ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 仕上げ・内装
  3. > 石材の種類

石材の種類とは?花崗岩・大理石・砂岩・凝灰岩の性質と耐火性・耐酸性の違い

本ページにはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。

けんせつる

けんせつる

花崗岩って丈夫なんでしょ?なのに耐火性に劣るってどういうこと?

大理石を外に使っちゃいけない理由も、いまいち分からないよ。

この記事の要点

石材は種類ごとに弱点が決まっています。花崗岩は硬くて丈夫ですが火に弱く、大理石は酸にも火にも弱いため内装用です。

試験の引っかけは1つだけ。その石の弱点を、長所にすり替えるやり方です。

石の仕上げ方は石の表面仕上げ、張り方は張り石工事にまとめています。

建築で使う石材は、JIS A 5003で岩石の種類・形状・物理的性質の3つの見方で分類されます。

岩石の種類による区分は6つです。花こう岩類・安山岩類・砂岩類・粘板岩類・凝灰岩類・大理石類(及びじゃ紋岩類)で、試験に出るのはほぼこの6つです。

もう1つ、圧縮強さによる区分もあります。硬石・準硬石・軟石の3つで、硬いものほど吸水率が小さくなります。

そして石材を覚えるコツは、長所ではなく弱点から入ることです。

石材の弱点を示す模式図。火に弱い石は花崗岩と大理石、酸に弱い石は大理石と石灰岩で、大理石は火にも酸にも弱いため両方の輪が重なる位置にある。火に強い石は安山岩・凝灰岩・砂岩。
花崗岩は火に弱く、石灰岩は酸に弱い。大理石は両方に弱いので、輪の重なる位置に入る。※関係をつかむための模式図で、石の量や強さの度合いを表したものではない。
わかって合格る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

テキスト本命わかって合格(うか)る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

TAC出版/図解が多く全体像をつかみやすい定番。石材は「弱点」から覚えると選択肢を切りやすくなります。

価格・在庫は各販売ページでご確認ください。1級2級の参考書・過去問の比較もどうぞ。

石種ごとの性質

出題される6〜7種を、長所と弱点で並べます。

石材 長所 弱点
花崗岩
(御影石)
硬く、耐摩耗性・耐久性に優れる。外部に最も多く使われる。床・階段にも。 耐火性に劣る。硬いので加工費がかさむ。
大理石 ち密で、磨くと光沢が出る。装飾性が高い。 耐酸性・耐火性に劣る。屋外は不適で、主に内装用。
安山岩 硬く緻密で、耐久性に優れる。耐火性もある。 光沢がほとんど出ない(美観性では花崗岩に劣る)。
砂岩 耐火性に優れる 多孔質で汚れや苔が付きやすい。吸水率の高いものは外装で凍害を受ける。
凝灰岩 軟らかく、採石・加工が簡単。耐火性がある。 強度・耐久性に劣る。風化しやすい。
石灰岩 加工しやすい。 酸に弱い。柔らかく曲げ強度が低い。
粘板岩
(スレート)
吸水率が小さい。板状に薄く剥がれる性質があり、屋根材・床材に使う。

