けんせつる
建入れ直しで柱主筋を曲げるとき、どの角度まで許されるんだろう?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.52は、鉄骨の建方に関する応用能力問題(5択)です。正解は選択肢2。建入れ直しのために柱主筋を折り曲げる場合の角度は鉛直に対して1/10以下が規定であり、「30°」は過大で不適当です。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.52は、鉄骨の建方に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | ベースモルタルの養生期間は3日間以上。圧縮強度が発現してから建方を始める |
| 2 | ×(誤り) | 柱主筋の折り曲げ角度は鉛直に対して1/10以下が正しく、30°は過大で不適当 |
| 3 | ○(正しい) | 混用接合の仮ボルトはボルト1群に対して1/3以上かつ2本以上締め付ける |
| 4 | ○(正しい) | 梁上フランジのスプライスプレートをあらかじめはね出しておくと建方作業が容易になる |
| 5 | ○(正しい) | 建入れ直しのワイヤロープは各節・各ブロックの現場接合が終わるまで緊張させたままとする |
選択肢2の「曲げ角度は鉛直に対して最大30°とした」という記述が誤りで、正しくは鉛直に対して1/10以下(約5.7°)です。
この問題では、鉄骨建方における各工程の数値規定を正確に押さえているかが問われています。
とくに引っかかりやすいのが選択肢2の「柱主筋の折り曲げ角度」です。
鉄骨造の建方では、アンカーボルトが埋め込まれた基礎コンクリートの上に柱を立てます。このとき、柱脚部から出ている柱主筋が建方や建入れ直しの邪魔になることがあります。
JASS 5では、やむを得ず柱主筋を一時的に折り曲げる場合の角度を鉛直に対して1/10以下と定めています。これは約5.7°という小さな角度です。
30°という角度は鉄筋を大きく折り曲げることになり、鉄筋の材質劣化や塑性変形を招くため、規定には合致しないわけです。
ベースモルタルは、基礎コンクリートの天端に柱脚を据え付ける前に塗る調整モルタルです。
アンカーボルトの位置精度を確保しながら、柱脚底板を水平に設置するためのものです。
建方前に十分な強度が必要なため、養生期間は3日間以上確保することが定められています。養生が不十分なまま建方すると、柱脚を介してモルタルに大きな荷重がかかり、座屈・変形のリスクが生じます。
これが誤りを含む選択肢です。柱主筋を折り曲げる角度として「30°」が示されていますが、これは不適当です。
JASS 5の規定では、建入れ直しのために柱主筋を折り曲げる場合、折り曲げ角度は鉛直に対して1/10以下と定められています。
鉄筋を30°も折り曲げてしまうと、折り曲げ部分で材質が劣化し、設計上の強度を発揮できなくなる危険があります。元の角度に戻したとしても、塑性変形が残るためそのまま使用することはできないんです。
ザックリ言えば、「少し傾けるのはOKだが、30°も曲げるのは完全にアウト」ということです。
混用接合とは、フランジを溶接接合、ウェブを高力ボルト接合とする方法です。
溶接する前に部材を仮止めするために用いる仮ボルトの数量については、JASS 6で定めが設けられています。
ウェブのボルト列が1列のとき、ボルト1群に対して1/3以上かつ2本以上締め付けることが求められています。これは部材が建方中にずれないようにするための最低限の固定本数です。
鉄骨の建方では、梁を吊り上げて柱の接合部に差し込む作業が必要です。
梁の上フランジのスプライスプレートをあらかじめはね出しておくと、建方時に梁を所定の位置に落とし込むだけで位置決めができます。
作業性が大幅に向上するうえ、高所での作業時間が短縮できるため、安全面でも有利な手法です。
建入れ直しとは、建方した鉄骨柱の傾きを修正する作業です。
ワイヤロープを柱に取り付けてターンバックルで引っ張り、柱の鉛直精度を確保します。
このワイヤロープは、各節または各ブロックの現場接合が完全に終わるまで緊張させたまま維持します。接合が完了する前に緊張を解いてしまうと、接合部材の位置がずれる可能性があるためです。
柱主筋の折り曲げ角度は「1/10」という数字で覚えておくと確実です。
30°というのは目に見えてわかるほど大きな傾きです。一方、1/10というのは水平10に対して垂直1の傾き、すなわく約5.7°という非常に小さな角度なんです。
鉄筋は少しだけ傾けるもの → 1/10以下 → 30°はありえないという順番で押さえておくと、試験本番でも判断が速くなります。
鉄骨建方の建入れ直しで柱主筋を折り曲げる場合、折り曲げ角度は鉛直に対してどの程度まで許されるか。
鉛直に対して1/10以下(約5.7°)です。JASS 5の規定によるもので、これを超える折り曲げは鉄筋の材質劣化につながります。
混用接合(フランジ溶接・ウェブ高力ボルト)でウェブのボルト列が1列の場合、仮ボルトは1群に対して何本以上締め付けるか。
1群に対して1/3以上かつ2本以上締め付けます。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢2
建入れ直しのために柱主筋を一時的に折り曲げる場合、JASS 5では折り曲げ角度を鉛直に対して1/10以下(約5.7°)と定めています。「30°」はその規定をはるかに超えており、鉄筋の損傷リスクがあるため不適当です。