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安全ネット・落下防止ネットの規定を整理【網目10cm・幅木10cm】

けんせつる

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安全ネットの網目って何cm以下なの?幅木との組み合わせはどうなるの?

この記事の要点

安全ネット(墜落防止用ネット)の網目は辺の長さ10cm以下と定められています。「15cm以下」は誤りなので注意が必要です。

高さ2m以上の作業場所や床梁下・吹き抜け・階段室などの開口部では設置が義務となります。幅木(巾木)と組み合わせる場合、幅木の高さは10cm以上が基準です(5cmは不足、15cmは過剰)。

根拠は安衛則第563条および墜落防止用ネットの安全基準(昭和43年)です。

高所作業中の墜落・落下物事故を防ぐために、安全ネットの設置は法令で義務づけられています。

ただし、網目のサイズや幅木の高さは数値で決まっているため、正確に押さえておく必要があります。

また手すり先行工法足場の安全管理と組み合わせて計画することが大切です。

安全ネットはなぜ必要な設備か

建設現場では高所作業中に作業員が墜落したり、工具・資材が落下する危険が常に存在します。

要は、「落ちても受け止める仕組み」と「物が落ちても下にいる人を傷つけない仕組み」の両方が必要ということです。安全ネットはその両方を担う設備です。

例えば、3階の床スラブ打設中に作業員が誤って開口部に踏み込んだとき、直下にネットが張られていれば墜落を受け止めることができます。足場周囲にネットがあれば、上から落ちたボルトが歩行者に直撃するリスクも減らせます。

設置が義務になる条件はどこか

安衛則第563条に基づき、次の箇所では墜落防止のためにネット・手すり等の措置が義務とされています。

設置が必要な箇所条件の目安
高所の作業場所高さ2m以上
床梁下・吹き抜き部分開口部があるすべての箇所
階段室・エレベーター昇降路等の開口部手すり等が設けられていない箇所
作業床の端・開口部囲い・手すり等が困難な場合にネット

「任意設置でよい」は完全な誤りです。高さ2m以上の作業場所で適切な囲い・手すりが設けられない場合、安全ネットによる墜落防止措置は義務になります。

開口部の種類と確認ポイント

床の開口部(床梁下・ピット・吹き抜け)は見落としやすいポイントです。

例えば、エレベーターシャフトや階段室の開口部は工事中に仮設手すりがない状態になりやすく、そのままにしておくと安衛則違反になります。施工計画の段階でネットの設置箇所を洗い出しておくことが重要です。

網目サイズの規定はどうなっているか

墜落防止用ネットの安全基準(昭和43年)により、安全ネットの網目の大きさは辺の長さ10cm以下と定められています。

平たくいえば、網の一マスが10cm×10cm以内に収まっていなければならないということです。

よく誤りとして出てくる「15cm以下」は根拠のない数値ですので、しっかり区別しましょう。10cmという数値は、人体の一部や工具が網目をくぐり抜けないための最小寸法として設定されています。

ネット本体の強度・取り付け方も確認が必要

網目サイズだけでなく、ネット自体の引張強度・縫い糸の強度、支持点への取り付け間隔なども安全基準で定められています。

取り付け間隔が広すぎるとネットが大きくたわんで、作業員を受け止めた際に地面や構造物に接触する恐れがあります。設置後はたわみ量も確認しましょうね。

幅木との組み合わせ規定はどうなっているか

足場の作業床端部などでは、安全ネットに加えて幅木(巾木)を設置します。

幅木の高さは10cm以上が規定値です。「5cm以上」は不足、「15cm以上」という誤答も出てきますが、正しくは10cm以上です。

項目正しい数値よくある誤答
安全ネットの網目(辺の長さ)10cm以下15cm以下
幅木の高さ10cm以上5cm以上 / 15cm以上

幅木は、作業床上に転がった工具・資材が端部から滑り落ちるのを防ぐための板です。安全ネットが墜落・落下物を「受け止める」設備とすれば、幅木は落下物を「端に近づかせない」設備といえますでしょう。

