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張り石工事(乾式工法)とは?湿式工法との違い・ファスナー・だぼと施工管理の確認ポイント

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けんせつる

けんせつる

外壁の石って、どうやって躯体に留めてるの?

乾式工法と湿式工法は何が違うの?

この記事の要点

張り石工事の乾式工法とは、ファスナー(金物)で石材を一枚ずつ躯体に留め付け、裏込めモルタルを使わない外壁の工法です。

裏込めモルタルで躯体と一体化させる湿式工法と比べ、乾式工法には次の特徴があります。

  • 地震時の追従:ファスナーで点支持するため、躯体の挙動に追従しやすい。
  • 白華・凍害に強い:モルタルを使わないため、白華(エフロレッセンス)が起こりにくく、凍結による被害も受けにくい。
  • 工期:モルタルの充填・養生が不要で、工期を短縮しやすい。

施工管理では、ファスナーの固定・だぼ孔の端あき・目地のシーリング・調整範囲が主な確認ポイントになります。

まず、乾式工法が石材をどう保持しているのかを断面で押さえます。

乾式張り石の納まり模式図。躯体と石材のあいだに空気層をとり、ファスナー(金物)とだぼで石材を保持し、目地はシーリングで処理する
乾式工法は躯体と石材のあいだに空気層をとり、ファスナーとだぼで石材を保持する。裏込めモルタルは使わず、目地はシーリングで処理する。(位置を示す模式図で、寸法は実寸ではありません)

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この記事は石の「張り方」を扱います。石材の見えがかり面をどう仕上げるか(ジェットバーナー・びしゃん・本磨き等)は石の表面仕上げ、石種ごとの性質(花崗岩・大理石・砂岩等)は石材の種類にまとめました。

乾式工法と湿式工法の違い

項目乾式工法湿式工法
固定方法ファスナー(金物)とだぼで点支持裏込めモルタルで躯体と一体化
地震時の追従追従しやすい(変位を逃がせる)追従しにくく、ひび割れ・剥落が起きやすい
白華(エフロ)モルタルがなく起こりにくいモルタルから白華が出やすい
凍害裏に水を含むモルタルがなく受けにくいモルタルの凍結被害を受けることがある
工期モルタル充填・養生が不要で短縮しやすい充填・養生に時間がかかる

湿式が「裏にモルタルを詰めて塗り固める」のに対し、乾式は「金物で一枚ずつ吊る」イメージです。高層・大判の外壁石張りでは、地震への追従や白華の少なさから乾式工法が主流です。

乾式工法の部材と納まり

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施工管理での確認ポイント

乾式張り石の施工管理は、石材が確実に保持され、地震や自重で欠け・落下しないことを確認します。

過去問でどう問われたか

外壁の張り石工事(乾式工法)は、令和5年から令和7年まで1級・2級で問われています。引っかけは大きく2パターンです。

年度・級・No. 問われ方/引っかけ
2級 令和7年後期 No.40 乾式工法は地震時の躯体挙動に追従しにくいとした → 追従しやすい ←①特徴
2級 令和5年前期 No.24 乾式工法は躯体の動きに追従しにくいとした → 点支持で追従しやすい ←①特徴
1級 令和5年 No.32 だぼ孔の端あきを500mm角の石材で60mmとした → 小さすぎ縁が欠ける ←②寸法

つまり乾式工法はファスナーで点支持するため躯体の挙動に追従しやすい(追従しにくいは誤り)、だぼ孔の端あきは石材の大きさに応じて十分とる。特徴と寸法の取り違えが誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

管理人からのコメント

乾式張り石は、石材を貼ってしまうとファスナー・アンカー・だぼが見えなくなります。固定の良否はその後では確認できないので、石材を取り付ける前に金物の固定と通りを確認し、写真で残しておくのが基本です。

外壁の石は落ちると重大事故につながります。だぼ孔の端あきが小さい、目地のシーリングが切れている、といった不具合に気づいたら、無理に進めず原因を確認します。

混同しやすい用語の整理

乾式工法 と 湿式工法

乾式工法は、ファスナー(金物)とだぼで石材を一枚ずつ躯体に留め、裏込めモルタルを使いません。点支持なので地震時の躯体変形に追従しやすく、白華や凍害も起こりにくい工法です。

湿式工法は、石材の裏にモルタルを充填して躯体と一体化させます。一体化するぶん躯体の動きをそのまま受けるため、地震時にひび割れ・剥落が起きやすく、白華も出やすくなります。

ファスナー と だぼ

ファスナーは石材を躯体に留める金物そのもので、下地の精度を吸収する調整機能をもちます。だぼは石材どうしや石材とファスナーをつなぐピンで、だぼ孔の端あきが石材の縁の強さを左右します。

理解度チェック

Q.

乾式工法は、地震時の躯体の挙動に追従しやすいか、しにくいか。

追従しやすいです。ファスナーで点支持し、ファスナーの遊びで変位を逃がせるためです。裏込めモルタルで一体化する湿式工法より、地震時のひび割れ・剥落が起きにくくなります。

Q.

だぼ孔の端あきが小さいと、どんな不具合が起きるか。

孔の外側に残る石が薄くなり、地震時の力や自重で石材の縁・角が欠けやすくなります。端あきは石材の大きさに応じて十分にとります(500mm角で60mmは小さすぎ)。

まとめ

外壁工事の種類と施工管理|ALC・ECP・タイル・サイディングの確認ポイントを確認する

仕上げ・内装工事の施工管理は仕上げ・内装にまとめています。

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  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第10章 石工事

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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