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フィラープレートとは?肌すき1mmの基準と両面の摩擦面処理

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けんせつる

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肌すきって、どのくらいから板を入れるの?

フィラープレートって、母材と同じ材質じゃなくていいの?

この記事の要点

フィラープレートは、高力ボルト摩擦接合で板厚の差によってできたすき間(肌すき)を埋める板です。

覚える数字は3つ。肌すき1mm以下なら処理は不要、1mmを超えたらフィラープレートを入れる。材質は母材によらず400N/mm²級でよく、両面とも摩擦面処理をします。

試験ではこの3つが、10年で10問ぶん出ています。しかも毎回「正しい選択肢」として出るので、覚えておくと消去法で効きます。

フィラープレートとは、高力ボルト接合部で板厚の差により生じたすき間(肌すき)を埋めるために差し込む板です。

高力ボルト摩擦接合は、板どうしを強く締め付けて生まれる摩擦で力を伝えます。板が密着していないと、その摩擦が働きません。

そこで、板厚の違う部材をつなぐときは、薄いほうにフィラープレートを添えて厚みを揃えます。

肌すきとフィラープレートの断面模式図。板厚の違う母材をスプライスプレート(添え板)と高力ボルトで接合すると、薄い側の母材と添え板の間にすき間(肌すき)ができる。そのすき間にフィラープレートを挟むと面が揃って板が密着する。
板厚の差でできたすき間(肌すき)に、フィラープレートを挟んで面を揃える。※位置関係をイメージでつかむための模式図。形・寸法・比率は実物どおりではない。

なお、接合部の力の伝わり方そのもの(摩擦接合の理論)は、姉妹サイト「建築学生が学ぶ構造力学」で扱っています。ここでは現場で何を確認するかと、試験でどう問われるかに絞ります。

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肌すきが何mmを超えたら入れるのか

判断の基準は1mmです。

肌すきの量 処置
1mm以下 処理は不要(フィラープレートを入れない)
1mmを超える フィラープレートを入れて肌すきを埋める

1mm以下を放置してよいのは、締め付ければその程度のすき間は詰まるためです。

肌すきの厚みは、所定の厚さの板を差し込んで調べます。1mmの板が入るなら、そこは1mm以上あるということです。

フィラープレートで確認する2つのこと

フィラープレートを入れたら、材質と表面の2点を確認します。ここが試験でも現場でも狙われます。

材質は母材に合わせなくてよい

フィラープレートの材質は、母材の材質にかかわらず400N/mm²級鋼材でよいとされています。

母材が高い強度の鋼材でも、フィラープレートまで同じ材質に揃える必要はありません。フィラープレートは力を負担する部材ではなく、すき間を埋めて板を密着させるための板だからです。

両面とも摩擦面処理をする

フィラープレートは、両面とも摩擦面としての処理が必要です。片面だけでは足りません。

フィラープレートを挟むと、摩擦が働く面が「母材とフィラー」「フィラーとスプライスプレート」の2つに増えます。どちらの面でも摩擦を伝えるので、両面に所定の粗さが要るわけです。

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施工管理での確認ポイント

  • 肌すきの測定:板厚の差がある接合部で、すき間の量を板を差し込んで測る。1mmを超えるかどうかで処置が変わります。
  • フィラープレートの有無:1mmを超える肌すきがあるのにフィラープレートが入っていないと、板が密着せず摩擦が伝わりません。
  • 両面の摩擦面処理:フィラープレートの両面に所定の処理がされているかを確認する。
  • 材質の確認:400N/mm²級であればよい。母材と同じ材質かどうかを求める必要はありません。
  • 孔の位置:ボルト孔がずれていないか確認する。孔ズレの処置を自己判断でしないことは鉄骨継手と同じです。

