けんせつる
M20のトルシア形高力ボルトを選ぶとき、標準の長さって締付け長さに何mm足せばいいんだっけ?
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.28は、高力ボルト接合に関する問題です。正解は選択肢1。JASS 6の規定では、ねじの呼びM20のトルシア形高力ボルトの標準長さは「締付け長さ+35mm」であり、「30mm」は誤りです。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.28は、高力ボルト接合に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | M20トルシア形高力ボルトの標準長さは締付け長さ+35mm(30mmは誤り) |
| 2 | ○(正しい) | M20トルシア形高力ボルトの1次締付けトルク値は100N・m |
| 3 | ○(正しい) | 溶融亜鉛めっき高力ボルト接合の摩擦面はりん酸塩処理でスリップ係数0.4以上 |
| 4 | ○(正しい) | 溶融亜鉛めっき高力ボルトM20の本締め後のナット回転量は120°±30°の範囲 |
選択肢1の「30mmを加えた値」という記述が誤りで、正しくは35mmを加えた値が標準です。
高力ボルト接合の問題では、数値の暗記が避けられないところが多いです。ここで押さえるべきポイントは「M20の標準長さに加算する値が30mmか35mmか」という1点です。
ここは混乱しやすいところですね。JASS 6では、ボルト径ごとに加算値が決まっています。M20の場合は35mm、M22の場合は40mmという具合に、径が大きくなるほど加算値も大きくなる関係になっています。
1次締付けトルク値・ナット回転量・摩擦面のスリップ係数も頻出の数値です。セットで整理しておくと、得点源になる分野なわけです。
トルシア形高力ボルトのボルト長さの選定方法に関する基準です。
JASS 6の規定では、ねじの呼びM20のトルシア形高力ボルトの長さは「締付け長さ+35mm」を標準とします。
「締付け長さ」とは接合する板厚の合計のことです。例えば板厚合計が50mmなら、ボルト長さは50+35=85mmを選ぶということです。「30mmを加えた値」という記述は誤りです。
トルシア形高力ボルトの1次締付けトルク値に関する基準です。
ねじの呼びM20の場合、1次締付けトルク値は100N・mとします。
1次締めはボルトセット全体を均一にフィットさせるための工程です。本締めの前に行い、プレートの密着を確保するわけです。
溶融亜鉛めっき高力ボルト接合における摩擦面の処理に関する基準です。
通常の高力ボルト接合では摩擦面をブラスト処理で赤錆状態にしてすべり係数を確保しますが、溶融亜鉛めっき高力ボルト接合ではりん酸塩処理を施します。
なぜかというと、亜鉛めっき面にブラスト処理を行うと表面が滑らかになりすぎてしまうためです。りん酸塩処理によってすべり係数値0.4以上を確保することが求められます。
溶融亜鉛めっき高力ボルト接合の締付け完了後の検査方法に関する基準です。
本締め後の検査では、1次締め後の本締めによるナット回転量が120°±30°の範囲にあるものを合格とします。
なんとなくイメージできましたか。ナット回転量の検査は、締付けが適正かどうかを目視で確認できる重要な工程です。120°というのは3分の1回転に相当するので、現場でも確認しやすい基準なんです。
M20のトルシア形高力ボルトの加算値は「35」という数字そのものを覚えるのが確実です。
M20 → 締付け長さ+35mm → 35は「三五(さんご)」で覚えるという語呂で定着させましょう。
M22なら+40mm、M24なら+45mmと、径が2mm上がるごとに加算値が5mm増えるという規則性も理解しておくと、試験会場で思い出せなくなったときの手がかりになります。
ねじの呼びがM20のトルシア形高力ボルトの標準長さは、締付け長さに何mmを加えた値か。
35mmを加えた値が標準です。「30mm」ではなく「35mm」が正しい値です(JASS 6による)。
ねじの呼びがM20のトルシア形高力ボルトの1次締付けトルク値は何N・mか。
100N・mです。1次締めは本締めの前に行い、プレートの密着を確保するための工程です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1
「締付け長さに30mmを加えた値を標準とした」という記述が誤りです。JASS 6(建築工事標準仕様書 鉄骨工事)の規定では、ねじの呼びM20のトルシア形高力ボルトの標準長さは締付け長さ+35mmとされています。「30mm」と「35mm」を取り違えやすいところなんです。