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ゴンドラの安全規定を整理する【風速・定期自主検査・設置届】

けんせつる

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「ゴンドラの定期自主検査って月1回?3か月ごと?風速の基準もよくわからなくて…」

この記事の要点

ゴンドラの作業床の幅は40cm以上。風速10m/s(10分間平均)以上のときは作業を禁止しなければなりません(15m/sは誤り)。

定期自主検査は1回実施し、記録は3年間保存が必要です。設置前には所轄労働基準監督署への届出が必要で、「届出不要」というのは誤りです。

根拠はゴンドラ安全規則です。

ゴンドラとはどんな設備か

ゴンドラとは、建物の外壁に沿って上下に移動できる高所作業用のかご型設備のことです。

外壁の清掃・塗装・補修・シーリング工事などで使われ、作業床に乗った作業員が必要な高さまで移動しながら作業します。ビルの外壁清掃で建物の屋上からワイヤーで吊り下げられているのを見たことがある方も多いですよね。

ザックリ言えば、建物の外側を動くエレベーターのかご、というイメージです。

例えば、高層マンションの外壁タイルが浮いている箇所を補修するとき、足場を全面に組むのは費用がかかりすぎます。そういった場合にゴンドラが活躍します。

必要な箇所だけを効率よく作業できるのが利点です。

吊り足場・高所作業車とゴンドラはどう違うか

似た設備として吊り足場と高所作業車がありますが、それぞれ異なります。

吊り足場は作業床をワイヤーや鎖で上部から吊り下げる構造ですが、原則として設置後は移動しません。一定の範囲に固定して使う設備です。

高所作業車は車両に昇降装置を取り付けたもので、地面を走行しながら位置を変えられます。

一方ゴンドラは、建物に取り付けた専用の懸垂装置(ケーブル・巻き上げ機)を使って昇降するのが特徴です。設置場所が建物の屋上や壁面に固定されており、自走はできません。

管理人より

ゴンドラは「ゴンドラ安全規則」という専用の規則で規定されています。足場や高所作業車とは根拠法令が異なるので、設置届の提出先や検査の頻度も別の基準が適用されます。

「安衛則の足場と同じルールだろう」と思い込まずに、ゴンドラ安全規則を確認する習慣をつけるといいですよ。

設置届はどこへ、いつ提出するのか

ゴンドラを設置する前に、所轄の労働基準監督署へ届け出を行わなければなりません。

「届出は不要」という誤りがよく見られますが、これは間違いです。ゴンドラは労働者が乗り込んで高所作業を行う設備なので、安全確認のために行政への届出が義務付けられています。

設置前に提出する、という点も重要です。設置してから後で届け出る、ということは認められていません。

ゴンドラを含む届出が必要な工事の種類は、沖縄労働局「建設工事計画届のポイント」(下図)に示されています。

建設工事計画届のポイント:届出が必要な工事の種類一覧
出所:沖縄労働局「建設工事計画届のポイント」p.1 届出が必要な工事の種類

作業を禁止しなければならない風速の基準

10分間の平均風速が10m/s以上になったときは、ゴンドラを使った作業を禁止しなければなりません(ゴンドラ安全規則第12条)。

この数字で多い誤りが「15m/s以上」です。15m/sではなく10m/sが正解なので、注意が必要です。

なぜかというと、ゴンドラはワイヤーで吊り下げた構造のため、強風を受けると大きく揺れて作業床が建物に衝突したり、作業員が転落したりするリスクが急激に高まるからです。

