ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 施工管理
  3. > 事前調査(着工前の調査)

事前調査とは?着工前に確認する敷地・近隣・地中障害物・電波障害

本ページはプロモーション(アフィリエイト広告)を含みます。

けんせつる

けんせつる

工事を始める前の「事前調査」って、結局なにを調べるの?

敷地を見るだけじゃダメなの?

この記事の要点

事前調査は、着工前に敷地・地盤・近隣・地中・周辺環境の条件を調べ、施工計画に反映する準備作業です。

調べる相手は敷地の中だけでなく、近隣家屋・地中の埋設物・道路・電波まで及びます。ここを外すと、掘ってから地中障害が出る、近隣とトラブルになる、といった手戻りが起きます。

過去問では、各調査の「目的と調べる内容の対応」や、道路使用許可の申請先が繰り返し問われます。

工事に着手する前に、敷地と周辺の条件を調べ、施工計画に反映するのが事前調査です。

目的は、計画を「机上の図面」から「その現場で実際にできる段取り」へ近づけることです。

敷地の中だけを見ても、工事は回りません。搬入経路になる前面道路、隣の建物、地中に残った古い基礎まで確認して、はじめて仮設・工程・搬入・安全の計画が組めます。調べる範囲は、次のように敷地の外まで広がります。

事前調査の模式図。敷地・工事現場を中央に、電波障害・近隣家屋・前面道路・地中障害物・地盤の5つの調査対象が周囲に配置され、それぞれ現場へ向けて矢印が伸びる。
事前調査は、敷地の中だけでなく、近隣・地中・道路・電波など敷地の外まで調べ、結果を施工計画に反映する。※位置関係をつかむための模式図。

調査を省くと、掘削してから地中障害物が出て工程が止まる、近隣に説明せずクレームになる、といった後から取り返しにくい手戻りにつながります。

これから受験する人は受験ガイド、調べた結果をまとめる先は施工計画書もどうぞ。

わかって合格る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

テキスト本命わかって合格(うか)る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

TAC出版/図解が多く全体像をつかみやすい定番。着工前の調査や施工計画は、この1冊で流れを押さえてから過去問に入ると解きやすくなります。

価格・在庫は各販売ページでご確認ください。1級2級の参考書・過去問の比較もどうぞ。

事前調査の主な項目

代表的な調査項目と、それを「何のために調べるか」をまとめます。

調査項目 何を調べるか 何のため
敷地・地盤 敷地の形状・高低差、地盤・地下水位、境界 基礎・山留め・排水の計画(詳細は地盤調査
近隣・家屋 隣接建物の現況(ひび割れ・傾き)、住民・通学路 損傷・紛争の予防と記録
地中障害物 旧建物の基礎、埋設管、埋設物、埋蔵文化財 掘削・杭工事の手戻り防止
電波障害 高層建物・タワークレーンによるテレビ受信障害 近隣への説明・対策
道路・搬入 前面道路の幅員、搬入経路、交通量 搬入計画、道路使用・占用許可の判断
排水・上下水 公共下水道の排水方式(合流式・分流式)、放流先 地下水・雨水の排水計画