締付けの順序や本締めの確認は高力ボルトの締付け管理にまとめています。

過去問でどう問われたか

フィラープレートは、平成27年度から令和7年度まで、1級・2級とも繰り返し出ています。特徴的なのは、10問とも「正しい選択肢」として出ていることです。誤りはいつも他の選択肢(締付け順序やダイアフラムの板厚など)にあります。

つまり引っかけ役ではなく、覚えていれば確実に切れる選択肢です。問われ方は次の3つに絞られます。

  • 肌すき1mmの基準……1mm以下ならフィラープレートを用いない/1mmを超えたら入れる。
  • 材質……母材の材質に関わらず400N/mm²級鋼材とする。
  • 両面の摩擦面処理……フィラープレートは両面とも摩擦面処理を行う。
年度・級・No. 問われ方(いずれも正しい選択肢として出題)
1級 令和4年 No.27 肌すきが1mmを超えたためフィラープレートを入れた ←①基準
1級 令和2年 No.30 肌すきが1mmを超えたのでフィラープレートを入れた ←①基準
1級 平成27年 No.49 肌すきが1mm以下の場合はフィラープレートを用いない ←①基準
2級 平成29年前期 No.47 肌すき1mm以下でフィラープレートを用いず/材質は母材に関わらず400N/mm²級 ←①②
2級 令和6年 No.39 フィラープレートの材質は母材に係わらず400N/mm²級鋼材とした ←②材質
2級 令和3年 No.22 フィラープレートは両面とも摩擦面処理を行う ←③両面
2級 令和5年 No.21 フィラープレート両面に摩擦面処理を行った ←③両面
2級 令和6年前期 No.8 厚さの異なる板をボルト接合する際、板厚の差による隙間を少なくするために設ける部材 ←定義
2級 令和4年前期 No.6 板厚の差による隙間を少なくするために設ける部材 ←定義
2級 平成30年前期 No.6 板厚の差によるすき間を少なくするために用いる ←定義

2級の第二次検定でも、令和7年度に「接合部に1mmを超える肌すきがある場合には〔 〕プレートを用いて肌すきを埋める」という穴埋めで出ました。1mm以下は入れない、1mm超で入れる。材質は400N/mm²級、処理は両面。この3つだけ覚えておけば足ります。

理解度チェック

Q.

肌すきが何mmを超えると、フィラープレートを入れるか。

1mmを超えるときです。1mm以下であれば処理は不要で、フィラープレートは入れません。

Q.

フィラープレートの材質は、母材に合わせる必要があるか。

ありません。母材の材質にかかわらず400N/mm²級鋼材でよいとされています。

Q.

フィラープレートの摩擦面処理は、片面と両面のどちらか。

両面です。フィラープレートを挟むと摩擦が働く面が2つになるため、どちらの面にも所定の処理が要ります。

Q.

肌すきの厚みは、どうやって調べるか。

所定の厚さの板を差し込んで確認します。1mmの板が入れば、その肌すきは1mm以上あることになります。

まとめ

  • フィラープレート=高力ボルト接合部の板厚の差でできた肌すきを埋める板。
  • 肌すき1mm以下は処理不要、1mmを超えたらフィラープレートを入れる。
  • 材質は母材によらず400N/mm²級でよい。力を負担する部材ではない。
  • 摩擦面処理は両面。挟むことで摩擦面が2つになるため。

> 継手と添え板は鉄骨継手とスプライスプレートを確認する
> 摩擦面の管理は高力ボルト摩擦接合を確認する
> 締付けの手順は高力ボルトの仮締めと本締めを確認する

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参考資料

  • 日本建築学会「建築工事標準仕様書 JASS 6 鉄骨工事」(肌すき1mm以下は処理不要・1mmを超える場合のフィラー挿入、フィラーの材質・摩擦面の状態)
  • 高力ボルト検査株式会社「Q&A 肌すきに対する対策について」(JASS 6 の規定の解説)
  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級・2級 建築施工管理技術検定 第一次・第二次検定 問題」(肌すき・フィラープレートの出題)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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