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管理許容差と限界許容差の違い|1級建築施工管理技士(鉄骨建方の精度)

けんせつる

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管理許容差と限界許容差って、どっちも「許容差」だけど何が違うの?過去問でよく見るやつ。

管理許容差も限界許容差も、鉄骨建方などの精度管理で「設計値からのずれをどこまで認めるか」を定めた値です。

管理許容差は工程を安定して保つための日常の目標値、限界許容差はこれを超えたら不合格とする合否の境界値です。

ただし試験で差がつくのは言葉の暗記ではなく、2つのどちらの値か・各部位の数値・どちらに倒して引っかけてくるかです。先に結論を言うと、管理許容差は限界許容差より厳しく(狭く)定めます。

これから受験する人は受験ガイド、教材選びはおすすめ参考書・過去問もどうぞ。

管理許容差と限界許容差の早見表

意味と扱いを並べると、混同しにくくなります。

項目管理許容差限界許容差
意味工程を安定して保つための日常の目標値これを超えたら不合格とする合否の境界値
超えたときの扱い原因を調べて手直し・工程を是正する水準超えたら不合格=補強・やり直しを検討する水準
値の関係限界許容差より厳しい(狭い)管理許容差より緩い(広い)

おおむねの製品・施工の精度がこの値に収まるよう管理するのが管理許容差、これを超えたら直す、さらに超えて限界許容差も外れたら不合格、という二段構えです。

鉄骨建方で押さえる許容差の数値

過去問で数値が問われる代表的な部位です。値とセットで「管理許容差か限界許容差か」を押さえます。

部位許容差区分
柱の倒れ(建入れ)1節の高さの1/1000以下かつ10mm以下管理許容差
建て方用アンカーボルトの位置±5mm管理許容差
ベースモルタル天端の高さ・階高寸法±3mm管理許容差
鉄骨梁の長さ±3mm程度管理許容差
頭付きスタッド溶接後の傾き5°以下限界許容差

アンカーボルトの位置は、応力を負担する構造用では管理許容差±3mm/限界許容差±5mm、建て方時に柱を仮固定する建て方用では管理許容差±5mm/限界許容差±8mmと、用途で値が変わります。詳しくはアンカーボルトの記事で整理しています。

過去問でどう問われたか

1級建築施工管理技士(第一次検定)の品質管理では、許容差の数値とその区分が繰り返し問われています。引っかけは大きく「値を緩めるすり替え」「管理と限界の取り違え」「寸法と性能厚さの混同」の3型です。問題文は公式PDFで確認できます。

年度・No.問われ方/引っかけ
平成28年 No.59柱の倒れの管理許容差を「1/500以下かつ20mm以下」とした記述=誤り(正しくは1/1000かつ10mm以下。限界許容差に近い緩い値へのすり替え)
平成29年 No.59スタッド溶接後の傾きの限界許容差を「10°以下」とした記述=誤り(正しくは5°以下。許容差を倍に緩める)
令和2年 No.59階高±3mm・目地幅±5mmは正。吹付けウレタンの厚さを「±両側で管理」とした記述=誤り(断熱厚さは薄くなる側を認めない=下限のみ)
令和5年 No.47鉄骨梁の長さの許容差を規格値より緩い数値とした記述=誤り(管理値は規格値より厳しく定めるのが原則)

数値は「緩い方に書き換えてあれば誤り」を疑うのが基本です。管理値は規格値より厳しく(狭く)するのが原則で、緩めた瞬間に不適当な記述になります。

引っかけの3つのパターン

まちがえやすいポイント

狙われるのは「値を緩めた数字」と「管理と限界の取り違え」の2か所です。

「柱の倒れの管理許容差が1/500・20mm」「スタッドの傾きの限界許容差が10°」のように緩く書いてあれば誤りです。管理許容差は限界許容差より厳しい、管理値は規格値より厳しい、という大小関係で見れば、数値を全部暗記しなくても正誤を判断できます。

理解度チェック

Q.

管理許容差と限界許容差は、それぞれどのような意味の値か?

答えを見る

管理許容差は工程を安定して保つための日常の目標値、限界許容差はこれを超えたら不合格とする合否の境界値です。管理許容差のほうが厳しく(狭く)定められています。

Q.

鉄骨柱の倒れ(建入れ)の管理許容差は、1節の高さの何分の1以下かつ何mm以下か?

答えを見る

1節の高さの1/1000以下、かつ10mm以下です。「1/500・20mm」は限界許容差に近い緩い値で、管理許容差としては誤りです(平成28年 No.59)。

Q.

頭付きスタッド溶接後の傾きの限界許容差はいくつか?

答えを見る

5°以下です。「10°以下」は倍に緩めた誤りの数値で、平成29年 No.59で問われています。

まとめ

施工管理の基本は施工管理にまとめています。

独学の教材は1級のおすすめ参考書・過去問に、試験のしくみ・勉強法は受験ガイドにまとめています。

出典・参考(一次資料で確認)

  • JASS 6 鉄骨工事(日本建築学会)-鉄骨精度・建方精度の管理許容差・限界許容差
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第7章 鉄骨工事
  • 建設業振興基金「1級建築施工管理技術検定 第一次検定(学科)問題」平成28〜令和5年。出題内容は公式問題に基づく。

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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