対指標)→地耐力は推定 |
| 有効深さ | 載荷板径の1.5~2倍(約45~60cm) | ボーリング深度まで(数十mも可能) |
| 主な用途 | 表層地盤の支持力確認・地盤改良後の確認 | 建物全体の基礎計画・杭工事の支持層確認 |
| コスト・手間 | 比較的手軽・現場で即時確認できる | 大型機械・専門技術が必要 |
簡単にいうと、「表層の地耐力を直接確認したいなら平板載荷試験、深部地盤を含めた建物全体の基礎計画を立てるなら標準貫入試験」という使い分けなということです。
試験の目的が違うため、どちらが優れているという話ではありません。施工段階での品質確認に平板載荷試験、設計前の地盤調査に標準貫入試験、という役割分担があります。
平板載荷試験は、国土交通省告示第111号(下図)の第一「地盤調査の方法」第七として公式に規定されています。
平板載荷試験の適用・試験方法・載荷板設置時の注意・報告書の規定は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版(下図)の4.2.4節に示されています。
混同しやすい用語の整理
平板載荷試験は表層地盤の地耐力を鋼板への加重で直接実測します。有効深さが浅く、地盤改良後の確認や表層支持力確認が主な用途なことになります。
標準貫入試験はハンマー打撃回数(N値)から地盤の硬軟を判定し、N値をもとに地耐力を推定します。ボーリング孔を使うため深部地盤まで評価でき、建物の基礎設計・杭計画に広く使われます。
平板載荷試験に使う載荷板のサイズと形状は?
直径30cmの円形鋼板(JIS A 1215)。地盤面に水平に設置して段階的に荷重をかけ、沈下量から地耐力を直接測定する。
平板載荷試験の有効深さはどのくらいか?
載荷板径(30cm)の1.5~2倍程度、つまり約45~60cm程度。深部地盤の評価には向かないため、表層改良後の確認や直接基礎の支持力確認に使われる。
地盤改良後に平板載荷試験を行う目的は?
改良した地盤が設計で定めた許容地耐力(kN/m2)以上の支持力を持っているかを現地で直接確認するため。埋まってしまった改良地盤の品質を証明する記録としても保管される。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> 地盤調査とN値の確認ポイントを確認する
> 地盤改良工事の施工管理ポイントを確認する
参考資料
・JIS A 1215(地盤の平板載荷試験方法)
・地盤工学会「地盤調査の方法と解説」
※ この記事の法令確認日:2026年5月
施工管理のポイント
有効深さ45~60cmという数字は、「試験で評価しているのはそこまでの地盤だけ」という意味なので注意が必要です。例えば表層改良深度が2mあっても、平板載荷試験が見ているのは表面付近だけです。
改良効果の全体確認には、一軸圧縮試験のサンプリング深度も合わせて確認する必要があると思います。