ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 施工管理
  3. > 総合施工計画書・工事種別施工計画書・基本工程表の違いとは?

総合施工計画書・工事種別施工計画書・基本工程表の違いとは?

けんせつる

けんせつる

総合施工計画書・工事種別施工計画書・基本工程表の違いって何?どんな場面で使うの?

この記事の要点

建築工事の計画書類には総合施工計画書・工事種別施工計画書・基本工程表という3つの区分があります(JASS 5 ほか)。

ザックリ言えば、「総合施工計画書=工事全体の総括計画工事種別施工計画書=各工種の詳細計画基本工程表=全体工程のスケジュール骨格」という関係です。建築士試験でも用語の区別が問われるため、正確に押さえておきましょう。

「施工計画書」という言葉は広い意味で使われますが、実際には種類があります。

試験や実務で「総合施工計画書には何を書くか」「工事種別施工計画書はいつ提出するのか」という問いが出てきます。それぞれの定義と役割を混同しないよう、ここで整理しておきましょう。

総合施工計画書とはどんな文書か

総合施工計画書は、工事全体の施工に関する方針・管理計画をまとめた最上位の計画書です。元請け業者が着工前に作成し、監理者・発注者に提出・承認を受けます。

JASS 5 では「施工に先立ち、施工計画書を作成して監理者の承認を受ける」と定めており、この「施工計画書」が実質的に総合施工計画書に相当します。

総合施工計画書に記載する主な内容

工事種別施工計画書とはどんな文書か

工事種別施工計画書は、各工種(コンクリート工事・防水工事・タイル工事等)ごとに詳細な施工計画を記した文書です。JASS 5 では「工事種別施工計画書」として位置づけられており、その工種の着工前に監理者の承認を受けます。

総合施工計画書が「工事全体の方針」であるのに対して、工事種別施工計画書は「その工種で実際に何をどうやるか」を具体的に示す文書です。

工事種別施工計画書に記載する主な内容

例えばコンクリート工事の工事種別施工計画書には「使用する生コンの設計基準強度・スランプ・水セメント比」「打設計画(打設箇所・順序・ポンプ台数)」「養生方法」などを記載します。

基本工程表とはなにか?

基本工程表は、工事全体の着工から竣工までの主要な工程を示したスケジュール表です。総合施工計画書の中に含まれることが多いです。バーチャート工程表をベースに作成します。

基本工程表に記載する主な内容はこちらです。

記載項目内容
主要工種の着手・完了時期仮設・土工事・躯体・仕上げ等の大区分
主要マイルストーン上棟・検査・引き渡し等の重要な節目
全体工期との整合発注者指定の竣工期限に合わせて逆算して組む

基本工程表をもとに各工種の詳細工程(月間工程表・週間工程表)が作成されます。基本工程表は「全体の骨格」であり、詳細工程は「各週・各月の肉付け」というイメージです。

3つの書類の関係はどうなっているか

書類名対象範囲作成タイミング提出先
総合施工計画書工事全体着工前監理者・発注者
工事種別施工計画書各工種当該工種の着工前監理者・元請け
基本工程表工事全体の工程着工前(総合施工計画書に含む)監理者・発注者

要は、「総合施工計画書が親・工事種別施工計画書が子」という上下関係です。基本工程表は総合施工計画書の一部として添付されることが多いです。

管理人からのコメント

総合施工計画書は工事全体の方針・体制を示し、工種別施工計画書は各工種の詳細手順を示します。発注者・監理者から承認を取得する前に施工できないので、提出タイミングを工程に組み込んでください。

計画書の内容変更は監理者への報告・承認が必要です。

適正な工期・施工計画の整備を義務付けた品確法改正(令和元年)の改正ポイントは、国土交通省の資料(下図)に示されています。

品確法改正概要(令和元年)適正な工期・施工計画の整備
出所:国土交通省「品確法改正概要(令和元年)」p.4 適正な工期・施工計画の整備を義務付ける改正ポイント―施工計画書の作成・承認が法的に重要な理由

混同しやすい用語の整理

総合施工計画書 vs 工事種別施工計画書

総合施工計画書は工事全体をカバーするマスタープランです。工事種別施工計画書は各工種(コンクリート・防水等)ごとの詳細計画書です。

どちらも監理者に提出・承認を受けますが、提出タイミングが違います。総合施工計画書は着工前・工事種別施工計画書は各工種の着工前に提出します。

基本工程表 vs 月間工程表 vs 週間工程表

基本工程表は工期全体の骨格(着工?竣工の主要工程)を示します。月間工程表は1か月単位の詳細工程です。

週間工程表は1週間単位のさらに詳細な工程です。大から小の順に「基本→月間→週間」と落とし込んでいきます。

工事種別施工計画書(コンクリート工事)に記載するべき設計基準強度・スランプの規定は、公共建築工事標準仕様書(令和4年版)の表4.5.1(下図)に示されています。

公共建築工事標準仕様書(令和4年版)コンクリートの種別表(設計基準強度・スランプ)
出所:国土交通省「公共建築工事標準仕様書(令和4年版)」表4.5.1 工事種別施工計画書(コンクリート工事)にはこの表をもとに設計基準強度・スランプを記載する

一問一答

Q.

総合施工計画書と工事種別施工計画書の提出タイミングの違いは?

総合施工計画書は着工前に提出。工事種別施工計画書は各工種の着工前に提出。

どちらも監理者の承認を受けてから施工に入る。

Q.

基本工程表はどの書類に含まれることが多いか?

総合施工計画書に添付されることが多い。工事全体の着工?竣工の主要工程(マイルストーン)を示す骨格的なスケジュール表。

Q.

工事種別施工計画書に記載する内容の例は?(コンクリート工事の場合)

設計基準強度・スランプ・水セメント比などの配合条件、打設計画(箇所・順序・ポンプ台数)、養生方法、品質管理基準(受け入れ検査の管理値・頻度)など。

まとめ

施工計画書と施工要領書の違いを確認する

ネットワーク工程表の見方と管理ポイントを確認する

施工管理の基本は施工管理にまとめています。

参考法令・規格

  • 建設業法 第26条(技術者の設置)
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)施工計画章
けんせつる

このサイトの管理人

けんせつる

建築業界の実務経験をもとに、建築施工管理の用語・施工手順・混同しやすい違いを整理しています。

Topへ >>