けんせつる
コンクリートのひび割れ補修って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
コンクリートに発生したひび割れは、幅(0.2mm・0.3mm等の基準値)と性状(貫通・非貫通・活きひび割れ・死にひび割れ)によって補修工法を選択します。代表的な補修工法はエポキシ樹脂注入工法とUカット充填工法です。
施工管理では補修前のひび割れ調査・工法選択の妥当性・補修後の確認が主なポイントです。
コンクリートに生じたひび割れを放置するのは問題です。
ひび割れから雨水・炭酸ガスが浸入して鉄筋が腐食し、最終的にコンクリートが剥落します。発見した時点で原因を特定し、適切な補修工法を選択することが大切です。
ひび割れの補修方法を決めるには、まずひび割れの性状を調査します。
| 分類 | 内容 | 補修工法の方向性 |
|---|---|---|
| 活きひび割れ(挙動ひび割れ) | 温度変化や荷重変動で幅が変動するひび割れ | 追従性のある可とう性エポキシや充填工法 |
| 死にひび割れ(固定ひび割れ) | 幅が安定して変動しないひび割れ | エポキシ樹脂注入工法 |
| 貫通ひび割れ | コンクリートを貫通しているひび割れ(裏面まで達している) | 漏水・鉄筋腐食防止の観点で優先補修 |
| 表面ひび割れ | 表面のみのひび割れ(乾燥収縮等が主原因) | 表面塗布工法や充填工法 |
ザックリ言えば、「動くひび割れには動きに追従できる材料、動かないひび割れにはエポキシを注入して固める」ということです。
ひび割れ補修の主な工法は以下の通りです。
例えば、「ひび割れが細いからと表面塗布だけで済ませた」ところ、数年後に同じ箇所が再び割れて漏水が発生したというケースがあります。ひび割れ幅と活き死にの調査をきちんと行って適切な工法を選ぶことが重要です。
ひび割れ補修工法の種類(エポキシ樹脂注入・Uカットシール充填・シール工法)は、公共建築改修工事標準仕様書(下図)の4.1.4に分類されています。
例えば、エポキシ注入後に硬化前に振動を与えると注入したエポキシが流れて充填不良になります。養生中の振動禁止を施工業者に徹底させることも施工管理者の仕事です。
ひび割れ部改修の共通的な施工管理基準は、公共建築改修工事標準仕様書(下図)の4.2.2に定められています。
混同しやすい用語の整理
活きひび割れ(活動ひび割れ・挙動ひび割れ)は温度変化や荷重で幅が変動する動きのあるひび割れ。死にひび割れ(静止ひび割れ)は幅が安定して変動しないひび割れです。
活きひび割れをエポキシで固めると追従できずに再割れします。
エポキシ注入工法はひび割れ内部にエポキシを注入して充填する(内部まで補修できる)。Uカット充填工法はひび割れ面をU字にカットして表面から充填します(表面の挙動に追従できる)。
どちらも目的が違います。
コンクリートのひび割れ補修工法を選択する際に最初に確認すべきことは?
ひび割れが活きひび割れ(幅が変動する)か死にひび割れ(幅が安定している)かを確認する。活きひび割れに硬いエポキシを注入すると再割れするため、性状に合った工法を選ぶ必要がある。
エポキシ樹脂注入工法はどのようなひび割れに適用するのか?
幅0.2mm以上の死にひび割れ(幅が変動しない安定したひび割れ)に適用する。低圧でエポキシを注入してひび割れ内部を充填・固化する。
乾燥収縮によるひび割れはいつ補修するのが適切か?
ひび割れの動きが安定してから(できる限り長期間経過した後)補修する。早期に補修すると、ひび割れが拡大・追加発生して再補修が必要になるため、仕上げ材施工前にひび割れが終息したことを確認してから行うことが原則。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
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参考資料
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)
・JIS A 5308 レディーミクストコンクリート
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
ひび割れの補修工法は幅・深さ・原因によって変わります。0.2mm以上のひび割れはエポキシ樹脂注入、0.2mm未満はシール材塗布が一般的です。
構造上のひび割れ(貫通・鉄筋に沿ったひび割れ)は設計者への報告が必要です。