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ビニル床シート張りとは?接着剤の選定・熱溶接の時期と温度の施工管理

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けんせつる

けんせつる

床シートのつなぎ目を溶接するのは、張ってすぐでいいの?

湿気が上がる土間には、どの接着剤を使うの?

この記事の要点

ビニル床シート張りは、長尺のビニル床シートを接着剤で下地に張り、継目を熱溶接して一体化する床仕上げです。

  • 接着剤の選定:防湿層のない土間など湿気を受ける床には、耐湿性のエポキシ・ウレタン樹脂系を使う(ゴム系溶剤形は湿気に弱く不可)。
  • 熱溶接の時期:継目の熱溶接は接着剤が硬化してから(おおむね張付け後12時間以上)行う。早すぎると接着不良になる。
  • 熱風温度:熱溶接の熱風温度は約180〜200℃(高すぎるとシートを焦がす)。

ビニル床シート張りは、下地づくりから熱溶接まで順序が決まっています。まず流れを押さえます。

ビニル床シート張りの工程の流れ。下地清掃から接着剤塗布、張付け、ローラー圧着、養生、熱溶接へと進む
工程の順序をイメージでつかむための模式図。継目の熱溶接は接着剤が硬化(養生)してから行う点が、試験でも実務でも要注意です。

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ビニル床シート張りとは?

ビニル床シートは、塩化ビニル樹脂を主原料とした長尺の床材で、接着剤で下地に張り、継目を熱溶接で一体化します。

継目を溶接して隙間をなくせるため、水や汚れがしみ込みにくく、病院・学校・工場などに広く使われます。張付け前にはシートを24時間以上仮敷きし、巻き癖をとってから施工します。

下地と接着剤の選定

仕上がりと耐久性は、下地の状態と接着剤の選び方で大きく変わります。

接着剤は「水に強いかどうか」で選びます。湿気のある床=耐湿性のエポキシ・ウレタン樹脂系。ゴム系溶剤形は乾いた下地向けで、湿った土間には使いません。

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熱溶接(シーム溶接)の時期と温度

継目の熱溶接は、溶接棒を熱風で溶かしてシートどうしをつなぐ工程です。タイミングと温度が問われます。

過去問でどう問われたか

ビニル床シート張りは、令和3年度から令和7年度まで、1級・2級でくり返し問われています。引っかけは大きく2パターンです。

年度・級・No. 問われ方/引っかけ
1級 令和3年 No.37 防湿層のない土間にゴム系溶剤形接着剤を使うとした → 耐湿性(エポキシ・ウレタン樹脂系)←①接着剤
1級 令和7年 No.37 熱溶接を張付け後4時間以上で行うとした → 接着剤が硬化してから(12時間以上)←②熱溶接の時期
2級 令和7年後期 No.26 熱溶接の熱風温度を250〜300℃とした → 約180〜200℃ ←②温度

つまりビニル床シートは、防湿層のない土間に耐湿性接着剤(エポキシ・ウレタン樹脂系)を使い、継目の熱溶接は接着剤が硬化してから(12時間以上)約180〜200℃で行う。接着剤の選定と熱溶接の時期・温度の取り違えが誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

まちがえやすいポイント

熱溶接は「早く仕上げたい」気持ちから、接着剤の硬化を待たずに始めてしまいがちです。硬化前に溶接するとシートが動いて接着不良になるため、張付け後12時間以上を目安に硬化を待ってから溶接します。

接着剤は、湿気のある土間にゴム系溶剤形を使うとはがれます。「湿気のある床=耐湿性のエポキシ・ウレタン樹脂系」をセットで覚えます。

混同しやすい用語の整理

エポキシ・ウレタン樹脂系 と ゴム系溶剤形接着剤

エポキシ・ウレタン樹脂系は耐水・耐湿性に優れ、防湿層のない土間など湿気を受ける床に使います。ゴム系溶剤形は乾いた下地向けで、湿った床に使うとはがれの原因になります。下地の湿気の有無で使い分けます。

熱溶接工法 と 突付け

熱溶接工法は、継目に溝を切り、溶接棒を熱風(約180〜200℃)で溶かしてシートを一体化する工法で、水がしみ込みにくくなります。突付けは溶接せずに突き合わせる納まりで、継目から水や汚れが入りやすい点が異なります。

理解度チェック

Q.

継目の熱溶接は、いつ行うか。

答えを見る

張付け用の接着剤が硬化してから(おおむね張付け後12時間以上)行います。硬化前に溶接すると接着不良になります。

Q.

熱溶接の熱風温度は何℃程度か。

答えを見る

180〜200℃です。250〜300℃では高すぎてシートを焦がします。

Q.

防湿層のない土間コンクリートの床には、どの接着剤を使うか。

答えを見る

耐湿性のエポキシ樹脂系・ウレタン樹脂系を使います。ゴム系溶剤形は湿気に弱く、はがれの原因になります。

Q.

張付け前にビニル床シートをどう扱うか。

答えを見る

24時間以上仮敷きして巻き癖をとり、下地を乾燥・清掃してから張り付けます。圧着は45kgローラーで行います。

まとめ

内装・仕上げの施工管理は仕上げ・内装にまとめています。

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参考資料

  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編・内装工事)国土交通省
  • JASS 26(内装工事)日本建築学会/床シートメーカー施工要領書

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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