けんせつる
手すり先行工法って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
手すり先行工法は足場の組立時に作業床より前に手すりを設置し、解体時には手すりを最後に解体する工法です。常に手すりがある状態を保ちます。
手すり先行工法の種類は手すり先行専用型・手すり据置型・二段手すり先行型の3種類があります。
足場の組立・解体時は、作業員が最上部で無防備な状態になるため、転落災害が起きやすい局面です。
手すり先行工法は、このリスクを減らすために作業床の設置より前に手すりを先行して設置する工法です。2003年以降、厚生労働省の推奨・指針によって普及が進んでいます。
手すり先行工法とは、足場の組立時には最上層の作業床を設置する前に手すりを設置し、解体時には最上層の作業床を解体する前に手すりを解体する工法です。
常に作業床の上方に手すりがある状態を保ちながら作業を進めることで、墜落リスクを低減します。
例えば、枠組足場を1層ずつ積み上げるとき、まず次の層の手すりを先に設置してから作業床(布板)を引き込む、という手順になります。これが「手すりが先行する」という意味です。
通常工法では最上層の作業床を先に設置し、その後に手すりを取り付けます。
そのため、手すりを取り付ける前の状態(作業床はあるが手すりがない状態)が一時的に生じます。手すり先行工法はこのリスクのある期間をなくすことが目的です。
| 項目 | 手すり先行工法 | 通常工法 |
|---|---|---|
| 組立手順 | 手すり先行 → 作業床設置 | 作業床設置 → 手すり取付 |
| 解体手順 | 手すりを最後に解体 | 手すりを先に解体 |
| リスクのある期間 | なし(常に手すりがある) | 一時的に手すりなし状態が発生 |
| 法的義務 | 一定条件で義務化(省令) | 基本的な安全措置として引き続き実施可 |
ザックリ言えば、「手すりを先に付けてから足場板を置く」か「足場板を置いてから手すりを付けるか」の違いということです。
厚生労働省の「手すり先行工法等に関するガイドライン」では、次の3種類が定められています。
| 種類 | 概要 |
|---|---|
| 手すり先行専用型 | 手すり専用の先行設置機能を持つ足場部材を使い、常に手すりを先行設置する。 |
| 手すり据置型 | 組立時に手すりを据え置いたまま作業床を引き込んで設置できる構造の足場部材を使う。 |
| 二段手すり先行型 | 通常の部材を使い、最上層の手すりを2段設置(上さん・中さん)してから作業床を設置する。 |
ここは混乱しやすいところですね。名称が似ているので、「専用部材を使うか、通常部材で工夫するのか」という点で整理すると覚えやすいでしょう。
先行手すり足場の手すり・中桟・幅木の設置規定(図解)は、滋賀労働局の資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
手すり先行工法は「作業床より先に手すりを設置する」という手順上の工法です。二段手すりは上さん(85cm以上)と中さん(35~50cm)の2段を設けた状態を指します。
二段手すり先行型は「二段の手すりを先行設置する」工法であり、両方の概念を含みます。
手すり先行工法では、組立時は手すりを最初に設置し、解体時は手すりを最後に解体します。解体時の順序を逆にすると手すり先行工法の効果が失われます。
建設業の労働災害種類別割合(墜落・転落が最多)は、広島中央労働基準監督署の資料(下図)に示されています。
手すり先行工法で組立時に行う手順は?
作業床を設置する前に最上層の手すりを先行して設置する。
手すり先行工法で解体時に行う手順は?
最上層の作業床を先に解体し、その後に手すりを解体する(手すりを最後に解体する)。手すりを先に外してから作業床を解体するのは通常工法であり、手すり先行工法ではない。
厚生労働省ガイドラインに定める手すり先行工法の種類を3つ答えよ。
手すり先行専用型・手すり据置型・二段手すり先行型。
> 作業床の設置基準を確認する
> 墜落制止用器具を確認する
仮設・足場の施工管理は仮設・足場にまとめています。
参考資料
・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)
・労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)
・クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)
・厚生労働省 職場のあんぜんサイト
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
手すり先行工法は組立て・解体の全工程で先行設置を維持することが求められます。一体型・後付け型・手すり据置型の違いは解体時の手順に影響するので事前に計画してください。
足場解体時の手すり撤去のタイミングが最もリスクが高い局面です。