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けんせつる
年少者・女性の危険有害業務の就業制限って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
年少者・女性の危険有害業務の就業制限とは、労働基準法が満18歳未満の者と女性を危険・有害な業務から守るため、特定業務への就業を禁止・制限する仕組みのことです。
年少者には第62条・第63条、女性には第64条の2・第64条の3が適用されます。
施工管理者は入場者の年齢・性別を把握し、業務割り当て時に遵守する義務があります。
若い職人さんや女性の入場者が増えている現場では、このルールを知らずに作業を割り当ててしまうリスクがあります。
知らなかったでは済みません。法律上の制限ですから、事前に把握しておきましょう。
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労働基準法では「年少者」を満18歳未満の者として、危険・有害な業務から手厚く保護しています(第62条)。
建設現場に関連する主な制限は次のとおりです。いずれも根拠は年少者労働基準規則第8条です。
| 制限の種類 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 重量物の取り扱い | 断続作業:男15kg以上、女12kg以上(年齢別の細区分あり・第7条) |
| 高所作業 | 高さ5m以上の場所で墜落の危険がある業務(第8条第24号) |
| 足場の組み立て等 | 足場の組み立て・解体・変更作業(第8条第25号) |
| 爆発物の取り扱い | 火薬・爆薬・火工品を取り扱う業務(第8条第28号) |
| 有害物質への接触 | じんあい・粉末が著しく飛散する場所での業務(第8条第34号) |
| 運転業務 | クレーン・巻き上げ機等の運転業務(第8条第3号ほか) |
言い換えると、「危険が高い作業は18歳未満には任せてはいけない」ということです。
さらに第63条では、年少者を坑内(トンネル内)で働かせることが全面禁止です。業種・業務内容を問わず、一切認められません。
ここは数値が細かいので、表で整理しましょう。
| 年齢 | 断続作業(kg以上は禁止) | 継続作業(kg以上は禁止) |
|---|---|---|
| 満16歳未満の男 | 15kg | 10kg |
| 満16歳以上18歳未満の男 | 30kg | 20kg |
| 満16歳未満の女 | 12kg | 8kg |
| 満16歳以上18歳未満の女 | 25kg | 15kg |
「断続作業」は断続的に重量物を扱う作業、「継続作業」は継続して扱う作業のことです。
簡単にいうと、16歳を境に制限が緩くなる、と覚えると整理しやすいですね。
年少者・女性の年齢・性別・作業種別ごとの重量物取扱い上限値は、栃木労働局の資料(下図)に示されています。
妊娠中・産後を除く一般女性についても、一部の危険・有害業務への就業が制限されています。ここで気をつけたいのは、根拠条文が2本に分かれていることです。
重量物・有害物質は第64条の3(危険有害業務)、坑内業務は第64条の2(坑内業務)が根拠です。
| 制限の種類 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 重量物の取り扱い | 断続作業30kg以上・継続作業20kg以上は禁止 | 第64条の3 |
| 有害物質への接触 | 鉛・水銀・クロム等の有害物を発散する場所での業務 | 第64条の3 |
| 坑内業務 | 人力掘削・発破・鉱物搬出など特定の坑内業務 | 第64条の2 |
女性の坑内業務は「業務限定」です。年少者の「全面禁止」とは違います。
ここは混同しやすいところです。坑内の根拠が第64条の3ではなく第64条の2である点も、合わせて押さえておきましょう。
また、妊産婦(妊娠中および産後1年以内)には、さらに広い業務制限と時間外労働の免除請求権があります。
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新規入場者教育の時点で確認するのが基本です。年齢・性別・妊娠の有無を把握して、制限対象業務への配置を事前に排除します。
高所作業・重量物・足場作業を割り当てる前に、「この人は制限に該当しないか」と一度立ち止まる習慣をつけましょう。
下請業者にもこのルールを周知します。元請が知っていても、下請が知らなければ違反は起きます。
満18歳未満の入場者がいる場合は、年齢を証明する戸籍証明書(実務では住民票記載事項証明書で代える例が多い)を事業場に備え置く義務があります(第57条)。
年少者の危険有害業務(第62条)・女性の危険有害業務(第64条の3)への違反は、事業者(使用者)に6ヶ月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科せられます(労働基準法第119条)。
