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けんせつる
安全ネットの網目って何cm以下なの?幅木との組み合わせはどうなるの?
この記事の要点
安全ネットとは、高所作業中の墜落や工具・資材の落下を受け止めるために張る墜落防止用のネットのことです。墜落防止用(水平)安全ネットの網目は、辺の長さ10cm以下と定められています。
高さ2m以上の作業場所や床梁下・吹き抜け・階段室などの開口部で、囲い・手すり等を設けることが困難なときに、防網(安全ネット)の設置が義務となります。あわせて足場端部には物体落下防止の幅木(高さ10cm以上)を設けます。
根拠は、防網の設置が安衛則第518条・第519条、ネットの構造(網目等)が昭和51年 技術上の指針公示第8号です。
高所作業中の墜落・落下物事故を防ぐために、安全ネットの設置は法令で義務づけられています。
ただし、網目のサイズや幅木の高さは数値で決まっているため、正確に押さえておく必要があります。
また手すり先行工法や足場の安全管理と組み合わせて計画することが大切です。
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建設現場では高所作業中に作業員が墜落したり、工具・資材が落下する危険が常に存在します。
要は、「落ちても受け止める仕組み」と「物が落ちても下にいる人を傷つけない仕組み」の両方が必要ということです。安全ネットはその両方を担う設備です。
例えば、3階の床スラブ打設中に作業員が誤って開口部に踏み込んだとき、直下にネットが張られていれば墜落を受け止めることができます。足場周囲にネットがあれば、上から落ちたボルトが歩行者に直撃するリスクも減らせます。
安衛則第518条・第519条に基づき、次の箇所では墜落防止のためにネット(防網)・囲い・手すり等の措置が義務とされています。
| 設置が必要な箇所 | 条件の目安 |
|---|---|
| 高所の作業場所 | 高さ2m以上 |
| 床梁下・吹き抜き部分 | 開口部があるすべての箇所 |
| 階段室・エレベーター昇降路等の開口部 | 手すり等が設けられていない箇所 |
| 作業床の端・開口部 | 囲い・手すり等が困難な場合にネット |
高さ2m以上の作業場所で囲い・手すり等を設けることが困難な場合、防網(安全ネット)による墜落防止措置が義務になります。
床の開口部(床梁下・ピット・吹き抜け)は見落としやすいポイントです。
例えば、エレベーターシャフトや階段室の開口部は工事中に仮設手すりがない状態になりやすく、そのままにしておくと安衛則違反になります。施工計画の段階でネットの設置箇所を洗い出しておくことが重要です。
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墜落防止用ネットの構造等の安全基準(昭和51年 技術上の指針公示第8号)により、墜落防止用(水平)安全ネットの網目は辺の長さ10cm以下と定められています。
平たくいえば、網の一マスが10cm×10cm以内に収まっていなければならないということです。10cmという数値は、人体の一部や工具が網目をくぐり抜けないための寸法として設定されています。
なお、足場外周などに張る落下物防止用の垂直ネット(養生ネット)は網目15mm以下が基準で、墜落防止用安全ネットの10cm以下とは別の数値です(用途が異なる)。
網目サイズだけでなく、ネット自体の引張強度・縫い糸の強度、支持点への取り付け間隔なども安全基準で定められています。
取り付け間隔が広すぎるとネットが大きくたわんで、作業員を受け止めた際に地面や構造物に接触する恐れがあります。設置後はたわみ量も確認しましょうね。
足場の作業床端部などでは、安全ネットに加えて幅木(巾木)を設置します。
幅木は目的によって基準値が異なります。足場端部の物体落下防止の幅木は高さ10cm以上(安衛則第563条第1項第六号)。わく組足場の墜落防止措置としては高さ15cm以上の幅木(または高さ15cm以上40cm以下の桟)を用います。
| 部材 | 用途 | 基準値 |
|---|---|---|
| 墜落防止用安全ネット(水平) | 人の墜落を受け止める | 網目 辺の長さ10cm以下 |
