けんせつる
オランダ式二重管コーン貫入試験って何?何のために使う試験?
この記事の要点
オランダ式二重管コーン貫入試験は、二重管構造のロッドを静的に地盤へ押し込み、先端コーン抵抗(qc)と外管の周面摩擦(fs)を分離して測定できる静的サウンディングの一種です(JIS A 1220)。
粘性土・砂質土の層別地盤特性の把握に使われ、深さごとに連続したデータが得られるのが特徴です。地盤調査の全体像も合わせて確認しておくといいです。
地盤調査の方法はいくつかありますが、このコーン貫入試験は「層の変化を連続的につかみたい」場面で力を発揮します。
施工管理の試験でも「静的サウンディング」「qcとfsの分離測定」という特徴が問われることがありますね。
この試験の名称にある「二重管」がポイントです。外管と内管の二重構造になっており、内管の先端コーン(円錐形の貫入チップ)と外管は独立して動きます。
ザックリ言えば、「先端の抵抗」と「管の側面の摩擦」を別々に計れる試験です。
| 測定値 | 記号 | 意味 |
|---|---|---|
| 先端コーン抵抗 | qc(kN/m2) | コーン先端が地盤に押し込まれるときの抵抗力。地盤の硬さを示す |
| 周面摩擦抵抗 | fs(kN/m2) | 外管の側面と地盤の間に働く摩擦力。土の種類や粘着力に関係する |
qcとfsを分離して測定できるため、砂質土か粘性土かの判別や、深さごとの地盤特性の変化を読み取ることができます。例えば、軟弱な粘性土層と締まった砂層が互いに重なるような地盤でも、深さごとのデータの変化で層の境界を把握できます。
オランダ式二重管コーン貫入試験は、粘性土地盤や砂質土が層状に重なる地盤で特性を把握したいときに使われます。深さごとに連続的にデータが得られるため、地層の境界や軟弱層の分布を細かく把握するのに向いています。
一方、礫・岩盤が多い地盤では貫入できなくなるため適用外になります。これはスクリューウェイト貫入試験と同様の限界点ですね。
オランダ式二重管コーン貫入試験が分類される「静的貫入試験」は、昭和46年建設省告示第111号(下図)の第一「地盤調査の方法」第三として規定されています。
最も混同しやすいのが標準貫入試験(SPT)との比較です。どちらも地盤の硬軟を調べる試験ですが、調査の仕組みと得られる情報が異なります。
| 項目 | オランダ式二重管コーン貫入試験 | 標準貫入試験(SPT) |
|---|---|---|
| サウンディングの種類 | 静的サウンディング | 動的サウンディング |
| 貫入方法 | 静的に押し込む | ハンマーを落として打撃する |
| 測定値 | qc(先端抵抗)・fs(周面摩擦)を連続的に測定 | N値(30cm貫入するのに要した打撃回数)を深さ1mごとに測定 |
| データの連続性 | 深さごとの連続データが得られる | 原則として深さ1mごとのデータ |
| 地層サンプル | 採取できない | サンプラーで採取できる |
| 不向きな地盤 | 礫・岩盤 | 礫・岩盤でも対応可能 |
N値との換算は可能ですが、SW試験と同様にあくまで概算であり精度に限界があります。詳細な設計には直接N値を測定するボーリング調査が必要です。
混同しやすい用語の整理
オランダ式二重管コーン貫入試験は静的にロッドを押し込んでqcとfsを連続測定する試験です。標準貫入試験(SPT)はハンマーを落として打撃回数(N値)を測定する動的な試験で、地層サンプルの採取も同時にできます。
連続データが欲しいときはコーン貫入試験、N値と地層サンプルが欲しいときは標準貫入試験という使い分けになりますね。
N値を用いた支持ぐいの許容支持力計算式は、昭和46年建設省告示第111号(下図)の第三に規定されており、コーン貫入試験のqc・fsとは異なる観点で支持力を評価します。
オランダ式二重管コーン貫入試験で分離測定できる2つの値は?
先端コーン抵抗(qc)と外管の周面摩擦抵抗(fs)。二重管構造により内管(先端コーン)と外管(周面)の抵抗を分離して測定できる。
オランダ式二重管コーン貫入試験と標準貫入試験の最大の違いは?
サウンディングの種類と貫入方法の違い。コーン貫入試験は静的(ロッドを押し込む)で連続データが得られる。
標準貫入試験は動的(ハンマーで打撃)でN値を深さ1mごとに測定し、地層サンプルの採取もできる。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> 地盤調査とN値の確認ポイントを確認する
> スクリューウェイト貫入試験(スウェーデン式)の仕組みと適用範囲を確認する
> 原位置試験の種類と使い分けを確認する
参考資料
・JIS A 1220(オランダ式二重管コーン貫入試験方法)
・地盤工学会「地盤調査法」
※ この記事の法令確認日:2026年5月
試験での押さえどころ
「静的サウンディングの一種」「qcとfsを分離測定できる」「礫・岩盤には不向き」の3点が試験で問われやすいポイントです。
特に標準貫入試験(SPT)との対比で「静的か動的か」「連続データか深度1mごとのデータか」という違いを整理しておくと答えやすくなります。