要は、見た目よりずっと風の影響を受けやすい設備なので、比較的低い風速でも作業を止めるルールになっているということです。

風速以外の作業禁止条件

風速のほかにも、次のような状況ではゴンドラの使用を禁止または中断しなければなりません。

定期自主検査の頻度と記録保存の義務

ゴンドラは1回の定期自主検査が義務付けられています。

「3か月ごと」「6か月ごと」という誤りが多いのですが、どちらも間違いです。ゴンドラは毎月1回、決まったタイミングで検査しなければなりません。

簡単にいうと、フォークリフトや移動式クレーンと同じく、月次で状態を確認し続けることが求められる設備に分類されているということです。

例えば、4月に定期自主検査を実施したら、5月・6月とそれぞれ毎月実施しなければなりません。「先月やったから今月は省略」は認められありません。

検査記録の保存期間は3年

定期自主検査の結果は記録に残し、3年間保存しなければなりません。

「1年間」では短く、「5年間」では長すぎます。3年という年数をそのまま覚えておいてください。

記録には検査した日時・検査者・検査項目・結果・措置内容を明記します。口頭での確認や記憶だけでは義務を果たしたことになりませんよ。

ゴンドラを含む主要機械の検査周期(ゴンドラは月1回)は、千葉労働局「定期自主検査一覧表」(下図)に示されています。

定期自主検査一覧表:ゴンドラを含む機械ごとの検査周期
出所:千葉労働局「定期自主検査一覧表」p.1 主要機械の検査周期(ゴンドラは月1回)

ゴンドラに必要な安全装置の種類

ゴンドラには次の安全装置を備え付けることが義務付けられています。

巻過防止装置

ワイヤーが巻き取られすぎて作業床が懸垂装置に激突するのを防ぐ装置です。

上限の位置まで来たら自動的に動きが止まる仕組みになっています。これがないと、作業員が操作を誤ったときに作業床ごと激突する事故につながりかねません。

ブレーキ

動力が切れた際や緊急時に作業床を止めるための制動装置です。

ゴンドラは高所に吊り下がった状態で作業するため、何らかのトラブルで動力が失われたときにブレーキが機能しなければ、作業床が急降下してしまいます。

制御装置

作業員が操作するための昇降コントローラーです。上昇・下降・停止の操作を行います。

操作を離したときに自動的に停止する「デッドマン機能」が備わっているものが一般的です。

作業床の幅と搭乗人数制限

ゴンドラの作業床の幅は40cm以上でなければなりません。

架設通路の75cmとは異なります。ゴンドラの作業床は人が立って作業するスペースなので、同じ「作業床」でも足場の作業床と同じ40cm以上が基準になっています。

搭乗できる人数はゴンドラの積載荷重に基づいて制限があり、積載荷重を超えての使用は禁止されています。

混同しやすい用語の整理

作業禁止の風速:10m/s(正)vs 15m/s(誤)

ゴンドラの作業禁止基準は10分間の平均風速10m/s以上です。「15m/s」という選択肢が誤りとして出るので注意してください。

定期自主検査の頻度:月1回(正)vs 3か月・6か月(誤)

ゴンドラの定期自主検査は1回です。「3か月ごと」「6か月に1回」という選択肢はどちらも誤りです。

設置届:必要(正)vs 不要(誤)

ゴンドラの設置前には所轄労働基準監督署への届出が必要です。「届出不要」は誤りです。

一問一答

Q. ゴンドラを使った作業を禁止しなければならない風速の基準は何か。

A. 10分間の平均風速が10m/s以上のとき作業を禁止する。15m/s以上ではないので注意。(ゴンドラ安全規則第12条)

Q. ゴンドラの定期自主検査はどれくらいの頻度で行い、記録はどれだけ保存するのか。

A. 1回の定期自主検査を実施し、記録は3年間保存する。3か月・6か月は誤り。

Q. ゴンドラを設置するにあたって行政への届出は必要か。提出先はどこか。

A. 設置前に所轄の労働基準監督署へ届け出が必要。「届出不要」は誤り。

まとめ

関連記事もあわせて確認しておきましょう。

仮設・足場の施工管理は仮設・足場にまとめています。

参考資料

  • ゴンドラ安全規則(昭和34年労働省令第31号)
  • ゴンドラ安全規則 第12条(悪天候時の作業禁止)
  • 厚生労働省「ゴンドラの安全基準に関するガイドライン」
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けんせつる

建築業界の実務経験をもとに、建築施工管理の用語・施工手順・混同しやすい違いを整理しています。

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