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けんせつる
労働災害が発生したときの対応と報告義務って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
労働者死傷病報告とは、労働災害で労働者が死亡・負傷したときに事業者が所轄の労働基準監督署長へ提出する報告のことです。根拠は労働安全衛生法第100条・労働安全衛生規則第97条です。
死亡・3名以上の同時被災は直ちに速報が必要です。
休業4日以上は遅滞なく、休業1~3日は四半期ごとに提出します。
簡単に言えば、「災害が起きたら救護が最優先、そのあとすぐ監督署に電話、書類は後で出す」という流れです。
現場で労働災害が起きたとき、「何から手をつければいいか」が分からなくなる施工管理者は実際に少なくありません。
救護・二次災害防止・現場保存・行政報告、やることが一気に押し寄せてきます。
順番と期限を事前に頭に入れておくだけで、いざというとき動けるかどうかが変わります。
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答えは救護です。119番・救急車の手配が最優先で、報告や書類はその後になります。
次に二次災害を防ぎます。作業を止めて、周囲の安全を確保してください。
そして現場を保存します。調査が終わるまで、事故現場を動かしたり片付けたりしてはいけません。
その上で、元請管理者・発注者・行政への報告を順に行います。
| 順番 | やること |
|---|---|
| ① | 救護・119番 |
| ② | 二次災害の防止・立入禁止 |
| ③ | 現場保存(調査完了まで動かさない) |
| ④ | 元請・発注者への連絡 |
| ⑤ | 労働基準監督署への報告 |
被害の拡大を防ぎ、原因究明のための災害調査を速やかに始める必要があるからです。
死亡災害と、同じ事故で3名以上が同時に被災したケースは「重大災害」として扱われます。
この場合は、直ちに所轄の労働基準監督署へ電話・FAX等で第一報を入れるのが実務上の鉄則です(行政指導・通達に基づく取扱い)。
その後、正式な書類である労働者死傷病報告(様式第23号)を遅滞なく書面で提出します(労働安全衛生規則第97条)。速報と書面提出はセットだと考えましょう。
労働災害の死傷病報告は、休業した日数によって提出期限が変わります。
ここは試験でも現場でも混乱しやすいので、表で整理します。
| 災害の種類 | 提出先 | 期限・様式 |
|---|---|---|
| 死亡・休業4日以上の負傷 | 所轄の労働基準監督署長 | 遅滞なく(様式第23号) |
| 休業1~3日の負傷 | 所轄の労働基準監督署長 | 四半期ごと(様式第24号・1~3月分は4月末日など) |
「遅滞なく」とは、できるだけ早く対応する、という意味です。何日以内という明確な数字はありませんが、速やかに動くことが求められます。
「休業」は、傷病のために就業できなかった日数を指します。負傷当日に帰宅した場合も休業1日とカウントします。
死亡・休業4日以上は遅滞なく、休業1~3日は四半期ごとの提出フローは、熊本労働基準監督署の資料(下図)に示されています。
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重大な労働災害が発生すると、労働基準監督官による災害調査(労働安全衛生法第91条の立入検査)が入ります。この調査が完了するまで、現場の機械・器具・材料・被害状況を変更・損壊・滅失させないのが原則です。
要するに、「片付けない・動かさない・写真を撮る」が基本です。
ただし、被災者の救護のために必要な変更は認められます。また、監督官の許可があれば変更できます。
建設現場では、元請の直接雇用ではなく下請業者の労働者が被災するケースが多くあります。
この場合、死傷病報告の提出義務を負うのは被災した労働者を雇用している下請業者です。
ただし、元請業者は特定元方事業者として安全管理上の責任を問われる可能性があります。
「下請に任せておけばいい」は通りません。元請として統括管理義務を果たしていたかどうかが問われます。
緊急連絡体制を整備しておきます。救急・消防・警察・監督署・元請管理者・発注者の連絡先を現場に掲示してください。
休業日数は正確にカウントします。4日以上か1~3日かで提出期限が変わるので、医師の診断書をもとに把握します。
協議会の議事録と巡視記録を残します。万一のとき、元請の安全管理体制を証明するのはこれらの記録です。またKY活動やヒヤリハットの記録も安全管理の証拠になります。
混同しやすい用語の整理
速報は重大災害発生直後に電話・FAX等で行う簡易な報告です。
死傷病報告は所定の様式(労働者死傷病報告書)を書面で提出する正式な報告です。速報の後に必ず書面提出が必要になります。
死傷病報告の対象は業務上の災害(就業中・業務に起因する災害)です。
通勤災害(通勤途中の事故等)は別扱いで、報告様式も異なります。
死亡災害・3名以上同時被災の場合、行政への速報はどのように行うか?
直ちに所轄の労働基準監督署へ電話・FAX等で第一報を入れ、その後、書面(労働者死傷病報告)を提出する。
休業4日以上の労働災害の死傷病報告はいつまでに誰に提出するのか?
遅滞なく(速やかに)所轄の労働基準監督署長に提出する。
休業1~3日の労働災害の死傷病報告はどのように提出するのか?
四半期ごとにまとめて所轄の労働基準監督署長に提出する(1~3月分は4月末日、4~6月分は7月末日など)。
重大災害発生後、調査が終わるまで事業者が現場を変更・損壊しないようにすることを何と呼ぶか?
現場保存。労働基準監督官の災害調査(安衛法第91条の立入検査)が完了するまで、現場の機械・器具・被害状況を動かさない。
下請業者の労働者が被災した場合、死傷病報告の提出義務があるのは誰か?
被災した労働者を雇用している下請業者(直接の使用者)。
災害発生後に最初に行うべき最優先事項は何か?
負傷者の救護(119番・救急車の手配)。行政報告よりも人命救助が最優先。
災害発生時は救護、二次災害防止、現場保存、行政報告の順で動きます。
死亡・3名以上同時被災は直ちに速報し、遅滞なく死傷病報告書を提出します。
休業4日以上は遅滞なく、休業1~3日は四半期ごとに、所轄の労働基準監督署長へ提出します。
下請業者の労働者が被災した場合の報告義務は当該下請業者ですが、元請の安全管理責任は問われます。
協議会の議事録・巡視記録を日頃から残しておくことが、万一のときに自分を守ることになります。
> 特定元方事業者の義務とは?を確認する
> フルハーネス型安全帯の義務化とは?を確認する
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参考資料
・労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)
・労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)
・厚生労働省 職場のあんぜんサイト
※ この記事の法令確認日:2026年6月
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救護が最優先、現場保存と報告漏れに注意
労働災害が発生したら①救護②報告③保存の順で対応します。休業4日以上の労働災害は、労働者死傷病報告(様式第23号)を労働基準監督署へ遅滞なく提出してください。
慌てて現場を片付けてしまうと災害調査の妨げになり、後の責任問題でも不利になります。「動かさず・片付けず・写真を残す」を徹底するのが一番大事。