けんせつる
現場溶接と工場溶接ってどう違うの?
この記事の要点
工場溶接は製作工場で管理された環境下で行う溶接。現場溶接は建方後に現場(屋外・高所)で行う溶接です。
現場溶接は風雨・気温・姿勢の制約があるため、工場溶接より品質管理が難しいです。
溶接検査は外観検査(目視)と超音波探傷試験(UT)で行います。溶接士の資格確認も施工管理の重要ポイントです。
鉄骨工事の接合には高力ボルトと溶接の両方が使われます。
溶接は接合の永続性・一体性が高い半面、欠陥があると強度に直結するため、施工管理者は溶接士の資格・施工環境・溶接検査の3点を重点的に管理します。
| 項目 | 工場溶接 | 現場溶接 |
|---|---|---|
| 場所 | 製作工場(屋内・管理された環境) | 建設現場(屋外・高所) |
| 環境条件 | 温度・湿度・風の管理が容易 | 風雨・気温・体勢の制約あり |
| 品質管理 | 安定した品質を確保しやすい | 環境変化への対応が必要 |
| 主な用途 | 柱・梁の主要部材の溶接接合 | 建方後の柱・梁接合部の本溶接 |
ザックリ言えば、工場溶接は「安定した環境での作業」、現場溶接は「屋外・高所でのより難しい作業」という違いがあるということです。
鉄骨溶接は資格を持った溶接士が行う必要があります。
施工管理者は溶接士の資格証(JIS溶接技術検定・WES等)を確認し、溶接する部材・姿勢に対応した資格を保有しているか確認します。
例えば、下向き姿勢の資格しか持っていない溶接士が立向き姿勢で溶接するのは資格外作業になります。姿勢まで確認します。
アンダーカット・オーバーラップ・ピット・クレーターなどの表面欠陥を目視で確認します。溶接完了後に全数が対象です。
超音波でビード内部の割れ・融合不良等を検出する検査です。外観検査合格後に抜取りまたは全数を対象に実施します。
外観OKでも内部に欠陥がある場合があるため、両方実施します。ここは混乱しやすいところですね。
現場溶接は気象条件の影響を受けやすいため、以下の条件を確認します。
現場溶接の外観検査合否基準および超音波探傷試験の実施規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の7.6.10・7.6.11に示されています。
混同しやすい用語の整理
外観検査は溶接表面の欠陥(アンダーカット・ピット等)を目視で確認する検査(非破壊・全数が原則)。超音波探傷試験(UT)は超音波を使って内部欠陥(割れ・融合不良等)を検出する検査(非破壊・抜取り検査が多い)。
外観OKでも内部に欠陥がある場合があるのが注意点です。
アンダーカットは溶接ビード端部に生じる溝状の欠陥(母材が掘れすぎた状態)。オーバーラップは溶接金属が母材に融合せずに乗り上がった状態です。
どちらも外観検査で確認できる溶接欠陥です。
溶接の内部欠陥(割れ・融合不良)を検出する検査方法は?
超音波探傷試験(UT)。超音波を使って内部の欠陥を非破壊で検出する。
現場溶接を原則行ってはいけない気温の条件は?
気温-5℃以上5℃以下では接合部近傍100mm以内を50℃以上に予熱すること。-5℃未満は溶接禁止。
また、溶接部が濡れている状態や強風(10m/s以上)のときも施工しない。
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RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
参考法令・規格
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
現場溶接は工場溶接より品質管理が難しく、風・温度・湿度の影響を受けます。
溶接作業前に予熱が必要な板厚・鋼種を確認し、溶接後は管理温度での保持を記録してください。