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高所作業車の資格と安全規定【10m未満・以上の区分を整理】

けんせつる

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高所作業車って何m以上から技能講習が必要なの?アウトリガーはどこまで出せばいいの?

この記事の要点

高所作業車は作業床の最大高さによって必要な資格が変わります。10m未満は特別教育、10m以上は技能講習修了が必要です。

「10m未満は無資格でよい」は誤りです。

アウトリガーは張り出しが可能な場合は最大限展開が原則です。事前に作業計画を作成して関係労働者へ周知する義務もあります(安衛則第194条の9・第194条の22)。

高所作業車は、電気工事・外壁修繕・看板設置など幅広い場面で使われる仮設機械です。

便利な反面、転倒・墜落・接触といった重大事故につながりやすい設備でもあるので、資格の区分と安全規定をきちんと把握しておく必要があります。

高所作業車とはどんな機械か

高所作業車とは、作業床を昇降・旋回させる機能を持った車両型の仮設機械です。ブーム式(アーム伸縮型)とシザース式(パンタグラフ型)などがあります。

ザックリ言えば、「人を乗せたまま作業床が上下・左右に動く車」です。高所の点検・工事作業を短時間で行えるため、足場を組む時間と費用が惜しい短期作業でよく使われます。

例えば、道路沿いのビルの外壁タイル調査で1日だけ高所作業が必要なとき、足場を組む代わりに高所作業車を1台手配するケースがあります。

足場・ゴンドラとはどう違うか

高所作業車は自走式で移動が容易ですが、足場やゴンドラは構造物に固定して長期間使用する設備です。

設備特徴主な用途
高所作業車自走・昇降可能な車両型短期・移動を伴う高所作業
足場構造物に固定・解体が必要長期・広範囲の外部作業
ゴンドラ建物屋上から吊り下げる昇降装置高層建物の外壁清掃・修繕

高所作業車は移動が手軽な反面、傾斜地や軟弱地盤では転倒リスクが高まります。使用前の地盤確認とアウトリガーの展開が特に重要になります。

資格区分はどう分かれているか

高所作業車の運転に必要な資格は、作業床の最大高さで区分されています。

作業床の最大高さ必要な資格
10m未満特別教育の修了
10m以上技能講習の修了(高所作業車運転技能講習)

「10m未満だから無資格でよい」は完全な誤りです。10m未満でも特別教育を受けていない人が運転することは認められていません。

逆に、「10m以上でも特別教育で足りる」も誤りです。10m以上は必ず技能講習修了が必要です。

試験でよく出る境界値「10m」を「8m」「12m」に置き換えた誤答が頻出するので注意が必要です。

免許・技能講習・特別教育の区分(高所作業車を含む)は、厚生労働省「車両系建設機械等の資格」(下図)に示されています。

車両系建設機械等の資格区分一覧(免許・技能講習・特別教育の対象機体重量別)
出所:厚生労働省・中央労働災害防止協会「車両系建設機械等の資格」p.1 免許・技能講習・特別教育の区分

特別教育と技能講習の違い

特別教育は事業者が社内で実施できる教育で、比較的短時間で修了できます。

技能講習は登録機関が実施する講習で、学科・実技の両方が必要です。修了証が発行され、全国で通用します。

要は、技能講習の方が教育内容も管理も厳格ということです。

アウトリガーの展開規定はどうなっているか

高所作業車を使用する際には、車体の転倒を防ぐためにアウトリガー(支持脚)を展開します。

規定では、アウトリガーを張り出すことが可能な場合は最大限まで展開することが原則です。「作業に支障がなければ任意展開でよい」は誤りです。

例えば、狭い道路脇で作業するとき、アウトリガーを半分しか出さずに使うのは原則違反になります。最大展開が難しい場合は作業計画にその理由と代替措置を記載する必要があります。

設置地盤の確認も義務

アウトリガーを設置する地盤が軟弱な場合は、敷板(しきいた)を使って沈下を防ぐ措置が必要です。

地盤が傾斜していたり、地下埋設物の直上であったりするケースも確認が必要ですね。施工計画書に地盤条件と対策を明記しておきましょう。

作業計画の作成と周知義務はどこに根拠があるか

安衛則第194条の22により、高所作業車を用いた作業を行う場合、事業者は事前に作業計画を作成し、関係労働者に周知する義務があります。

作業計画に定める主な事項は次のとおりです。

「計画は作ったが作業員に伝えなかった」では義務を果たしたことになりません。周知の記録(作業前ミーティング記録・サイン等)を残すことが重要です。

作業前点検で何を確認するのか

高所作業車は作業開始前に点検を実施する義務があります(安衛則第194条の9)。

なんといっても、作業前点検を省略すると不具合を見逃したまま高所で作業を開始することになり、重大事故につながります。点検結果は記録に残しましょう。

管理人より

資格の境界「10m」は出題の核心なので、何度でも確認してほしい数値です。「10m未満は無資格でよい」という誤答は現場でも信じられているケースがあります。

特別教育の修了証は必ず確認する習慣をつけると安心です。

資格の確認方法と機体重量別詳細区分は、厚生労働省「車両系建設機械等の資格」(下図)に示されています。

車両系建設機械等の資格確認方法と機体重量・最大荷重別詳細区分表
出所:厚生労働省・中央労働災害防止協会「車両系建設機械等の資格」p.2 資格の確認方法と機体重量別詳細区分

混同しやすい用語の整理

高所作業車 vs クレーン

高所作業車は人を乗せた作業床を昇降・移動させる機械で、荷物の吊り上げを目的としません。クレーンは荷物を吊り上げ・移動させる機械です。

見た目がブーム式で似ていても、用途・資格・法令の適用が異なります。

特別教育 vs 技能講習

特別教育は事業者が実施できる教育で、10m未満の高所作業車に必要です。技能講習は登録機関が実施し、修了証が発行されます。

10m以上の高所作業車には技能講習修了が必要で、特別教育だけでは不足です。

高所作業車 vs ゴンドラ

高所作業車は地上から自走して昇降する車両型。ゴンドラは建物の屋上等から吊り下げて使う昇降装置です。

ゴンドラにはゴンドラ安全規則が適用され、別途資格・点検義務が定められています。

一問一答

Q.

作業床の高さが10m以上の高所作業車を運転するために必要な資格は?

高所作業車運転技能講習の修了(特別教育では不足)。

Q.

高所作業車のアウトリガーは、張り出し可能な場合どこまで展開するのか?

最大限まで展開する(任意展開は誤り)。

Q.

高所作業車を使う作業の事前に義務付けられている手続きは?

作業計画の作成と関係労働者への周知(安衛則第194条の22)。

まとめ

クレーンの種類と資格区分を確認する

タワークレーンの安全規定を確認する

墜落制止用器具(安全帯)の区分を確認する

仮設・足場の施工管理は仮設・足場にまとめています。

参考資料

・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)

・労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第194条の9・第194条の22

・高所作業車構造規格(昭和46年労働省告示)

・厚生労働省 職場のあんぜんサイト

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けんせつる

建築業界の実務経験をもとに、建築施工管理の用語・施工手順・混同しやすい違いを整理しています。

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