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けんせつる
建入れ直しにターンバックルの筋かいを使っちゃダメなの?
ワイヤは使っていいのに、何が違うの?
この記事の要点
建入れ直しは、柱の垂直度や位置を所定の精度に調整する作業です。決まりごとは3つです。
倒壊防止用ワイヤロープは兼用してよい。本設のターンバックル付き筋かいは使ってはいけない。大ブロックでなく小区画で行う。
建方全体の流れは鉄骨建方にまとめています。この記事は建入れ直しに絞ります。
建入れ直しとは、建方の進行に合わせて、柱の垂直度や位置を所定の精度に調整する作業のことです。
建方は人と機械の作業なので、柱にはどうしても傾きや誤差が出ます。そのまま進めると建物全体がゆがむので、途中で直します。
ワイヤロープを張って引き、柱の垂直度を調整するのが基本です。次の図の3つが、そのまま試験の的になります。
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ここが最頻出です。似ているようで、扱いが逆になります。
倒壊防止用ワイヤロープは、建入れ直し用に兼用してよいとされています。架構の倒壊を防ぐために張るワイヤを、そのまま柱を引いて垂直に直すのにも使える、ということです。
一方、本設のターンバックル付き筋かいは、建入れ直しに使ってはいけません。理由は2つの言い方ができます。
だから建入れ直しには、専用のワイヤロープ等を使います。「ターンバックル付き筋かいを用いて建入れ直しを行った」と書いてあれば、それが誤りの肢です。
なお、柱の継手に付けた建入れ直し治具(建入れ及び食違い調整機能のあるもの)を使えば、ワイヤロープを用いずに調整できる場合もあります。
もう1つの頻出が、建入れ直しを行う単位です。
建入れ直しは、建方の進行とともに小区画(小ブロック)に区切って行います。建方が全部終わってからまとめて直そうとしても、誤差が大きくなって調整しきれないためです。
だから「できるだけ大きなブロックにまとめて建入れ直しを行う」「大ブロックにまとめて建入れ直しを行う計画とした」は誤りです。剛性の小さい鉄骨ほど、小さい単位で直します。
この論点は、鉄骨の建方の問題だけでなく、施工計画の問題でも「大ブロックにまとめる計画」の形で出ます(施工計画書)。
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ワイヤロープには、細かい決まりがいくつかあります。過去問で正しい肢として出てきたものを並べます。
建入れ直しの支障になる柱主筋を折り曲げる場合、曲げ角度は鉛直に対して最大30°とする、という数値も出たことがあります(1級 令和7年)。
建入れ直しは鉄骨だけの話ではありません。木造の在来軸組構法でも問われます。そして木造は、鉄骨とねらいどころが違います。
木造で問われるのは作業の順序です。正しい順序は次のとおりです。
| 順 | やること |
|---|---|
| 1 | 建入れ直しを行う(軸組の垂直・水平を調整) |
| 2 | 建入れ直し完了後、接合金物を締め付ける |
| 3 | 本筋かい・火打材を固定・取り付ける |
ポイントは本筋かいや火打材を固定するのは、建入れ直しが終わった後だということです。先に筋かいで固めてしまうと、軸組を動かして直せなくなります。鉄骨で「筋かいで建入れ直しをしない」のと、根は同じ考え方です。
この順序は、平成30年から令和7年まで、2級で繰り返し正しい肢として出ています。
混同しやすい用語の整理
どちらも張って引くものですが、建入れ直しに使えるかどうかが逆です。
倒壊防止用ワイヤロープは仮設の道具なので、建入れ直しに兼用してよいです。
ターンバックル付き筋かいは本設(構造体の一部)なので、建入れ直しに使ってはいけません。動かすと接合部を傷め、初期張力が不均一になります。
どちらも精度に関わりますが、段階が違います。
建入れ直しは、精度を所定の範囲に調整する作業です。
建方精度の検査は、調整した結果が許容差に入っているかを測って確かめることです。柱の倒れの許容差などは管理許容差にまとめています。
建入れ直しは、平成27年度から令和7年度まで、1級・2級でほぼ毎年問われています。過去問の選択肢に建入れ直しが出た問だけでも20問を超えます。引っかけは3つのパターンです。
| 年度・級・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 2級 平成29年 No.77 | ターンバックル付き筋かいを建入れ直しに使用した → 専用ワイヤで行う ←①筋かい |
| 1級 平成27年 No.48 | 剛性の小さい鉄骨を大ブロックにまとめて建入れ直しする計画とした → 小ブロックで行う ←②大ブロック |
| 1級 令和6年 No.42 | できるだけ大きなブロックにまとめて建入れ直しを行う計画とした → 小さな単位で行う ←②大ブロック |
| 1級 令和元年 No.31 | スパンが小さい場合はくさびで押し広げて調整する → 正しい肢(誤りはエレクションピースの仮ボルト) |
| 1級 令和7年 No.52 | 建入れ直しのワイヤは現場接合が終わるまで緊張させたまま/柱主筋の曲げは最大30° → いずれも正しい肢 |
| 2級 平成30年 No.23 | (木造)建入れ直し完了後、接合金物を締め本筋かい・火打材を固定 → 正しい肢(誤りは火打梁の位置)←③順序 |
つまり建入れ直しはワイヤで小区画。ターンバックル筋かいは使わない。木造は建入れ直しの後に金物・筋かい。この3つで、鉄骨も木造も建入れ直しの肢を切れます。各行は該当する過去問解説にリンクしています。
本設のターンバックル付き筋かいを建入れ直しに使ってよいか。
使ってはいけません。構造体の筋かいを動かすと接合部を傷め、初期張力が不均一になって変形の原因になります。建入れ直しには専用のワイヤロープ等を使います。
倒壊防止用ワイヤロープは建入れ直しに使えるか。
使えます。倒壊防止用に張ったワイヤロープは、建入れ直し用に兼用してよいとされています。
建入れ直しは大ブロックにまとめて行ってよいか。
いけません。建方の進行とともに小区画(小ブロック)に区切って行います。まとめて後から直すと誤差が大きくなり、調整しきれません。
木造の在来軸組構法で、本筋かい・火打材を固定するのはいつか。
建入れ直しが完了した後です。建入れ直し完了後に接合金物を締め付け、続いて本筋かい・火打材を固定します。先に筋かいで固めると軸組を動かして直せなくなります。
> 建方全体の流れは鉄骨建方を確認する
> 柱の倒れの許容差は管理許容差を確認する
> 木造の建方は木造軸組工法の建方を確認する
過去問本命1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集
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参考資料
※ この記事の確認日:2026年7月
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