一般建設工事における墜落防止・落下物防止の規制(幅木10cm以上・ネットの設置基準)は、滋賀労働局の資料(下図)に示されています。

一般建設工事における墜落防止・落下物防止の安全衛生規制(幅木・手すり・ネット)
出所:滋賀労働局「足場に関する労働安全衛生法上の規定について」p.4 一般建設工事における墜落防止・落下物防止の規制(幅木10cm以上・ネットの設置基準)

メッシュシートとはどう違うか

現場でよく見る外装の緑色のシートは「メッシュシート(防炎シート)」であり、安全ネットとは別物です。

簡単にいうと、安全ネットは「人や大きな物が落ちるのを受け止める設備」、メッシュシートは「小さな破片・粉じんが外部に飛散するのを防ぐ設備」という違いがあります。

種類主な目的強度要件
安全ネット(墜落防止用)作業員の墜落を受け止める引張強度等の安全基準あり
落下物防止ネット工具・資材の落下飛散を防ぐ落下物の質量に応じた強度
メッシュシート(防炎シート)粉じん・小破片の飛散防止防炎性能が主要件

施工管理者はどの目的でどの設備が必要かを区分して計画に落とし込む必要があります。

管理人より

安全ネットと幅木の数値は「10」で統一されているので、そこさえ押さえればシンプルです。混乱しやすいのは「10cm以下(ネット)」と「10cm以上(幅木)」の方向が逆になっている点ですね。

ネットは穴が小さい方が安全、幅木は高い方が安全という理屈を理解すると覚えやすいはずです。

先行手すり足場・枠組足場の幅木・手すり・中桟の設置規定は、滋賀労働局の資料(下図)に示されています。

先行手すり足場・枠組足場の幅木・手すり・中桟の設置規定(滋賀労働局)
出所:滋賀労働局「足場に関する労働安全衛生法上の規定について」p.2 先行手すり足場・枠組足場における幅木・手すり・中桟の設置規定

混同しやすい用語の整理

安全ネット vs 落下物防止ネット

安全ネットは作業員の墜落を受け止める設備で、墜落防止用ネットとも呼ばれます。落下物防止ネットは工具・資材が下方に落下して人を傷つけないように張る設備です。

目的が異なるため、設置箇所・強度要件も別に確認が必要です。

安全ネット vs メッシュシート(防炎シート)

メッシュシートは足場外周に張る薄手のシートで、粉じん・小破片の飛散防止と防炎が目的です。人の墜落を受け止める強度はありません。

安全ネットと見た目が似ていますが、役割はまったく異なります。

防護ネット vs 安全ネット

防護ネットという語は法令上の正式名称ではなく、現場では落下物防止ネットや安全ネットを指して使われることがあります。設計図・施工計画書では「墜落防止用ネット」「落下物防止ネット」と区分して記載するのが適切です。

一問一答

Q.

墜落防止用ネット(安全ネット)の網目の大きさの上限は?

辺の長さ10cm以下(「15cm以下」は誤り)。

Q.

足場の作業床端部に設ける幅木(巾木)の高さの下限は?

10cm以上(「5cm以上」は不足)。

Q.

安全ネットの設置が義務となる作業場所の高さの基準は?

高さ2m以上。床梁下・吹き抜け・階段室等の開口部も対象(安衛則第563条)。

まとめ

墜落制止用器具の区分を確認する

足場の種類と安全管理を確認する

朝顔(防護棚)の設置基準を確認する

仮設・足場の施工管理は仮設・足場にまとめています。

参考資料

・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)

・労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第563条

・墜落防止用ネットの安全基準(昭和43年、労働省告示)

・厚生労働省 職場のあんぜんサイト

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けんせつる

建築業界の実務経験をもとに、建築施工管理の用語・施工手順・混同しやすい違いを整理しています。

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