けんせつる
パラペットって何?防水の立上りとどう関係するの?笠木は何のためにあるの?
この記事の要点
パラペットとは、屋上・バルコニーの外周に設けられる立上り壁です。防水層はパラペット面に250mm以上立ち上げることが公共建築工事標準仕様書の基本要件です(仕上がり面から)。
パラペット天端には笠木を設け、雨水の侵入を防ぎます。施工管理では、立上り高さの確認・コーナー部の増し張り・笠木の固定と止水処理の3点が最重要確認事項です。
屋上防水は「水平面の防水」だけを確認すれば済むわけではありません。
屋上の外周壁(パラペット)に防水層を立ち上げて止水しなければ、水平面をどれだけ丁寧に施工しても端部から雨水が浸入してしまいます。
パラペット周りの施工管理は、防水工事の仕上がりを左右する重要なポイントなんです。
パラペット(笠木壁・胸壁とも呼ばれる)は、屋上・バルコニー外周の床面から立ち上がった低い壁です。
主な役割は3つあります。
ザックリ言えば、「屋上の縁に立つ低い壁で、防水と安全の両方を担っている部位」です。
屋上防水層は水平面だけでなく、パラペット面にも一定の高さまで立ち上げる必要があります。
公共建築工事標準仕様書では、防水層の立上りは仕上がり面(防水層表面)から250mm以上を確保することが基本要件とされています。
なぜ250mmなのかというと、屋上に溜まった雨水が横風を受けて壁面を這い上がる「飛来水」の高さを考慮した数値です。
立上りが不足していると、大雨時に水平面の水位が上がったときや、横風で吹き上がった雨水が防水端部を越えて建物内部に浸入するリスクがあるわけです。
なお、防水層の立上りについては防水工事全体の確認ポイントとして別記事で詳しく解説しています。
パラペットの入隅・出隅(コーナー部)は、防水層に応力が集中しやすい弱点です。
施工管理上の確認ポイントは以下です。
コーナー部の増し張り規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)に示されています。
パラペットの天端に設けられる笠木は、天端面からの雨水侵入を防ぐ仕上げ材です。
笠木には金属製(アルミ・ステンレス)・コンクリート製・タイル張り等があります。
施工管理での確認ポイントは以下です。
防水工事完了後は水張り試験を行い、パラペットを含む全体の止水性を確認します。
試験水深は24時間以上水を張り、水位の低下・滲みがないかを確認します。
水位が下がる場合は漏水箇所の特定が必要です。パラペット周りに水が集中して試験する(排水口を塞いで小区画に分けて試験する)方法も有効です。
混同しやすい用語の整理
パラペット:屋上・バルコニーの外周に立ち上がったRC・鉄骨・ALC等の「壁」全体を指す。
笠木:パラペットの天端に設ける「仕上げ材・キャップ」。金属板・タイル・コンクリート等で天端を覆う。雨水の侵入防止と仕上げが目的。
コーピング:笠木の別称。特に石材・プレキャストコンクリートで作られた天端仕上げ材を指すことが多い。
防水層のパラペットへの立上り高さの最低基準は?(公共建築工事標準仕様書)
仕上がり面から250mm以上。横風による飛来水の高さを考慮した数値。
パラペットのコーナー部で防水施工管理上、特に重要な処置は何か。
増し張り(補強張り)の施工確認。コーナー部は応力集中の弱点であり、成形役物の設置・RC面の面取り(アール処理)も合わせて確認する。
笠木の継目に必要な止水処置は何か。
シーリング材の充填。接合部・端部に確実にシーリングを打設し、硬化状態を確認する。
防水工事完了後にパラペット含む止水性を確認する試験は何か。
水張り試験。24時間以上水を張り、水位低下・滲みがないかを確認する。
防水工事の種類と施工管理は防水・シーリングにまとめています。
参考資料
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
・JASS 8(防水工事)日本建築学会
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
現場でよくある漏水の原因がパラペット周りの施工不良です。特に多いのが「笠木の継目のシーリング切れ」と「コーナー部の増し張り不足」です。
屋根・防水工事の検査では水平面ばかり見て端部が疎かになりがちです。パラペット周りは必ず1周歩いて全周確認する習慣をつけましょう。1箇所の見落としが後々の大規模漏水につながります。