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令和6年度(後期)2級建築施工管理技士 No.39を解説、高力ボルト摩擦接合

けんせつる

けんせつる

ボルトの締付けって、外側から中に向かって締めるんだっけ。

この記事の要点

令和6年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.39は、高力ボルト摩擦接合に関する問題です。正解は選択肢1。ボルトの締付けは、継手の中央から周辺へ向かう順序で行うのが原則で、周辺から中央ではないからです。

令和6年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.39は、高力ボルト摩擦接合に関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題は能力問題で、5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢1

ボルトの締付け順序は、ボルト群ごとに継手の中央から周辺へ向かうのが原則なんです。「外側から中へ締める」と勘違いしがちですが、それでは板と板の間に隙間が残ったまま外周だけ固定されてしまうわけです。中央から締めていけば、はさんだ鋼板を内側からしっかり密着させながら外へ逃がせます。順序が逆なのが一番危ない覚え方ですね。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 締付けは中央から周辺へ向かう順序。周辺から中央ではない
2 ○(正しい) 共回りが生じたら、新しいボルトセットに取り替える
3 ○(正しい) フィラープレートは母材の材質によらず400N/mm²級鋼材でよい
4 ○(正しい) 摩擦面の錆は、表面が一様に赤く見える程度がよい
5 ○(正しい) ナット側の座金は、内側面取り部がナットに接する向きで取り付ける

選択肢1は、締付けを「周辺部より中央に向かう」としている点が誤りで、正しくは中央から周辺へ向かう順序で行います。

この問題のポイント

この問題では、高力ボルトをどう締めて、どう管理するかが問われています。

特に押さえたいのが締付けの順序です。高力ボルト摩擦接合は、ボルトで鋼板どうしを強く締めつけ、その摩擦の力で接合する仕組みなんです。

板と板がぴったり密着していないと摩擦が効きません。そのため、はさんだ板の真ん中から締め始めて、内側のすき間を外へ追い出すように周辺へ向かうわけです。

ここは順序が逆だと隙間が残るので、混乱しやすいところですね。

選択肢1

これが誤りを含む選択肢です。「継手の周辺部より中央に向かう順序で行った」とありますが、正しくは中央から周辺へ向かう順序です。

外周から先に締めると、内側に板の浮きやすき間が残ったまま固定されてしまいます。それでは摩擦面が十分に密着しません。

中央から締めれば、内側のすき間を外側へ逃がしながら板を密着させられます。順序が逆なので、選択肢1は不適当ということです。

選択肢2

選択肢2は共回りについての記述です。

共回りとは、ナットを締めるときにボルトもいっしょに回ってしまう現象です。これが起きると正しい締付け力が得られません。

そのため、共回りが生じたボルトセットは再使用せず、新しいものに取り替えます。記述のとおりなので適当ですね。

選択肢3

選択肢3はフィラープレートについての記述です。

フィラープレートは、板厚の差を埋めるためにはさむ調整板です。摩擦の力を伝える主役ではありません。

そのため、母材の材質にかかわらず400N/mm²級の鋼材でよいわけです。記述のとおりなので適当です。

選択肢4

選択肢4は摩擦面の錆についての記述です。

摩擦接合では、適度な錆があるほうが面がザラついて摩擦が効きます。ツルツルのままでは滑りやすいわけです。

表面が一様に赤く見える程度の自然な錆が望ましいので、記述は適当ですね。

選択肢5

選択肢5は座金の向きについての記述です。

座金には内側に面取り(角を落とした部分)があり、その面取り部がナットに接する向きで取り付けます。

向きを間違えると座金が正しく座らず、締付け力が安定しません。記述のとおりなので適当です。

覚え方

締付けの順序は「内側のすき間を外へ追い出す」とイメージすると間違えにくくなります。

はさんだ板の真ん中から締め始めて、浮きを外へ逃がしながら周辺へ向かうわけです。

高力ボルトの締付けは中央から周辺へ、すき間を外へ逃がす順序とセットで覚えると、選択肢1のようなひっかけに引っかからなくなるでしょう。

一問一答

Q.

高力ボルトの締付けは、継手のどこからどこへ向かう順序で行うか。

中央から周辺へ向かう順序で行います。周辺から中央ではありません。

Q.

ナットとボルトが共回りを生じたとき、どう対応するか。

新しいボルトセットに取り替えます。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和6年度(後期)2級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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