この表で言いたいのは1点です。強そうな石ほど、火か酸のどちらかに弱点を持っています

なぜ花崗岩は耐火性に劣るのか

石英を多く含むからです。

花崗岩は硬さと耐久性で外装材の主役ですが、その硬さのもとである石英が熱で大きく膨張します

花崗岩はいくつかの鉱物の集まりで、鉱物ごとに膨張の仕方が違います。熱を受けるとそれぞれがばらばらに膨張するため、内部に亀裂が生じて高温で強度が落ちます

硬い=火に強い、ではありません。ここが「耐久性に優れるが耐火性に劣る」という言い回しの中身です。試験ではこの一文が、5年のうち4年で正しい肢として出ています。

一方、安山岩・凝灰岩・砂岩は高温でも強度が低下しにくい石です。火山由来の石や、堆積してできた石のほうが火には強い、という並びになります。

独学で二次検定(施工経験記述)の書き方に不安があるなら、添削が受けられる独学サポート事務局の通信講座で早めにたたき台を用意しておくと安心です。

炭酸カルシウムの石は酸に弱い

大理石と石灰岩に共通する弱点です。

石灰岩は大部分が炭酸カルシウムからなる岩石で、大理石も炭酸カルシウムを含みます。

炭酸カルシウムを含む石は、弱酸性の雨水で表面が少しずつ溶けます。だから屋外に使うと、艶が失われて表情が変わっていきます。

大理石が主に内装(壁面・床・浴室など)で使われるのは、この性質があるからです。磨いて光沢を出す石なのに、屋外ではその光沢が保てないわけです。

石灰岩も同じ理由で外装には向きません。柔らかく曲げ強度も低いので、なおさらです。

施工管理で何を確認するか

  • 指定された石種か:石材は産地・岩石の種類ごとに等級(1等品・2等品・3等品)が決まります。設計図書の指定と納入品を照合します。
  • 使う場所と石種が合っているか:大理石が屋外に指定されていないか。砂岩が雨がかりの外装に使われていないか。石種の弱点と設置場所の条件を突き合わせます。
  • 欠点の有無:JISは石材の欠点として、そり・き裂・むら・くされ・欠け・へこみなどを挙げています。受入時に見えがかり面を確認します。
  • 見本での色調確認:同じ石種でも産地で表情が変わります。材料の検収と同じく、見本と現物を照合して記録します。

混同しやすい用語の整理

花崗岩 と 安山岩

どちらも硬くて耐久性のある火成岩ですが、火と見た目が逆です。

花崗岩は磨くと光沢が出て美観性に優れますが、耐火性に劣ります

安山岩は光沢がほとんど出ませんが、耐火性があり耐久性にも優れます。「光沢があって耐久性に劣る」と書かれていたら逆です。

大理石 と 石灰岩

どちらも炭酸カルシウム系で酸に弱い点は同じですが、使い方が違います。

大理石は磨くと光沢が出るため、内装の装飾材に使います。

石灰岩は柔らかく曲げ強度が低く、光沢を目的とする石ではありません。

過去問でどう問われたか

石材は、平成27年度から令和5年度まで、1級の第一次検定で5回問われています。引っかけは1つのパターンだけです。

  • 弱点を長所にすり替える……その石が本来弱いところを「優れる」と書く。5回とも、これが誤りの肢でした。
年度・級・No. 問われ方/引っかけ
1級 平成27年 No.12 砂岩は「汚れが付きにくい」とした → 多孔質で汚れが付きやすい ←①
1級 平成29年 No.12 凝灰岩は「強度、耐久性に優れる」とした → 軟質で強度・耐久性に劣る ←①
1級 令和元年 No.12 石灰岩は「耐水性に優れる」とした → 酸・水に弱い ←①
1級 令和3年 No.12 安山岩は「光沢があり美観性に優れるが、耐久性、耐火性に劣る」とした → 光沢は出にくいが耐久性に優れる ←①
1級 令和5年 No.13 石灰岩は「耐水性や耐酸性に優れ、主に外装用」とした → 酸に弱く外装に不向き ←①

逆に、毎年そのまま正しい肢として出るのがこの3つです。覚えておくと消去法で切れます。

  • 花崗岩は耐摩耗性・耐久性に優れるが、耐火性に劣る(4回)
  • 大理石は磨くと光沢が出るが、耐酸性・耐火性に劣る(3回)
  • 砂岩は耐火性に優れるが、吸水率の高いものは耐凍害性に劣る(3回)

つまり「優れる」と書いてある所ほど疑う。その石の弱点が長所にすり替わっていないかを見るのが解き方です。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

花崗岩は耐久性に優れるのに、なぜ耐火性に劣るのか。

石英を多く含み、熱を受けると鉱物ごとに膨張の仕方が違うためです。内部に亀裂が生じ、高温で強度が落ちます。硬い=火に強い、ではありません。

Q.

大理石が主に内装用として使われるのはなぜか。

炭酸カルシウムを含み、弱酸性の雨水で表面が溶けるためです。屋外では磨いて出した光沢が保てません。耐火性にも劣ります。

Q.