| 垂直ネット(養生ネット) | 工具・資材の落下防止 | 網目 15mm以下(JIS) |
| 幅木(物体落下防止) | 足場端部からの落下防止 | 高さ10cm以上 |
| 幅木(わく組足場の墜落防止) | 墜落防止措置 | 高さ15cm以上 |
幅木は、作業床上に転がった工具・資材が端部から滑り落ちるのを防ぐための板です。安全ネットが墜落・落下物を「受け止める」設備とすれば、幅木は落下物を「端に近づかせない」設備といえます。
一般建設工事における墜落防止・落下物防止の規制(幅木10cm以上・ネットの設置基準)は、滋賀労働局の資料(下図)に示されています。
現場でよく見る外装の緑色のシートは「メッシュシート(防炎シート)」であり、安全ネットとは別物です。
簡単にいうと、安全ネットは「人や大きな物が落ちるのを受け止める設備」、メッシュシートは「小さな破片・粉じんが外部に飛散するのを防ぐ設備」という違いがあります。
| 種類 | 主な目的 | 強度要件 |
|---|---|---|
| 安全ネット(墜落防止用) | 作業員の墜落を受け止める | 引張強度等の安全基準あり |
| 落下物防止ネット | 工具・資材の落下飛散を防ぐ | 落下物の質量に応じた強度 |
| メッシュシート(防炎シート) | 粉じん・小破片の飛散防止 | 防炎性能が主要件 |
施工管理者はどの目的でどの設備が必要かを区分して計画に落とし込む必要があります。
先行手すり足場・枠組足場の幅木・手すり・中桟の設置規定は、滋賀労働局の資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
安全ネットは作業員の墜落を受け止める設備で、墜落防止用ネットとも呼ばれます。落下物防止ネットは工具・資材が下方に落下して人を傷つけないように張る設備です。
目的が異なるため、設置箇所・強度要件も別に確認が必要です。
メッシュシートは足場外周に張る薄手のシートで、粉じん・小破片の飛散防止と防炎が目的です。人の墜落を受け止める強度はありません。
安全ネットと見た目が似ていますが、役割はまったく異なります。
防護ネットという語は法令上の正式名称ではなく、現場では落下物防止ネットや安全ネットを指して使われることがあります。設計図・施工計画書では「墜落防止用ネット」「落下物防止ネット」と区分して記載するのが適切です。
墜落防止用ネット(安全ネット)の網目の大きさの上限は?
墜落防止用(水平)安全ネットは辺の長さ10cm以下。落下物防止の垂直ネットは網目15mm以下で別物。
足場の作業床端部に設ける幅木(巾木)の高さの基準は?
物体落下防止の幅木は10cm以上。わく組足場の墜落防止の幅木は15cm以上(目的で異なる)。
安全ネットの設置が義務となる作業場所の高さの基準は?
高さ2m以上。床梁下・吹き抜け・階段室等の開口部も対象(安衛則第518条・第519条)。
> 墜落制止用器具の区分を確認する
> 足場の種類と安全管理を確認する
> 朝顔(防護棚)の設置基準を確認する
仮設・足場の施工管理は仮設・足場にまとめています。
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参考資料
・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)
・労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第518条・第519条・第563条
・墜落による危険を防止するためのネットの構造等の安全基準に関する技術上の指針(昭和51年 技術上の指針公示第8号)
・厚生労働省 職場のあんぜんサイト
※ この記事の法令確認日:2026年5月
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まちがえやすいポイント
安全ネットは網目が小さいほど安全(墜落防止用=10cm以下/落下物防止の垂直ネット=15mm以下)、幅木は高いほど安全(物体落下防止=10cm以上/わく組足場の墜落防止=15cm以上)です。用途で基準値が変わる点に注意します。
ネットは穴が小さい方が安全、幅木は高い方が安全という理屈を理解すると覚えやすいはずです。