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採光及び照明とは?照度・光度・輝度・昼光率・全天空照度を過去問で整理

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けんせつる

けんせつる

光度輝度って、どっちがどっちだっけ……?

全天空照度って、快晴のほうが明るいんじゃないの?

この記事の要点

照度(lx)は受照面が受ける光、光度(cd)は光源のある方向への光の強さ、輝度は面の明るさ。とくに光度と輝度の入れ替えが頻出です。

全天空照度は直射日光を含まず、設計用の値は快晴の青空より薄曇りのほうが大きい。ここが最大の引っかけです。

色温度は高いほど青白くなります(低いほど赤み)。照明器具はLED照明、換気などの環境は換気にまとめています。

採光は昼光(太陽の光)を室内に取り入れること、照明は人工の光で明るさを確保することです。試験(1級はNo.2〜3、2級でも頻出)でねらわれるのは、光の量を表す用語(測光量)の定義と、天空の明るさの考え方です。まず測光量を図で押さえます。

測光量の関係を表す模式図。光源から出る光の総量が光束(単位ルーメンlm)。光源からある方向への光の強さが光度(単位カンデラcd)。その光が受照面に入射して面が受ける光が照度(単位ルクスlx)。反射面や発光面を見たときの面の明るさが輝度(単位カンデラ毎平方メートル)。光度は方向の強さ、輝度は面の明るさで別物。
光束=出る総量、光度=方向の強さ、照度=面が受ける光、輝度=面の明るさ。光度と輝度は別物。※関係をつかむための模式図。
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測光量:光束・光度・照度・輝度を区別する

光の量を表す用語を、単位とセットで整理します。ここの入れ替えが最頻出です。

用語(単位) 意味
光束(lm) 光源から出る光の総量。視感度で重みづけした単位時間当たりの光のエネルギー量
光度(cd) 光源のある方向への光の強さ。単位はカンデラ
照度(lx) 受照面の単位面積当たりの入射光束。面が受ける光。単位はルクス
輝度(cd/m²) 反射面や発光面を見たときの面の明るさ。単位面積・単位立体角当たりの光度

ねらわれるのは、光度と輝度の入れ替えです。「光度とは反射面を有する受照面の光の面積密度」とすると、それは輝度の説明で誤り。光度は方向の強さ、輝度は面の明るさです。また照度は面が“受ける”光で、「単位面積当たりから“放射”する光束」とすると、それは光束発散度で誤りです。

昼光率と全天空照度

この分野いちばんの引っかけが、全天空照度です。

昼光率は、室内のある点の天空光による照度を、そのときの全天空照度で割った比(%)です。屋外が明るくなればその点の照度も比例して上がるので、昼光率は天候によらずほぼ一定になります。

全天空照度は、天空光(空からの光)による水平面照度で、直射日光は含みません。「直射日光を含めた」とするのは誤りです。

そして反直感的なのが、設計用全天空照度は、快晴の青空より薄曇りのほうが大きいことです。快晴の青空は約10,000lx、普通の明るい日(薄曇り)は約15,000lxで、薄曇りのほうが空全体が均一に明るくなります。「快晴のほうが大きい」とするのは誤りです。

採光では、側窓の位置を高くすると、室内の照度分布の均斉度は良くなります。「位置を高くしても均斉度は変わらない」とするのは誤りです。

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色温度・演色性・グレア

  • 色温度(K):光の色を表す量で、高いほど青白く、低いほど赤みを帯びます。「色温度が高いほど赤みがかった光色」とするのは誤りです。
  • 演色性:照明光による物体色の見え方についての光源の性質。光の分光分布で決まります。
  • グレア:高輝度な部分や極端な輝度対比などによって感じるまぶしさ。視対象が見えにくくなる反射グレアもあります。
  • 光害(ひかりがい):照明対象の範囲外に漏れる光によって引き起こされる障害のことです。

照明方式とランプの種類

照明の方式とランプの用途も出ます。

  • 照明方式:天井や壁と一体化した建築化照明、全般照明と局部照明を併せて行うタスク・アンビエント照明など。
  • ハロゲン電球高輝度で、店舗のスポット照明などに使う。「低輝度で道路・トンネル照明」とするのは誤りです。
  • メタルハライドランプ:演色性がよく、スポーツ施設などに使う。
  • Hf蛍光ランプ・LED:高効率・長寿命でちらつきが少なく、事務所などに使う。
  • 水銀ランプ:主に高天井の室内照明や屋外照明に使う。

