けんせつる
Pコンって何?セパレーターやフォームタイとどう違うの?
この記事の要点
Pコン(コーンナット)は、RC造の型枠工事においてセパレーターの端部に取り付け、型枠間の距離を保持する円錐形の部材です。脱型後にコンクリート表面にコーン穴が残るため、仕上げの種類に応じた補修が必要になります。
施工管理では打設前のセパレーター間隔確認と、脱型後のコーン穴補修確認が主なチェックポイントです。「Pコン=プレキャストコンクリート」という混同は誤りです。
「Pコン」という言葉は現場でよく使われますが、正式な学術名はコーンナットです。
型枠工事の部材は複数が組み合わさって機能するため、それぞれの役割を正確に理解しておくことが施工管理上の基本になります。
Pコン(コーンナット)は、型枠のせき板面にセパレーターを固定し、型枠間の距離(コンクリートの断面幅)を正確に保つための円錐形スペーサーです。
「円錐形(コーン形)」にしているのは理由があるんです。円錐形だと脱型時に型枠から引き抜きやすく、コンクリート表面に残るコーン穴も処理しやすい形状になります。
「Pコン」という通称の語源は諸説ありますが、「P型コーン」または「Plastic Cone」からきているとされています。いずれにせよ、JIS規格や公共建築工事標準仕様書での正式用語はコーンナットです。公式資料では「コーンナット」が正式名称のため、両方の名称を把握しておきましょう。
ここは混乱しやすいところですね。型枠工事では4つの部材がワンセットで機能しています。
| 部材名 | 役割 | 脱型後の扱い |
|---|---|---|
| セパレーター | 向かい合う型枠の内側同士の間隔(コンクリート断面幅)を保持する棒状部材。コンクリートに埋め込まれたまま残る | コンクリート内に残留 |
| Pコン(コーンナット) | セパレーターの両端に取り付け、せき板面でフォームタイと接続する円錐形部材。脱型時に引き抜く | 脱型時に取り外す |
| フォームタイ | 型枠の外側からPコンを介してセパレーターを固定する締付けナット・ボルト類 | 脱型時に取り外す |
| コーンキャップ | 脱型後にコーン穴をふさぐためのキャップ。打放し仕上げや軽微な補修で使う | 穴をふさぐため挿入する |
ザックリ言えば、「セパレーターが構造上の芯、Pコンとフォームタイがそれをはさむクリップ、コーンキャップが脱型後の蓋」という関係です。
例えば、600mm厚のRC壁を打設するとします。セパレーターの長さは600mmから両端のPコン分(各約20mm)を引いた560mm程度になります。Pコンの長さが変わると、コーン穴の深さも変わるわけです。
セパレーターの長さは、コンクリート断面幅(設計寸法)からPコン2個分の長さを引いた値になります。
Pコン1個の長さ(コーンの突出長)は製品によって異なりますが、一般的に15~25mm程度です。
なんとなくイメージできましたか。セパレーターは「コンクリートの幅を保つ芯」で、Pコンは「型枠とセパレーターをつなぐ接続部品」という関係です。
Pコンを取り外すと、コンクリート表面に円錐形の穴(コーン穴)が残ります。
この穴は雨水や炭酸ガスの侵入経路になるため、仕上げの種類にかかわらず適切に補修・処理することが必要です。
タイル・左官・塗装などの仕上げ材を施工する場合は、下地処理の一環としてモルタルや無収縮グラウトでコーン穴を充填します。
充填後に周囲のコンクリートと面一になっているか、空洞が残っていないかを確認します。
打放し仕上げ(コンクリートを見せたまま仕上げる工法)の場合、コーン穴の処理方法が意匠的な問題にもなります。
どちらの方法で処理するかは、設計図書の特記仕様書や監理者の指示に従います。勝手に判断しないことが重要です。
例えば、フォームタイの締付けが甘いまま打設すると、コンクリートの側圧でせき板が変形して断面幅が広がる「はらみ」が発生します。Pコン・フォームタイの固定確認は、型枠工事の確認の中でも特に打設直前に行うことが重要なんです。
混同しやすい用語の整理
Pコン(コーンナット)は型枠工事の間隔保持部材(コーン形状のナット)。プレキャストコンクリート(PCa)は工場製作のコンクリート部材のことです。
「P」の文字が共通しているため混同されやすいですが、まったく別の概念です。試験でも現場でも明確に区別します。
セパレーターは型枠間の距離(断面幅)を保持する部材。スペーサーは鉄筋のかぶり厚さを確保するための間隔保持材です。
どちらも「間隔を保つ」部材ですが、セパレーターは型枠の位置を保持し、スペーサーは鉄筋の位置を保持します。対象が異なります。
Pコン(コーンナット)の正式名称は何か?
コーンナット。現場通称は「Pコン」だが、JIS・公共建築工事標準仕様書での正式用語はコーンナットである。
セパレーターの長さはどのように決まるか?
コンクリートの設計断面幅からPコン(コーンナット)2個分の長さを引いた値になる。Pコンの長さは製品によって異なり、一般的に15~25mm程度。
脱型後のコーン穴を処理せずに放置した場合、どのような問題が起きるか?
雨水・炭酸ガスが穴から侵入し、コンクリート内部の鉄筋が腐食する原因になる。特に屋外に露出する部位では、コーン穴補修は耐久性確保の観点から必須の処置である。
打放し仕上げのコーン穴補修には主にどの2つの方法があるか?
コーンキャップ挿入とモルタル充填の2つ。どちらを選ぶかは設計図書の特記仕様書・監理者の指示による。施工者が勝手に判断しない。
型枠工事でフォームタイの締付けが不十分だった場合、打設時にどのような現象が起きるか?
コンクリートの側圧によってせき板が外側に変形する「はらみ」が発生し、断面寸法が設計値より大きくなる。構造的な問題だけでなく、仕上げへの影響も大きい。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> 型枠の存置期間とは?脱型時期の管理基準を確認する
参考資料
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 第6章 型枠工事(国土交通省)
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
「Pコン=プレキャストコンクリート」と思い込んでいる人が意外に多いんですが、まったく別の部材です。Pコン(コーンナット)はあくまで型枠のアクセサリー部品の話です。
現場でよく見落とされるのが、打放し仕上げのコーン穴処理の方法を事前に確認しないで進めてしまうケースです。
補修方法を後から変更しようとすると、脱型後の最初の状態と比べて面積が増えていて手間が倍になります。着工前に設計図書の特記仕様書で補修方法を確認し、使用材料を先に押さえておくことが基本です。