けんせつる
コンクリートの乾燥って渦電流式で測るの?タイルの浮きはシュミットハンマーでいいんだっけ?
この記事の要点
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.60は、仕上工事における試験及び検査に関する応用能力問題です。五肢のうち不適当なものを2つ選ぶ問いで、正解:選択肢4・5。
令和5年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.60は、仕上工事における試験及び検査に関する応用能力問題です。五肢択二で「不適当なもの」を2つ選ぶ形式なんです。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
5つの記述のうち、不適当なものを2つ選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 防水形仕上塗材の塗厚確認は単位面積当たりの使用量で行う |
| 2 | ○(正しい) | シーリング材の接着性試験は同一種類でも製造所ごとに行う |
| 3 | ○(正しい) | 室内のホルムアルデヒド濃度測定はパッシブサンプラで行う |
| 4 | ×(誤り) | コンクリート下地の乾燥確認は高周波水分計等で。渦電流式は膜厚用 |
| 5 | ×(誤り) | タイルの浮きの打音検査はテストハンマー(打診棒)で。シュミットハンマーは強度推定用 |
選択肢4はコンクリート面の乾燥確認に渦電流式測定計を用いた点が誤りで、乾燥状態は高周波水分計などで確認します。選択肢5はタイルの浮きの打音検査にシュミットハンマーを用いた点が誤りで、打音検査はテストハンマー(打診棒)で行います。
この問題のテーマは、仕上工事で「何を、どんな道具・方法で確かめるか」なんです。
判断の軸は「検査対象と道具の組み合わせが合っているか」の一点です。検査では、道具の本来の用途を取り違えると一気に間違えます。
用途のすり替えを見抜けるよう、1つずつ確かめましょう。
選択肢1は、防水形仕上塗材仕上げの塗厚の確認を、単位面積当たりの使用量を基に行った内容です。
塗材の厚さは、塗り終わった面を測って直接出すのが難しいことが多いんです。そこで使った量から逆算します。
1m²当たりにどれだけ塗材を使ったかで塗厚を管理するのは、現場で一般的な方法です。正しい記述ですね。
選択肢2は、シーリング材の接着性試験を、同一種類でも製造所ごとに行った内容です。
同じ種類のシーリング材でも、メーカーが違えば成分や下地との相性が微妙に変わります。
そこで製造所ごとに接着性を確かめておけば、はがれの不具合を防げます。正しい記述です。
選択肢3は、室内空気中のホルムアルデヒド濃度測定を、パッシブサンプラを用いて行った内容です。
パッシブサンプラは、ポンプを使わず空気中の物質を一定時間吸着して捕集する道具です。室内に置いておくだけで濃度を測れます。
ホルムアルデヒドの室内濃度測定に用いる道具として適切です。正しい記述です。なんとなくイメージできましたか。
これが誤りを含む選択肢の1つです。アスファルト防水下地となるコンクリート面の乾燥状態の確認を、渦電流式測定計で行った、としています。
渦電流式測定計は、金属の上の塗膜やめっきの厚さを測る道具です。コンクリートの含水量を測る用途のものではありません。
コンクリート下地の乾燥状態は高周波水分計などで確認するのが正しく、渦電流式測定計を使うのは誤りなんです。
これが誤りを含むもう1つの選択肢です。壁タイルの浮きの打音検査を、リバウンドハンマー(シュミットハンマー)で行った、としています。
シュミットハンマーは、コンクリート表面をたたいた跳ね返りからコンクリートの圧縮強度を推定する道具です。浮きの有無を聞き分ける道具ではありません。
タイルの浮きの打音検査は、テストハンマー(打診棒)で表面をなぞって音の違いを聞き分けます。シュミットハンマーを使うのは誤りなんです。ここは混乱しやすいところですね。
渦電流式測定計=膜厚測定(乾燥確認は高周波水分計)。シュミットハンマー=コンクリート圧縮強度の推定(タイル浮きはテストハンマー)
選択肢4と5は、どちらも「道具の用途のすり替え」です。道具の名前が出たら「本来は何を測るものか」を思い出すと見抜けます。塗厚は使用量、シーリングは製造所ごと、ホルムアルデヒドはパッシブサンプラも押さえておきましょう。
アスファルト防水下地となるコンクリート面の乾燥状態は、何で確認するか。
高周波水分計などで確認します。渦電流式測定計は塗膜・めっきの膜厚測定用で、乾燥確認には不適です。
壁タイルの浮きの打音検査には、何を用いるか。
テストハンマー(打診棒)を用います。シュミットハンマーはコンクリート圧縮強度の推定用で、打音検査には不適です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4・5
検査の問題は「何を測る道具を、別の用途に使っていないか」を見るのがコツです。選択肢4はコンクリート面の乾燥確認に渦電流式測定計を使った点、選択肢5はタイルの浮きの打音検査にシュミットハンマーを使った点が誤りなんです。渦電流式は膜厚測定、シュミットハンマーは圧縮強度の推定用、と覚えておきましょう。