凝灰岩の長所と弱点は何か。

軟らかく採石・加工が簡単で、耐火性があるのが長所です。弱点は強度・耐久性に劣り、風化しやすいことです。「強度・耐久性に優れる」と書かれていたら誤りです。

Q.

安山岩は光沢が出るか。耐久性はどうか。

光沢はほとんど出ませんが、硬く緻密で耐久性に優れ、耐火性もあります。「光沢があり耐久性に劣る」は逆の記述です。

まとめ

  • JIS A 5003の岩石の種類は、花こう岩・安山岩・砂岩・粘板岩・凝灰岩・大理石の6区分。
  • 花崗岩=硬く耐摩耗性・耐久性に優れるが、石英を含むため耐火性に劣る。
  • 大理石・石灰岩=炭酸カルシウム系で酸に弱い。大理石は火にも弱く内装用。
  • 砂岩=耐火性に優れるが多孔質で汚れやすく、吸水率が高いと凍害。凝灰岩=加工しやすいが強度・耐久性に劣る。
  • 試験の引っかけは「弱点を長所にすり替える」1パターンだけ。

> 石の仕上げ方は石の表面仕上げを確認する
> 石の張り方は張り石工事(乾式工法)を確認する
> 屋根に使う石は屋根工事もあわせて確認する

1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

過去問本命1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

地域開発研究所/建築材料は毎年出ます。石材は5年で5回。過去問で問われ方を確かめると定着します。2級は2級のおすすめ参考書から。

独学がきつい・第二次の経験記述に不安があるなら、添削まで付く通信講座も選択肢です。経験記述の添削・独学サポート事務局を見る内容と料金の解説

独学の教材は1級のおすすめ参考書・過去問に、試験のしくみ・勉強法は受験ガイドにまとめています。

参考資料

  • JIS A 5003(石材)日本産業規格:石材の分類(岩石の種類・形状・物理的性質)、岩石の種類による6区分、圧縮強さによる硬石・準硬石・軟石の区分と吸水率、石材の欠点(そり・き裂・むら・くされ・欠け・へこみ等)、等級(1等品・2等品・3等品)
  • 全国建築石材工業会「石の性質」(花崗岩=硬く耐久性に富むが耐火性の点でやや劣る/砂岩=耐火性が高く汚れや苔が付きやすい・吸水率の高いものは凍害/安山岩=硬く光沢がない/石灰岩=大部分が炭酸カルシウム)
  • そすい タイルショップ「石の7つの性質」(花崗岩は石英を多く含み高温で強度が低下/安山岩・凝灰岩・砂岩は高温でも強度が低下しない/炭酸カルシウムを含む石は弱酸性の雨水で表面が溶け外装に向かない)
  • 砥石情報サイト「御影石の耐熱性、耐火性」(石英の膨張差による脆弱性・高温での強度低下)
  • 建材ダイジェスト「石材の種類一覧」/TOPPAN ARCHI「建築石材の種類」(大理石=主に内装材・酸性雨で艶が失われる/凝灰岩=軟らかく加工が簡単だが強度が低い/粘板岩=板状に薄く剥がれ屋根材に使う)
  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級 建築施工管理技術検定 第一次検定(学科)試験 問題」(石材の出題)

資格を取ったら、次はキャリアと年収

施工管理は人手不足で売り手市場です。今の待遇に不満があるなら、建設業界に強い転職エージェントに相談だけでもしておくと、自分の市場価値と選択肢が見えます。

建設業界専門の転職エージェント【RSG建設転職】▶

登録・相談は無料

独学で合格をめざすなら

使うテキスト・過去問で迷ったら、定番をまとめたこちらもどうぞ。

けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

経験記述の添削・通信講座

独学がきつい、第二次の経験記述が不安。そんな人は添削まで付く通信講座も選択肢です。

独学サポート事務局を見る ▶

内容・料金は公式で確認

けんせつる

けんせつる

施工管理の用語・過去問・受験ガイドを、初心者向けにやさしく案内します。

Topへ >>