けんせつる
モルタル面に塗装するとき、アルカリ度の確認はpHいくつ以下が基準なの?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.46は、仕上工事における試験及び検査に関する問題です。正解は選択肢4。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.46は、仕上工事における試験及び検査に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | アルミニウム製外壁パネルの陽極酸化皮膜の厚さは渦電流式測定法で測定する |
| 2 | ○(正しい) | 造作材の含水率は高周波水分計を用いて15%以下であることを確認する |
| 3 | ○(正しい) | 防水形仕上塗材の塗厚確認は単位面積当たりの使用量を基に行う |
| 4 | ×(誤り) | モルタル面のアルカリ度確認の基準はpH10以下。pH12以下では緩すぎる |
選択肢4の「pH12以下であることを確認した」という記述が誤りで、正しくはpH10以下が基準です。
コンクリートやモルタルはアルカリ性の材料です。打設直後はpH12〜13にもなります。
このアルカリ成分が塗膜に悪影響を与えます。アルカリによるけん化反応が起き、塗膜が分解・剥離・膨れを起こすわけです。
ザックリ言えば、「モルタルがアルカリ過多の状態で塗装すると、塗膜が持たない」ということです。
陽極酸化皮膜(アルマイト)は、アルミニウム表面に形成される酸化皮膜です。この皮膜の厚さ測定には渦電流式測定法が適しています。
渦電流式は非破壊で皮膜厚さを測定できます。アルミニウムのような非磁性体金属上の皮膜厚さ測定に向いている方法なんです。
木材の含水率管理は、反り・割れ・接着不良を防ぐために重要です。
造作材の現場搬入時の含水率確認には高周波水分計が使われます。木材に電極を刺さずに非破壊で測定できるタイプで、現場での確認に適しています。
含水率15%以下が内装造作材の基準です。この値を超えていると施工後に収縮・変形が起きやすくなります。
防水形仕上塗材は、塗厚が防水性能に直結します。塗膜を直接測定することが難しいため、単位面積当たりの使用量を管理することで塗厚を間接的に確認します。
例えば、設計塗布量が1.0 kg/m²と規定されている場合、施工した面積に対して使用した材料の重量が規定量を満たしているかを確認するわけです。
これが誤りを含む選択肢です。JASS 18(建築工事標準仕様書・塗装工事)では、塗装直前に素地のpHを測定し、pH10以下であることを確認してから塗装することが規定されています。
「pH12以下であることを確認した」という記述は基準より緩すぎます。正しくはpH10以下が基準です。アルカリ成分が残った状態で塗装すると、塗膜の剥離・膨れなどの不具合が生じるわけです。
けんせつるの一言
「pH12以下なら問題ない」という感覚で施工すると、塗膜剥離のクレームにつながります。pH10以下という数値は意外と厳しいと感じるかもしれませんが、これが仕様書で定められた基準です。現場で素地確認を省略しがちですが、ここは検査として明確に記録を残す部分です。
モルタル面のアルカリ度に関しては、数値を正確に覚えておく必要があります。
モルタル面の塗装前アルカリ度 → pH10以下。「10」より大きい数字(12など)は全て誤り。
pHは数値が小さいほどアルカリ分が少ない状態です。pH10は「まだアルカリ寄りだが塗装可能なライン」と理解すると整理しやすいでしょう。
JASS 18に基づき、塗装素地となるモルタル面のアルカリ度はpHいくつ以下であることを確認してから塗装するか。
pH10以下です。アルカリ成分が強い状態で塗装するとけん化反応により塗膜が剥離・膨れを起こすためです。
アルミニウム製外壁パネルの陽極酸化皮膜の厚さを非破壊で測定する方法は何か。
渦電流式測定法です。非磁性体金属上の皮膜厚さ測定に適しています。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢4
塗装素地となるモルタル面のアルカリ度は、JASS 18の規定ではpH10以下であることを確認してから塗装を行います。「pH12以下」では基準より緩すぎます。アルカリ成分が残った状態で塗装すると、塗膜の剥離・膨れなどの不具合が生じる可能性があるわけです。