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けんせつる
「試験及び検査」って、どの道具で何を測るの?
道具や基準の数字を取り違えそう…
この記事の要点
躯体や仕上の各工程には、品質を確かめるための決まった試験・検査の方法と基準値があります。試験項目ごとに「何を・どの道具で・どの基準で」確認するかが決まっています。
試験では、次の取り違えがねらわれます。
試験・検査は「何を・どの道具で・どの基準で」確認するかの対応で押さえます。まず躯体から見ます。
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| 試験・検査 | 方法・道具 | 基準・ポイント |
|---|---|---|
| スランプ試験 | スランプコーンに試料をほぼ等量の3層に分けて詰める | スランプ18cmの許容差は±2.5cm |
| 塩化物含有量 | 同一試料からとった3個の分取試料を測定 | 3個の測定値の平均とする |
| ガス圧接部の超音波探傷 | 1ロット(1組の作業班が1日に施工した圧接箇所)から無作為抽出 | 無作為に30か所抽出する(3か所ではない) |
コンクリートの受入れに関わる試験はコンクリート受入検査、ガス圧接の検査はガス圧接でも整理しています。
| 試験・検査 | 方法・道具 | 基準・ポイント |
|---|---|---|
| 塗装前のアルカリ度 | 下地(モルタル面)のpHを測る | pH10以下であることを確認(pH12以下では緩すぎ) |
| 下地の乾燥(含水率) | 高周波水分計 | コンクリート下地の乾燥を確認。渦電流式は使わない |
| 造作材の含水率 | 高周波水分計 | 15%以下であることを確認 |
| 陽極酸化皮膜の厚さ | 渦電流式測定法 | アルミニウム製パネルの皮膜厚さを測る |
| 仕上塗材の塗厚 | 単位面積当たりの使用量で確認 | 防水形仕上塗材などの塗厚管理 |
| タイルの浮き(打音) | テストハンマー(打診棒) | シュミットハンマーは強度推定用で、打音検査には使わない |
| シーリングの接着性 | 接着性試験 | 同一種類でも製造所ごとに行う |
| 室内のホルムアルデヒド濃度 | パッシブサンプラ | 室内空気質の確認 |
タイルの浮きの詳しい確認はタイルの浮き、塗装前の下地は塗装工事でも扱っています。
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試験・検査で最も問われるのが、道具と用途の対応です。似た名前・似た数字に引っぱられて、別の用途に当てはめると誤りになります。
2級では、測定する対象と道具の組合せがそのまま問われます。
| 測定する対象 | 正しい道具 |
|---|---|
| フレッシュコンクリートのスランプ | スランプゲージ(スランプコーンで沈下量を測る) |
| コンクリートのスランプフロー試験 | スランプコーン |
| 鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径 | デジタルノギス(外径の実寸を読む) |
| 外壁タイル張り後のタイル接着力試験 | 油圧式簡易引張試験器 |
| 吹付けロックウールの耐火被覆材の厚さ | 確認ピン(刺して厚さを確認する) |
| 構造体コンクリートのひび割れの幅 | クラックスケール |
この表のどれか1つをダイヤルゲージにすり替えるのが、2級の定番です。
なぜ誤りかは、道具の性格で説明できます。ダイヤルゲージは基準との差(変位)を細かく読む道具で、測定できる長さがもともと短いためです。ふくらみの直径や被覆の厚さのように、数十mmの実寸を測る場面には向きません。
吹付け断熱材の厚さも同じで、ダイヤルゲージは不適です(厚さの管理はウレタン吹付け断熱、耐火被覆は耐火被覆にまとめています)。
試験及び検査は、平成28年から令和7年まで1級・2級の両方で問われています。引っかけは大きく3パターンです。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 1級 令和7年 No.46 | 塗装前のモルタル面のアルカリ度をpH12以下とした → pH10以下 ←①基準値 |
| 1級 令和6年 No.59 | ガス圧接の超音波探傷を無作為に3か所抽出とした → 30か所 ←①数値 |
| 1級 令和5年 No.60 | (五肢択二)乾燥確認を渦電流式/タイル打音をシュミットハンマーとした → 高周波水分計・テストハンマー ←②道具 |
| 2級 令和6年後期 No.34 | 耐火被覆材の厚さの測定をダイヤルゲージとした → 刺して確認する(確認ピン等) ←③ダイヤルゲージ |
| 2級 令和4年後期 No.35 | 吹付け断熱材の厚さの測定をダイヤルゲージとした → 刺して測る ←③ダイヤルゲージ |
| 2級 令和2年後期 No.39 | ガス圧接部のふくらみの直径の測定をダイヤルゲージとした → デジタルノギス ←③ダイヤルゲージ |
| 2級 平成30年前期 No.39 | ガス圧接部のふくらみの長さの測定をダイヤルゲージとした → ノギス・スケール ←③ダイヤルゲージ |
| 2級 平成28年 No.32 | 吹付け断熱材の厚さの測定をダイヤルゲージとした → 刺して測る ←③ダイヤルゲージ |
2級の5問は、いずれもダイヤルゲージが誤りの肢でした。残りの3つは正しい組合せなので、ダイヤルゲージを見つけた時点で答えが決まります。
つまり塗装前のアルカリ度はpH10以下、ガス圧接の超音波探傷は30か所抽出、乾燥確認は高周波水分計・タイル打音はテストハンマー。そしてダイヤルゲージが出たら、それが誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。
混同しやすい用語の整理
高周波水分計は、下地や木材の含水率(水分)を測る道具です。コンクリート下地の乾燥確認や造作材の含水率(15%以下)に使います。
渦電流式測定法は、皮膜・膜の厚さを測る方法です。アルミの陽極酸化皮膜の厚さに使い、乾燥確認には使いません。
テストハンマー(打診棒)は、たたいた音でタイルの浮きを調べる道具です。シュミットハンマーは、たたいた反発度からコンクリート強度を推定する道具で、打音検査には使いません。名前が似ていますが用途が別です。
塗装前のモルタル面のアルカリ度は、いくつ以下であることを確認するか。
pH10以下です。コンクリート・モルタルはアルカリ性で、アルカリが強いと塗膜がけん化して剥離・膨れを起こすためです。pH12以下では緩すぎて誤りです。
タイルの浮きを調べる打音検査には、どの道具を使うか。
テストハンマー(打診棒)です。シュミットハンマーはコンクリート強度の推定に使う道具で、打音検査には使いません。
ダイヤルゲージは何を測る道具か。耐火被覆の厚さの測定に使えるか。
スピンドルの動きを拡大して微小な変位を読む比較測定器で、振れや平面度を見る道具です。標準の測定範囲は1〜10mm程度と短く、厚さや直径の実寸を測るのには使いません。耐火被覆の厚さは刺して確認します。2級の「工事現場における試験」では、5回ともダイヤルゲージが誤りの肢でした。
鉄筋のガス圧接部のふくらみの直径は、どの道具で測るか。
デジタルノギスです。外径の実寸を読む測定なので、変位を読むダイヤルゲージは使いません。
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参考規格・指針
※ この記事の確認日:2026年6月
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管理人からのコメント
試験・検査の問題は、丸暗記だと「3か所か30か所か」「pH10かpH12か」「どの道具か」で迷います。道具は何を測るためのものかから考えると取り違えにくくなります。水分計は水分、膜厚計は厚み、打診棒は浮き、シュミットハンマーは強度、というふうに用途で結びつけます。
現場では、検査の道具・基準値・判定を施工計画書で先に決め、検査記録に残します。基準があいまいなまま測ると、合否の判断がぶれます。