混同しやすい用語の整理

光度 と 輝度

どこの明るさかが違います。

光度(cd)は、光源のある方向への光の強さ

輝度(cd/m²)は、反射面や発光面を見たときの面の明るさ。「光度=面の明るさ」は誤りです。

全天空照度:快晴 と 薄曇り

空全体の明るさで比べます。

快晴の青空は約10,000lx。薄曇り(普通の明るい日)は約15,000lxで、こちらのほうが大きい値です。

全天空照度に直射日光は含みません。含めるのは誤りです。

過去問でどう問われたか

採光及び照明は、1級ではNo.2〜3、2級でも毎年のように出ます。引っかけは3つのパターンです。

  • 全天空照度……「直射日光を含めた」「快晴のほうが薄曇りより大きい」とする。正しくは直射日光を含まず、薄曇りのほうが大きい。最頻出。
  • 測光量の入れ替え……光度を輝度の定義に、照度を「放射する光束」とする。光度は方向の強さ、照度は受ける光。
  • 性質のすり替え……色温度を「高いほど赤み」、ハロゲン電球を「低輝度で道路・トンネル」とする。
年度・級・No. 問われ方/引っかけ
1級 令和5年 No.2 光度を「反射面を有する受照面の光の面積密度」とした → それは輝度 ←②測光量
1級 令和3年 No.2 設計用全天空照度は快晴が薄曇りより小さい(正しい肢)/側窓を高くしても均斉度は変わらないとした → 変わる ←①②
1級 平成29年 No.2 全天空照度を「直射日光を含めた全天空による照度」とした → 直射日光は含まない ←①全天空照度
1級 令和7年 No.2 反射グレア・配光・色温度・光束法の照度算出について問う ←②③
2級 令和7年前期 No.5 色温度が「高くなるほど赤みがかった光色」とした → 高いほど青白い ←③性質
2級 令和6年前期 No.5 輝度を「点光源のある方向の光の強さ」とした → それは光度 ←②測光量

安定して問われるのは全天空照度は直射日光を含まず薄曇り>快晴、光度は方向の強さ・輝度は面の明るさ、色温度は高いほど青白い、ハロゲン電球は高輝度です。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

光度と輝度は、それぞれ何の明るさか。

光度(cd)は光源のある方向への光の強さ、輝度(cd/m²)は反射面や発光面を見たときの面の明るさです。光度を「面の明るさ」、輝度を「方向の強さ」とする入れ替えが出ます。

Q.

全天空照度に直射日光は含まれるか。設計用の値は快晴と薄曇りのどちらが大きいか。

直射日光は含みません。設計用全天空照度は、快晴の青空(約10,000lx)より薄曇り(約15,000lx)のほうが大きい値です。「快晴のほうが大きい」は誤りです。

Q.

照度とは何を表すか。単位は。

受照面の単位面積当たりの入射光束(面が受ける光)で、単位はルクス(lx)です。「単位面積当たりから放射する光束」とするのは光束発散度で、照度ではありません。

Q.

色温度が高くなると、光の色はどうなるか。

青白くなります。色温度は高いほど青白く、低いほど赤みを帯びます。「高いほど赤みがかった光色」とするのは誤りです。

まとめ

  • 光束(lm)=出る総量、光度(cd)=方向の強さ、照度(lx)=面が受ける光、輝度(cd/m²)=面の明るさ。
  • 昼光率=天空光による照度÷全天空照度。全天空照度は直射日光を含まない。
  • 設計用全天空照度は、快晴の青空(約10,000lx)より薄曇り(約15,000lx)のほうが大きい。
  • 色温度は高いほど青白い。演色性は物体色の見え方、グレアはまぶしさ。
  • ハロゲン電球は高輝度(店舗スポット)、メタルハライドは演色性がよくスポーツ施設、Hf蛍光・LEDは高効率・長寿命。

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参考資料

  • JIS Z 8113(照明用語)ほか照明工学の解説:光束(lm)・光度(cd)・照度(lx)・輝度(cd/m²)の定義、演色性・グレア・色温度(高いほど青白い)
  • 建築環境工学の解説:全天空照度は直射日光を含まない天空光による水平面照度。設計用全天空照度は快晴の青空 約10,000lx、普通の明るい日(薄曇り)約15,000lx、特に明るい日(薄曇り)約50,000lxで、薄曇りのほうが快晴より大きい。昼光率=室内のある点の天空光による照度÷全天空照度
  • 照明設備の解説:ハロゲン電球は高輝度で店舗スポット、メタルハライドランプは演色性がよくスポーツ施設、Hf蛍光ランプ・LEDは高効率・長寿命、水銀ランプは高天井・屋外
  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級・2級 建築施工管理技術検定 第一次検定(学科)試験 問題」(採光及び照明の出題)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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