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はしご道の設置規定と登り桟橋・工事用エレベーターの使い分け

けんせつる

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はしご道と登り桟橋って何が違うの?上端は何cm突き出せばいいの?

この記事の要点

はしご道は垂直?急勾配の昇降に使い、人の移動専用です。上端を床面から60cm以上突き出すこと(40cmは誤り)、壁等に概ね75cm以内ごとに固定することが義務付けられています(労働安全衛生規則第556条)。

登り桟橋(勾配30度以下・人と資材の昇降)・工事用エレベーター(高層・大量荷物用、設置届出が必要)との使い分けが試験頻出です。

建築工事の現場では、上下階の移動に複数の昇降設備が使われます。はしご道・登り桟橋・工事用エレベーターはそれぞれ使う場面が異なります。

どれを選ぶかは「勾配・目的・工事規模」で変わってきます。この記事では、はしご道の設置規定を中心に、3種類の昇降設備の使い分けを整理します。架設通路の規定とあわせて確認しておくことが重要です。

はしご道はどんな場面で設置するのか

はしご道は、垂直または急勾配の場所で人が昇降するための設備です。掘削坑内・建物の層間・足場の昇降口など、スペースが限られた場所によく設けられます。

例えば、基礎工事の土留め内に作業員が降りる際、狭いスペースに垂直に取り付けられたはしごがはしご道の典型です。広いスペースが確保できる場合は登り桟橋が選ばれますが、はしご道は場所を取らないのがメリットです。

ただし、はしご道は人の昇降専用で、資材の搬送には使えません。その点が登り桟橋との大きな違いです。

はしご道の設置規定は何を押さえるか

上端の突き出し高さ

はしごの上端は、はしごを掛けた場所の床面から60cm以上突き出すことが必要です。

40cm以上」という数値と混同されやすいのですが、正しくは60cmです。試験の選択肢で40cmが出てきたら誤りと判断してください。

なぜかというと、上端が短すぎると乗り降りの際に体を支えるものがなくなり、転落リスクが上がるからです。

固定間隔

はしごは壁・建物の構造部等に概ね75cm以内ごとに固定します。固定が少ないとはしご全体が揺れてしまい、昇降中の転落につながります。

「概ね」という表現が使われているのは、構造上の制約で均等配置が難しい場合もあるためです。ただし試験では「75cm以内ごと」が基準値として押さえておくべき数値です。

踏さん(ステップ)の間隔

踏さんの間隔は等間隔とする必要があります。踏さんの間隔がバラバラだと、暗い環境や疲労時に足を踏み外すリスクがあるためです。

施工管理のポイント

「上端60cm突き出し」は現場でも忘れやすいポイントです。はしごを設置した後に固定位置がギリギリで60cm届かないケースが出ることがあります。

設置前に上端の飛び出し寸法を確認する習慣をつけておくと、後から設置し直す手間が省けます。

届出が必要な工事・機械の詳細要件は、沖縄労働局「建設工事計画届のポイント」(下図)に示されています。

建設工事計画届・機械等設置届の詳細要件一覧(届出が必要な工事・機械の条件)
出所:沖縄労働局「建設工事計画届のポイント」p.7 届出が必要な工事・機械の詳細要件

坑内はしごに適用される特別な規定

坑内(地下掘削箇所など)で使うはしごには、通常のはしごとは異なる追加規定があります。

坑内のはしごの長さが10m以上になる場合は、5m以内ごとに踏だな(休憩のための水平スペース)を設けることが義務付けられています。簡単にいうと、10m以上のはしごを一気に登らせてはいけない、ということです。

