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地業工事とは?砂利地業・捨てコンクリート・防湿層の位置と締固めの基準

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けんせつる

けんせつる

防湿フィルムって、砂利の下と上どっちに敷くんだっけ?

砂利地業には、粒のそろった砂利を使うんじゃないの?

この記事の要点

地業工事は、基礎の下に砂利や捨てコンクリートを敷いて、地盤を平らに固める工事です。

ねらわれるのは2つ。防湿層(ポリエチレンフィルム)は砂利地業の「上」(直下は誤り)。砂利地業には粒のそろった砂利より砂混じりの切込砂利を使います。

根切り・床付けは根切りと掘削、捨てコンの強度・厚さは捨てコンクリートにまとめています。

地業工事とは、基礎スラブの下で、砂利や捨てコンクリートを敷いて地盤を平らにならし、上からの荷重を均等に支えられるようにする工事のことです。

掘削して出てきた地盤(床付け地盤)の上に、下から順に積んでいきます。まず全体の断面を押さえます。

地業工事の断面模式図。下から床付け地盤・捨てコンクリート・砂利地業(切込砂利)・防湿層(ポリエチレンフィルム)・土間コンクリートの順に積む。防湿層は砂利地業の上(土間コンの直下)に敷き、砂利地業には砂混じりの切込砂利を使い、締固めは床付け地盤を乱さないよう行う。
地業工事は下から順に積む。防湿層は砂利地業の上(土間コンの直下)で、砂利地業の直下ではない。※関係をつかむための模式図で、実際の厚さの比率を描いたものではない。
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砂利地業には「切込砂利」を使う

砂利地業は、床付け地盤の上に砂利や砕石を敷き均して締め固め、地盤の支持力を確保する地業です。

ここでの的は、使う砂利の種類です。粒のそろった砂利より、砂が混じった切込砂利(切込砕石)のほうが適しています

粒がそろっていると、粒と粒のすき間が大きく残って締め固まりにくいためです。砂が混じっていると、大きい粒のすき間を砂が埋めてよく締まります。

だから「粒径のそろった砂利を用いる」は誤りで、正しくは砂混じりの切込砂利や、砕砂と砕石を混合した切込砕石を使います。

締固めにも決まりがあります。

  • 床付け地盤を乱さない:締固めは、その下の床付け地盤を破壊したり、さらに深い地盤を乱したりしないよう注意して行う。
  • 沈下量を見込む:締固め後の表面が所定の高さになるよう、あらかじめ沈下量を見込んでおく。
  • くぼみは補充して転圧:締固めでくぼみが生じたら、砂または砂利を補充して再度転圧する。
  • 層が厚い場合:層厚が厚いときは、2層以上に分けて締め固める。

防湿層は砂利地業の「上」に敷く

この記事で最も問われるのがここです。

土間コンクリートの下には、地面からの湿気を防ぐ防湿層(ポリエチレンフィルム)を敷きます。問題は、その位置です。

防湿層は、砂利地業の上(土間コンクリートの直下)に敷き込みます。「砂利地業の直下に敷く」は誤りです。

理由は役目から分かります。防湿層は、下からの湿気を土間コンクリートに伝えないためのものです。だからコンクリートのすぐ下、つまり砂利地業の上に置きます。砂利の下に敷いても、砂利が湿気を含んでしまい意味がありません。

ただし例外があります。断熱材がある場合は、防湿層は断熱材の直下に設けます。断熱材を湿気から守るためです。

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捨てコンクリートは「作業床」

捨てコンクリート地業は、床付け地盤や砂利地業の上に薄くコンクリートを打つ地業です。

目的は構造耐力ではありません。墨出し・配筋・型枠建込みの作業床(基盤)にするためと、掘削底面を安定させ、基礎スラブや基礎梁のコンクリートが地盤へ流出するのを防ぐためです。

だから捨てコンの強度や厚さは、構造計算で決まる値ではありません(捨てコンクリート)。

なお、床付け地盤が堅固で良質な場合は、地盤上に捨てコンクリートを直接打設してよいとされています。砂利地業を必ず入れなければならないわけではありません。

砂地業・再生材のポイント

  • 砂地業:砂を用いる地業。締固めが困難にならないよう、シルトなどの泥分が多量に混入した砂は避ける
  • 再生クラッシャラン・再生砕石:コンクリート塊などの建設副産物を破砕した材料で、砂利地業に用いる。原料が解体現場から出た廃材のため、性状は元の材料に左右される。
  • ビニールシート:捨てコンクリートの水分が著しく脱水するおそれがある場合は、ビニールシート等を敷いてから打ち込む。

