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型枠の存置期間とは?脱型の基準をセメント種類・部位別に整理

けんせつる

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型枠の存置期間って何?どんな場面で使うの?

この記事の要点

型枠の存置期間とは、コンクリートを打設してから型枠を外す(脱型する)までに必要な最低限の期間のことです。コンクリートが十分な強度を発現する前に型枠を外すと、変形・崩壊のリスクがあります。

存置期間はセメントの種類・部位(柱・壁・梁・スラブ)・平均気温によって異なります。建築基準法とJASS 5に基準が定められています。

型枠をいつ外すかは工程上の重要な管理ポイントです。

早く外せれば工程を短縮できますが、基準を満たす前に外すと構造上の問題が生じます。「早く外したい」という工程圧力に負けないために、脱型基準を先に頭に入れておくといい。

存置期間が必要な理由はなぜか

コンクリートは打設直後から強度が発現しはじめますが、十分な強度になるまでには時間がかかります。

特にスラブ・梁の底型枠は自重と上部荷重を支えているため、早期に外すとたわみ・崩壊の危険があります。

一方、柱・壁の側型枠は荷重を直接支えていないため、比較的早く外せます。部位によって存置期間が違う理由はここにあります。

存置期間の基準はどうなっているか

建築基準法施行令第76条とJASS 5に基準が定められています。

建築基準法による基準(気温・セメント別)

部位セメントの種類気温15℃以上気温5℃以上15℃未満
基礎・梁側・柱・壁(側型枠)早強ポルトランドセメント2日3日
普通ポルトランドセメント3日5日
スラブ・梁の底(底型枠)早強ポルトランドセメント8日10日
普通ポルトランドセメント17日25日

ザックリ言えば、「側型枠は数日で外せるが、底型枠は2~4週間必要」ということです。スラブ・梁の底型枠は荷重を支えているため、存置期間が大幅に長くなります。

せき板の最小存置期間は、公共建築工事標準仕様書(下図)の表6.8.2に示されています。

公共建築工事標準仕様書 表6.8.2 せき板の最小存置期間 脱型基準
出所:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 p.55 表6.8.2 せき板の最小存置期間 — コンクリートの材齢・圧縮強度(5N/mm²・設計基準強度の50%等)による脱型条件

圧縮強度による管理(告示110号・JASS 5)

日数による管理に加えて、コンクリートの圧縮強度が一定以上に達したことを確認して脱型する方法も認められています。

「せき板(型枠板)」と「支柱(パイプサポート)」で取外し基準が異なる点が試験の引っかけになります。

部位・部材取外し可能な圧縮強度
柱・壁・梁の側型枠(せき板)5N/mm2以上
スラブ・梁の底型枠(せき板のみ、支柱は存置)設計基準強度の50%以上
スラブ・梁の底型枠の支柱(パイプサポート等)設計基準強度の85%以上 または 12N/mm2以上(構造計算で安全確認が前提)

簡単にいうと、「底の型枠板(せき板)は50%で外せるが、支柱は85%12N/mm2まで粘る」ということです。せき板を先に外して支柱を残す段階施工が実務でも試験でも重要なポイントです。

例えば設計基準強度Fc=24N/mm2の場合、せき板単独の取外しには24×0.5=12N/mm2以上、支柱の取外しには24×0.85=約20N/mm2以上の強度が必要です。供試体の圧縮試験でこの強度を確認してから脱型します。

支柱の最小存置期間の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の表6.8.3に示されています。

公共建築工事標準仕様書 表6.8.3 支柱の最小存置期間
出所:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 p.56 表6.8.3 支柱の最小存置期間 — 設計基準強度の85%以上・12N/mm²以上等による支柱解体条件

施工管理でどう管理するのか

管理人からのコメント

型枠存置期間はセメントの種類・養生温度・打設部位で変わります。設計基準強度の確認は供試体の圧縮強度試験結果を使い、規定値に達するまで脱型しないでください。

早期脱型は支保工の早期撤去につながりやすいので特に注意が必要です。

混同しやすい用語の整理

側型枠 vs 底型枠

側型枠は柱・壁・梁の側面を押さえる型枠です。荷重を直接支えていないため比較的早く脱型できます。

底型枠はスラブ・梁の底面を支える型枠です。コンクリートの自重+上部荷重を支えているため、コンクリートが十分な強度に達するまで存置が必要です。

脱型 vs 支保工解体

脱型は型枠パネルを外す作業です。支保工解体は型枠を支えるパイプサポート・支柱を解体する作業です。

底型枠の場合、型枠パネルを外した後も支保工を残すことがあります(部分的な荷重支持のため)。脱型と支保工解体は別工程として管理します。

一問一答

Q.

普通ポルトランドセメント・気温15℃以上の場合、スラブ底型枠の存置期間は?

17日以上(建築基準法施行令第76条)。早強ポルトランドセメントなら8日、気温が5℃以上15℃未満なら普通セメントで25日となる。

Q.

圧縮強度による管理の場合、スラブ下のせき板(型枠板のみ)を取り外せる圧縮強度の条件は?

設計基準強度の50%以上(支柱を存置する場合)。支柱を同時に取り外す場合は、設計基準強度の85%以上または12N/mm2以上かつ構造計算で安全確認が必要。

Q.

「スラブ下のせき板と支柱の圧縮強度基準は同じである」は適当か不適当か?

不適当。せき板は設計基準強度の50%以上で取り外せるが、支柱(パイプサポート)は85%以上または12N/mm2以上(構造計算確認要)が必要で、基準が異なる。

まとめ

RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。

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参考資料

・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)

・JIS A 5308 レディーミクストコンクリート

・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省

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建築業界の実務経験をもとに、建築施工管理の用語・施工手順・混同しやすい違いを整理しています。

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