どの項目も、共通するのは「敷地の外まで見て、施工計画に反映する」という点です。工事のやり方は、この調査結果に合わせて決まります。

近隣家屋調査は着工前と完了後に行う

近隣家屋調査は、隣接する建物の現況を記録しておく調査です。

着工前に、隣家のひび割れ・すき間・傾き、地盤の高さなどを写真や計測で記録します。工事の完了後にも同じ箇所を再調査し、着工前と比べます。

こうしておくと、工事の影響で損傷が生じたのか、もともとあったものかを客観的に示せます。言った・言わないの紛争を避けるための記録という位置づけです。

調査する範囲は、工事の規模や振動・掘削の影響が及ぶ範囲によって決まり、現場ごとに打ち合わせて設定します。決まった距離が一律にあるわけではありません。

基準となる高さの管理にはベンチマークを使います。移動のおそれのない箇所に、相互に照合できるよう複数設けるのが基本です(墨出しの起点にもなります)。

独学で二次検定(施工経験記述)の書き方に不安があるなら、添削が受けられる独学サポート事務局の通信講座で早めにたたき台を用意しておくと安心です。

過去問でどう問われたか

事前調査・準備作業は、1級・2級とも第一次検定でほぼ毎年出題されます。引っかけは、各調査の「目的」と「実際に調べる内容」の対応を取り違えさせる形が中心です。

年度・級・No. どう問われたか(引っかけ)
1級 令和6年 No.41 山留めを設ければ隣接建物の基礎構造調査を省いてよいとする→誤り。調査は省略しない
1級 令和5年 No.40 道路使用許可の申請書を道路管理者に提出する→誤り。正しくは所轄警察署長
1級 令和3年 No.40 道路使用許可の申請先を道路管理者とする→誤り(令和5年と同じ論点が再出題)
2級 令和6年 No.28 地上に設ける防護棚に、地中埋設配管の確認を結びつける→誤り。地上作業と地中調査の取り違え
2級 令和5年 No.29 鉄骨の建方計画で近隣の商店・工場の業種を調べるとする→誤り。必要なのは搬入・揚重の条件

共通するのは、その調査で何を確かめるのか(目的)と、実際に調べる内容の対応を取り違えさせるという形です。「この調査は何のためか」を一つずつ結びつけると見抜けます。道路使用許可の申請先(所轄警察署長)は、令和3年・令和5年と繰り返し問われています。

まちがえやすいポイント

試験でも実務でも取り違えやすいのが、道路にかかわる2つの許可です。

道路を一時的に「使う」=道路使用許可(申請先は所轄警察署長)、道路を継続的に「占める」=道路占用許可(申請先は道路管理者)です。

コンクリートポンプ車を一時的に据えて作業する場合は道路使用許可、足場や仮囲いで道路の一部を継続して占める場合は道路占用許可、と整理しておくと申請先を間違えません。詳しくは道路使用許可と道路占用許可の違いで扱っています。

理解度チェック

Q.

事前調査で「地中障害物」を調べるのは何のためか。

旧建物の基礎や埋設管などが地中に残っていると、掘削・杭工事で手戻りが生じます。着工前に把握して、工事を安全・円滑に進めるためです。

Q.

近隣家屋調査を着工前と完了後の両方で行うのはなぜか。

着工前の現況と完了後を比べることで、工事の影響で損傷が生じたのか、もともとあったものかを客観的に示せるためです。紛争予防の記録になります。

Q.

コンクリートポンプ車を道路に一時的に据えるとき、必要な許可と申請先は。

道路使用許可で、申請先は所轄警察署長です。足場・仮囲いのように継続して道路を占める場合の道路占用許可(申請先は道路管理者)とは別です。

まとめ

  • 事前調査は、着工前に敷地・地盤・近隣・地中・周辺環境を調べ、施工計画に反映する準備作業。
  • 調査対象は敷地の中だけでなく、近隣家屋・地中障害物・電波障害・道路・排水まで及ぶ。
  • 近隣家屋調査は着工前と完了後に行い、工事影響の有無を客観的に示す記録にする。
  • 過去問は「調査の目的と調べる内容の対応」を取り違えさせる。道路使用許可の申請先は所轄警察署長。

> 調べた結果をまとめる施工計画書を確認する
> 地盤そのものの調べ方は地盤調査を確認する
> 道路の許可は道路使用許可と占用許可の違いを確認する

1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

過去問本命1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

地域開発研究所/用語を覚えたら過去問演習で定着。解説が丁寧な正統派。2級は2級のおすすめ参考書から。

独学がきつい・第二次の経験記述に不安があるなら、添削まで付く通信講座も選択肢です。経験記述の添削・独学サポート事務局を見る内容と料金の解説

独学の教材は1級のおすすめ参考書・過去問に、試験のしくみ・勉強法は受験ガイドにまとめています。

参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級・2級 建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」(事前調査・準備作業の出題)
  • 国土交通省 建設工事における現地調査の解説、近隣家屋調査・地中障害物調査の実務解説(複数一致で確認)

資格を取ったら、次はキャリアと年収

施工管理は人手不足で売り手市場です。今の待遇に不満があるなら、建設業界に強い転職エージェントに相談だけでもしておくと、自分の市場価値と選択肢が見えます。

建設業界専門の転職エージェント【RSG建設転職】▶

登録・相談は無料

独学で合格をめざすなら

使うテキスト・過去問で迷ったら、定番をまとめたこちらもどうぞ。

けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

経験記述の添削・通信講座

独学がきつい、第二次の経験記述が不安。そんな人は添削まで付く通信講座も選択肢です。

独学サポート事務局を見る ▶

内容・料金は公式で確認

けんせつる

けんせつる

施工管理の用語・過去問・受験ガイドを、初心者向けにやさしく案内します。

Topへ >>