混同しやすい用語の整理

砂利地業 と 捨てコンクリート地業

どちらも基礎の下の地業ですが、役目が違います。

砂利地業は、砂利を敷き締め固めて地盤の支持力を確保するためのものです。

捨てコンクリート地業は、その上で墨出し・配筋の作業をする基盤にするためのものです。構造耐力を負担しません。

防湿層の位置(防湿層の直下と上)

敷く位置を上下逆に出してきます。

防湿層は砂利地業の上(土間コンの直下)。ただし断熱材がある場合は断熱材の直下です。「砂利地業の直下」は誤りです。

過去問でどう問われたか

地業工事は、平成27年度から令和にかけて、主に2級で繰り返し問われています。引っかけは3つのパターンです。

  • 防湿層の位置……ポリエチレンフィルムを「砂利地業の直下」に敷く、は誤り。正しくは砂利地業の上(土間コンの直下)。
  • 砂利の種類……「粒径のそろった砂利を用いる」は誤り。砂混じりの切込砂利を用いる。
  • 再生砕石の品質……再生クラッシャラン・再生砕石の品質を、年度によって「ばらつきが少ない/ばらつきがある」の両方向から問う。
年度・級・No. 問われ方/引っかけ
2級 平成28年 No.40 防湿フィルムを砂利地業の直下に敷いた → 砂利地業の上(土間コンの直下) ←①位置
2級 平成30年前期 No.19 防湿層フィルムを砂利地業の直下に敷き込んだ → 砂利地業の上 ←①位置
2級 平成27年 No.40 再生砕石は品質のばらつきが少ないとした → 元のコンクリート塊が様々でばらつく ←③再生材
2級 平成29年後期 No.40 再生クラッシャランは品質のばらつきが少ないとした → ばらつきがある ←③再生材
2級 令和元年後期 No.19 (正しい肢)砂利地業の締固めは床付地盤を乱さないよう行う/くぼみは砂・砂利を補充し再転圧

再生砕石は年度によって扱いが分かれます。原料が建設副産物なので性状は元の材料に左右されますが、粒度は規格(JIS A 5001)で管理されます。その年の選択肢が「品質」の何を指しているかを、他の肢と見比べて判断するのが安全です。

安定して問われるのは防湿層は砂利地業の上(直下は誤り)、砂利は砂混じりの切込砂利の2つです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

土間コンクリートの防湿層(ポリエチレンフィルム)は、砂利地業のどこに敷くか。

砂利地業の上(土間コンクリートの直下)です。砂利地業の直下は誤りです。ただし断熱材がある場合は、断熱材の直下に設けます。

Q.

砂利地業には、粒のそろった砂利と砂混じりの切込砂利のどちらが適するか。

砂混じりの切込砂利です。粒がそろっているとすき間が残って締め固まりにくく、砂が混じっていると大きい粒のすき間を砂が埋めてよく締まります。

Q.

捨てコンクリートの目的は何か。

墨出し・配筋・型枠建込みの作業床にすることと、掘削底面の安定化・コンクリートの流出防止です。構造耐力は負担しません。

Q.

砂利地業の締固めで注意することは何か。

その下の床付け地盤を破壊したり、さらに深い地盤を乱したりしないよう注意して行います。くぼみが生じたら砂・砂利を補充して再度転圧します。

まとめ

  • 地業工事は基礎の下で地盤を平らに固める工事。下から床付け地盤→捨てコン→砂利地業→防湿層→土間コンの順。
  • 防湿層(ポリエチレンフィルム)は砂利地業の上(土間コンの直下)。断熱材があれば断熱材の直下。砂利地業の直下は誤り。
  • 砂利地業は粒のそろった砂利より砂混じりの切込砂利。締固めは床付け地盤を乱さない。
  • 捨てコンクリートは墨出し・配筋の作業床。構造耐力は負担しない。床付けが良質なら直接打設可。
  • 砂地業は泥分の多い砂を避ける。再生砕石は建設副産物が原料で、粒度は規格で管理される。

> 根切り・床付けは根切りと掘削を確認する
> 捨てコンの強度・厚さは捨てコンクリートを確認する
> 地盤調査は地盤調査を確認する

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参考資料

  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第4章 地業工事(砂利地業・砂地業・捨コンクリート地業の材料・締固め、防湿層の位置)
  • JASS 3 土工事および山留め工事/JASS 4 基礎工事(砂利地業に用いる切込砂利・切込砕石、締固め、床付け地盤を乱さない施工)
  • JIS A 5001 道路用砕石(再生クラッシャラン・再生砕石の粒度)
  • クラッシャーランの解説(バージン材のクラッシャーランは同一採石場で品質のばらつきが少なく、再生材は建設廃材が原料のため性状が元の材料に左右される)
  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級・2級 建築施工管理技術検定 第一次検定(学科)試験 問題」(地業工事の出題)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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