けんせつる
スウェーデン式サウンディングって何?木造住宅の地盤調査で使うって聞いたけど、仕組みがよくわからない。
この記事の要点
スクリューウェイト貫入試験(SW試験)は、先端にスクリューポイントを取り付けたロッドに荷重をかけ、回転貫入させながら地盤の硬軟を測る静的サウンディングの代表的な方法です。JIS A 1221の2020年改正で「スウェーデン式サウンディング試験」から現在の名称に改称されました。
木造2階建て以下の小規模建築の地盤調査に広く使われており、試験から直接N値は得られませんが、換算式で概算できます。地盤調査の全体像も合わせて確認しておくとより理解が深まります。
木造住宅を建てる前に「この土地の地盤は大丈夫か」を確認する調査として、実務で最もよく使われる試験です。
試験名の改称があったことや、N値が直接測れないという特徴が試験でよく問われるポイントです。
先端にスクリューポイント(螺旋状の錐先)を取り付けたロッドに、順次おもりを積み重ねて荷重を加えます。最大荷重1kN(100kgf)をかけても自沈しない場合は、ロッドを回転させながら強制的に貫入させます。
このとき記録するのが、荷重(Wsw:単位kN)と25cm貫入するのに要した回転数(Nsw:半回転数)の2つです。これらが地盤の硬軟を示す指標になります。
| 測定項目 | 内容 | 意味 |
|---|---|---|
| Wsw(荷重) | スクリューポイントが自沈するときの荷重(最大1kN) | 小さいほど軟弱な地盤。自沈するほど柔らかい |
| Nsw(半回転数) | 25cm貫入するのに要した半回転数 | 多いほど地盤が硬い |
ザックリ言えば、「おもりを積んで自然に沈むかどうか、回転させたときにどれだけ手応えがあるか」を測る試験です。大型の機械を使わず、比較的軽量な装置で調査できるため、住宅地での採用が多いです。
この試験はもともと「スウェーデン式サウンディング試験」という名称で長く使われてきました。JIS A 1221が2020年に改正され、現在の正式名称はスクリューウェイト貫入試験となっています。
ただし、施工管理の試験問題や現場では旧名称「スウェーデン式サウンディング(SWS試験)」が引き続き使われることも多いため、両方の名称を覚えておく必要がありますね。
スクリューウェイト貫入試験は、木造2階建て以下の小規模建築の地盤調査に広く適用されます。例えば、戸建て住宅の新築工事前に行う地盤調査がこれに当たります。
国土交通省「小規模建築物基礎設計指針」でも、小規模建築物の地盤調査方法として位置づけられています。
| 項目 | スクリューウェイト貫入試験(SW試験) | ボーリング調査(標準貫入試験) |
|---|---|---|
| 対象建築物 | 木造2階建て以下の小規模建築 | 中・大規模建築、RC造・鉄骨造など |
| 機械規模 | 小型・軽量。住宅地でも搬入しやすい | 大型機械が必要。搬入スペースが必要 |
| 調査コスト | 比較的安価 | SW試験より高コスト |
| 得られる情報 | WswとNswから地盤の硬軟を把握できる。N値は換算値(概算) | N値を直接測定できる。地層サンプルの採取も可能 |
| 苦手な地盤 | 岩・礫が多い地盤では正確に測定できない | 礫・岩盤でも対応可能 |
例えば、木造2階建て住宅の地盤調査ではSW試験を5ポイント(建物四隅と中央)実施して地盤の均質性を確認するのが一般的です。一方、鉄骨造や鉄筋コンクリート造の中規模以上の建物では、詳細な地層構成の把握が必要なためボーリング調査が選ばれます。
標準貫入試験(SPT)では、ハンマーを一定の高さから落下させてサンプラーを30cm打ち込む打撃回数がそのままN値として記録されます。SW試験ではこの打撃を行わないため、N値を直接測定することはできません。
代わりに、WswとNswのデータから換算式を用いてN値の概算値を求めることができます。ただし、これはあくまで換算値であり、実測値と差が生じることがあるため精度に限界があります。
代表的な換算式として、次のようなものが使われています。
N値(換算)= 2Wsw+0.067Nsw(地盤工学会による換算式の一例)
換算N値はあくまで目安として使うものです。地盤の種類(粘性土か砂質土かなど)によって換算精度が変わるため、詳細な設計が必要な場合はボーリング調査が必要になります。
スウェーデン式サウンディング試験(現名称:スクリューウェイト貫入試験)は、昭和46年建設省告示第111号(下図)の第一「地盤調査の方法」第八として規定されています。
SW試験とボーリング調査の最大の違いは「得られる情報の深さと精度」です。SW試験は手軽で安価な反面、岩や礫に当たると正確に測定できなくなります。
ボーリング調査はコストと機械規模が大きい反面、深部まで詳細な地層情報が得られます。
施工管理の実務では、建物の規模・構造・敷地条件をもとに適切な調査方法を選ぶことが求められますね。
混同しやすい用語の整理
SW試験は荷重と回転貫入を組み合わせた静的サウンディングで、小規模建築の地盤調査に使われます。N値は直接得られず、換算式で概算します。
標準貫入試験(SPT)はボーリング孔の中でハンマーを落として打撃回数を数える動的サウンディングで、N値を直接測定します。中・大規模建築の地盤調査に使われます。
静的か動的かという区分と、適用建物規模の違いを合わせて覚えておくといいです。
N値を用いた支持ぐいの許容応力度計算(SW試験の換算N値では精度が不十分で、杭基礎設計には標準貫入試験が必要)は、昭和46年建設省告示第111号(下図)の第三に規定されています。
スクリューウェイト貫入試験で記録する2つの測定値を答えよ。
荷重(Wsw:kN)と25cm貫入するのに要した半回転数(Nsw)。WswとNswから地盤の硬軟を評価し、換算式でN値の概算値を求める。
スクリューウェイト貫入試験が苦手とする地盤の条件は?
岩・礫が多い地盤。スクリューポイントが岩や礫に当たると正確に貫入できなくなるため、測定値が地盤の本来の特性を反映しなくなる。
こうした地盤ではボーリング調査が適している。
「スウェーデン式サウンディング試験」はいつ、どのように改称されたか?
JIS A 1221の2020年改正により、「スクリューウェイト貫入試験」に改称された。試験問題や現場では旧名称も引き続き使われるため、両方の名称を覚えておく必要がある。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> 地盤調査とN値の確認ポイントを確認する
> オランダ式二重管コーン貫入試験とは?を確認する
参考資料
・JIS A 1221(スクリューウェイト貫入試験方法、2020年改正)
・地盤工学会「地盤調査法」
・国土交通省「小規模建築物基礎設計指針」
※ この記事の法令確認日:2026年5月
試験での押さえどころ
SW試験に関して試験でよく問われるのは「N値は直接得られない(換算式で概算する)」「最大荷重は1kN(100kgf)」「静的サウンディングの代表例」の3点です。
特に「N値が直接得られない」という点は標準貫入試験(SPT)との決定的な違いなので、混同しないよう整理しておきましょう。