ここで見落としやすいのが坑内労働です。坑内労働の禁止(年少者は第63条、女性は第64条の2)に違反すると、罰則は一段重い「1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」(第118条)になります。
なぜかというと、坑内は危険性が特に高く、立法上も別格の扱いになっているからです。
下請業者が違反した場合でも、元請業者が統括管理義務違反として責任を問われることがあります。
平たくいえば、「知らなかった」は通らない、ということです。
年少者・妊娠中の女性の就業制限は、令和5〜7年度の1級・2級で問われています。引っかけは大きく3つのパターンです。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 2級 令和5年前期 No.47 | 満17才の禁止業務を選ぶ問題。正は動力の土木建築用機械の運転。電気ホイスト・荷物用エレベーターの運転は対象外(紛らわしい誤答肢) ←①機械の線引き |
| 2級 令和7年前期 No.47 | 正はバックホウ(動力の土木建築用機械)の運転。直径20cmの丸のこ盤は対象外(25cm以上が制限) ←①②線引き+数値 |
| 1級 令和6年 No.67 | 妊娠中の女性の足場作業を一律禁止とした → 地上・床上の補助作業には就ける(禁止は高所の危険作業)。満18才未満の深夜業は原則禁止 ←③一律禁止/部分制限 |
同じ年少者でも、動力で駆動する土木建築用機械の運転(バックホウ等)だけが禁止で、電気ホイストやエレベーターの運転は対象外です。似た機械の線引きと、丸のこ25cm・重量物の数値の境目で取り違えさせるのが定番です。
年少者(18歳未満)の就業制限・坑内労働全面禁止・深夜業制限の概要は、同資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
年少者は労働基準法上の概念で満18歳未満を指します。
未成年者は民法上の概念で、成人年齢引き下げ後も同じく満18歳未満です。ただし適用される法律と目的が違います。
年少者は労働保護、未成年者は契約能力の話です。
妊産婦(妊娠中および産後1年以内)はより広い業務制限と請求権が認められています。
一般女性への制限は重量物・一部有害物質・特定坑内業務に限られます。「女性だから全部制限」と思い込まないことが大切です。
労働基準法で「年少者」と定義されるのは何歳未満か?
満18歳未満の者(労働基準法第62条)。
年少者の坑内労働は、どのような業務であれば許可されるか?
許可される業務はない。年少者の坑内労働は業種・業務を問わず全面禁止(第63条)。
満16歳以上18歳未満の男性が断続作業で取り扱える重量物の上限は何kgか?
30kg未満(断続作業で30kg以上は禁止)。
女性(一般女性)の断続作業における重量物の上限は何kgか?
30kg未満(断続作業30kg以上・継続作業20kg以上が禁止)。
満18歳未満の労働者を高所作業に従事させる場合、何m以上で就業制限の対象となるか?
高さ5m以上の場所で墜落の危険がある業務(年少者労働基準規則第8条第24号)。
満18歳未満の労働者の年齢確認のため、事業者が備え置くべき書類は何か?
戸籍証明書または住民票記載事項証明書(労働基準法第57条)。
年少者(満18歳未満)は高所作業・足場組み立て・重量物・クレーン運転等が就業制限の対象です。
坑内労働は業務を問わず全面禁止です(第63条)。年少者は第63条、女性は第64条の2が根拠になります。
重量物制限の数値は年齢・性別・作業種別(断続・継続)で変わります。表で整理して正確に把握します。
女性(一般女性)には重量物・一部有害物質・特定坑内業務の制限があります(第64条の3)。
新規入場時に年齢・性別を確認し、仕組みで防ぐことが施工管理者の役割です。
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参考資料
・労働基準法(昭和22年法律第49号)
・年少者労働基準規則(昭和29年労働省令第13号)
・女性労働基準規則(昭和61年労働省令第3号)
・厚生労働省 女性労働者の母性健康管理
※ この記事の法令確認日:2026年6月
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まちがえやすいポイント
坑内労働の扱いが年少者と女性で違う点が、試験でも現場でも引っかかりやすいところです。
年少者の坑内労働は業務を問わず全面禁止ですが、女性は人力掘削など一部に限った「業務限定」です。これを取り違える誤答が出やすい。
「女性だから坑内は全部ダメ」と思い込むと、配置の判断を誤ります。条文も坑内は第64条の2、重量物・有害物は第64条の3と分かれています。