また、坑内のはしご道の勾配は80度以内とする必要があります。80度を超える角度は実質的に垂直に近く、疲労・転落のリスクが急増するためです。

規定項目基準値
上端の突き出し高さ60cm以上
固定間隔概ね75cm以内
坑内はしごの踏だな設置長さ10m以上の場合、5m以内ごと
坑内はしごの勾配80度以内

根拠条文は労働安全衛生規則第556条です。

登り桟橋とはしご道はどう使い分けるか

登り桟橋は、勾配30度以下の傾斜路で人と資材の両方を昇降させるための設備です。スロープ状の通路に踏みさんを設けた構造で、台車での資材搬送にも対応できます。

ザックリ言えば、「ゆるやかな傾斜で人も荷物も動かしたいときは登り桟橋、急な角度で人だけが昇降するならはしご道」という使い分けです。

設備勾配の目安昇降の対象
登り桟橋30度以下人・資材の両方
はしご道垂直?急勾配(坑内80度以内)人のみ

例えば、内装仕上げの材料を上階に運ぶルートとして登り桟橋を設け、点検目的で作業員が単独で降りる場所にはしご道を別途設けるといった使い方が現場ではよく見られます。

工事用エレベーターはどんな場合に使うのか

工事用エレベーター(工事用リフト)は、高層建築物や大量の資材を上下に搬送する必要がある現場で使う昇降設備です。

はしご道や登り桟橋と最も大きく異なる点は、設置届出が必要なことです。労働安全衛生法第88条の規定に基づき、工事開始の30日前までに所轄労働基準監督署長に計画を届け出ます。

高さや積載荷重によって届出が必要な基準が定められています。

なぜかというと、工事用エレベーターは機械的な昇降装置であり、不具合が発生した場合の影響が大きいためです。法的な審査を事前に通す必要があります。

設備主な用途届出の要否
はしご道人の昇降(急勾配・省スペース)不要
登り桟橋人・資材の昇降(緩勾配)不要
工事用エレベーター高層・大量荷物の昇降必要(安衛法88条)

機械等設置届が必要な機械の種類(クレーン・エレベーター等)は、沖縄労働局「建設工事計画届のポイント」(下図)に示されています。

機械等設置届が必要な機械の種類一覧(クレーン・エレベーター等)
出所:沖縄労働局「建設工事計画届のポイント」p.6 機械等設置届が必要な機械の種類

混同しやすい用語の整理

はしご道 vs 登り桟橋

はしご道は急勾配・垂直で人のみが昇降します。登り桟橋は勾配30度以下の傾斜路で人と資材の両方に対応します。

勾配と昇降対象の2点で区別できます。

はしご道 vs 架設通路

はしご道は垂直?急勾配の昇降専用の設備です。架設通路は人の通行・移動のための仮設の通路全般を指し、水平路や緩傾斜の通路も含みます。

はしご道は架設通路の一種という整理もできますが、設置基準が別に定められています。

上端60cm突き出し vs その他の60cmの数値

はしご道の上端突き出しは60cm以上です。「40cm」は誤りの選択肢として頻出します。

また、足場の作業床幅(40cm以上)や別の規定値と数値を混同しないよう注意しましょう。

一問一答

Q.

はしごの上端は床面から何cm以上突き出さなければならないか?また根拠条文は?

60cm以上40cmは誤り)。根拠は労働安全衛生規則第556条。

Q.

坑内のはしごの長さが10m以上になる場合、何m以内ごとに踏だなを設けるか?

5m以内ごとに踏だなを設ける。

Q.

工事用エレベーターの設置に必要な届出の根拠条文と提出先はどこか?

労働安全衛生法第88条に基づき、所轄労働基準監督署長に計画を届け出る(工事開始の30日前まで)。

まとめ

登り桟橋の設置規定を詳しく確認する

建設工事計画届の提出対象・手続きを確認する

墜落制止用器具の使用ルールを確認する

仮設・足場の施工管理は仮設・足場にまとめています。

参考資料

・労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第556条

・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第88条

・厚生労働省 職場のあんぜんサイト

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けんせつる

建築業界の実務経験をもとに、建築施工管理の用語・施工手順・混同しやすい違いを整理しています。

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