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けんせつる
鉄筋が錆びてコンクリートが欠けた所を直す断面修復工法って、ひび割れの補修とは何が違うの?
この記事の要点
断面修復工法とは、中性化や塩害で錆びた鉄筋がコンクリートを押し割って欠けた部分(爆裂・欠損部)を、傷んだコンクリートをはつり取ってから断面修復材で元の断面に戻す改修工法です。
線状のひび割れ補修(樹脂注入・Uカット)とは別物で、面・塊で欠けた部分が対象です。
施工管理でははつる範囲・鉄筋の防錆処理・欠損深さに応じた工法選定が主な確認ポイントになります。
鉄筋コンクリートは、コンクリートのアルカリ性が鉄筋の表面に不動態被膜をつくり、錆びから守っています。
ところがかぶり部分が中性化したり、塩分が浸入したりすると、この被膜が壊れて鉄筋が錆び始めます。
鉄筋は錆びると体積がふくらみ、まわりのコンクリートを内側から押し割ります。これが「爆裂」で、かぶりが浮いて剥がれ落ちた部分を直すのが断面修復工法です。
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断面修復工法とは、劣化して欠けたコンクリートの断面を、断面修復材で元どおりに復旧する工法です。
対象は、中性化・塩害・凍害などで鉄筋が腐食し、かぶりコンクリートが浮き・剥落・欠損した部分です。中性化そのものを止める工事ではなく、すでに欠けてしまった断面を建て直す工事だと整理すると分かりやすいです。
使う材料は、収縮が少なくコンクリートとの付着が良いポリマーセメントモルタルが中心で、薄い部分や軽量化したい部分にはエポキシ樹脂モルタルなどを用います。
初心者がいちばん取り違えるのが、断面修復とひび割れ補修の区別です。
違いは「劣化の形」にあります。線状に割れているのがひび割れ、面や塊で欠けて鉄筋が見えているのが欠損・爆裂です。
| 劣化の形 | 代表的な工法 | 考え方 |
|---|---|---|
| 線状のひび割れ | 樹脂注入工法・Uカットシール材充填工法 | すき間に樹脂・シール材を入れてふさぐ |
| 面・塊の欠損・爆裂 | 断面修復工法(ポリマーセメントモルタル充填など) | 欠けた断面を修復材で盛り直す |
欠損部にひび割れ用の注入工法を使っても断面は戻らず、逆に線状のひび割れにポリマーセメントモルタルを充填しても奥まで届きません。劣化の形で工法を選び分けます。
断面修復のなかでも、欠損の深さと修復する面積によって施工方法が分かれます。
親H2の下で、工法の選び方と施工手順をそれぞれ見ていきます。
欠損が浅く、補修箇所が小さく点在している場合は、コテで修復材を塗りつける充填(左官)工法が使われます。建築改修工事監理指針では、欠損深さ30mm程度以下にポリマーセメントモルタル充填工法を用いるのが目安です。
欠損が深い・広い場合は、型枠を当てて修復材を圧入するモルタル注入工法や、機械で吹き付ける吹付け工法を選びます。手で塗れる量・厚さを超えるためです。
断面修復は、傷んだ部分を残さず除去してから盛り直すのが鉄則です。手順は次のとおりです。
はつりが浅くて錆びた鉄筋を残すと、内部でまた錆が進み、修復材ごと再び剥がれます。露出鉄筋の防錆まで終えてから盛るのが要点です。
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欠けていなくても、コンクリートの表層が中性化しているだけのことがあります。
中性化が鉄筋まで達していない(鉄筋が錆びていない)段階なら、はつらずに浸透性アルカリ性付与材を塗布し、コンクリートのアルカリ性を回復させて錆を予防する方法がとられます。
一方、中性化が鉄筋位置まで進んで爆裂しているなら、その断面ははつり取って断面修復に進みます。「削らず回復」か「はつって修復」かは、中性化が鉄筋に届いているかで分かれます。
混同しやすい用語の整理
断面修復工法は、面・塊で欠けた断面をポリマーセメントモルタルなどで盛り直す工法です。ひび割れ補修工法は、線状のすき間に樹脂注入やシール材充填を行う工法です。
劣化の「形」(面の欠損か、線のひび割れか)で選び分けます。欠損にひび割れ工法、ひび割れに断面修復材を当てるのが典型的な誤りです。
断面修復は、はつり取って欠損断面を盛り直す対処です。浸透性アルカリ性付与材は、はつらずに塗ってコンクリートのアルカリ性を回復させ、中性化による錆を予防する材料です。
鉄筋まで中性化・腐食して欠けているなら断面修復、表層だけの中性化なら付与材、という使い分けです。
躯体・欠損部の改修は、平成30年から令和7年まで1級・2級で問われています。引っかけは大きく3パターンで、いずれも損傷の種類・状態と補修材の対応です。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 1級 平成30年 No.49 | 躯体改修の工法選定。欠損深さ30mm以下=ポリマーセメントモルタル充填・露出鉄筋は防錆後に修復・鉄筋位置の中性化は浸透性付与材が正。誤答=幅1.0mm超のひび割れにシール工法(→樹脂注入) ←②③ |
| 2級 令和5年後期 No.42 | 打放し面のひび割れにポリマーセメントモルタル充填工法とした → 線状のひび割れは樹脂注入工法 ←① |
| 2級 令和7年後期 No.27 | 打放し面のひび割れをポリマーセメントモルタル充填工法で改修した → 樹脂注入工法 ←① |
つまりポリマーセメントモルタル充填工法は面・塊の欠損(断面修復)用、線状のひび割れは樹脂注入工法。劣化の形と補修材の対応を取り違えるのが誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。
線状のひび割れにポリマーセメントモルタル充填工法を使ってよいか。
使いません。ポリマーセメントモルタル充填工法は面・塊で欠けた欠損部(断面修復)用です。線状のひび割れは樹脂注入工法などで内部を充填します。
断面修復で、はつって露出した鉄筋にはまず何をするか。
錆をワイヤーブラシなどで除去(ケレン)し、鉄筋防錆材を塗布します。錆を残したまま修復材を盛ると、内部で錆が進んで再び剥落します。
表層だけが中性化し、鉄筋がまだ錆びていない場合の対処は。
はつらずに浸透性アルカリ性付与材を塗布し、コンクリートのアルカリ性を回復させて錆を予防します。鉄筋位置まで進んで欠けている場合は、はつって断面修復に進みます。
> コンクリートのひび割れ補修とは?施工管理での対応方法を確認する
> 外壁改修工事の種類と施工管理を確認する
施工管理の記事は施工管理、コンクリート・鉄筋の記事はRC・鉄骨にまとめています。
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※ この記事の法令確認日:2026年6月
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錆びた鉄筋を残して盛らない
断面修復でいちばん手戻りになるのは、はつりが浅く、錆びた鉄筋を残したまま修復材を盛ってしまうことです。内部で錆が進めば、修復材ごと数年で再び剥落します。
はつり後・鉄筋防錆後は、いったん工程を止めて状態を確認し、写真に残してから次へ進めるのが安全です。隠れてしまう工程ほど、設計図書・仕様書の防錆・下地処理の条件を照合します。