ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 2級建築施工管理技士
  4. 令和5年
  5. > No.28 ビニル床シート張り

令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 No.28を解説、ビニル床シート張り

けんせつる

けんせつる

熱溶接って、接着剤が固まる前にやったほうが早く終わりそうだけど、それでいいのかな。

この記事の要点

令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.28は、ビニル床シート張りに関する問題です。正解は選択肢2。溶接接合のタイミングが早すぎるからです。

令和5年度(後期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.28は、ビニル床シート張りに関する問題です。

問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

正解:選択肢2

熱溶接工法では、張付け用接着剤が硬化してから溶接接合を行うんです。接着剤が固まる前に溶接すると、熱と作業でシートが動いて、継ぎ目が浮いたりずれたりします。早く仕上げたくて先に溶接するのが一番危ない進め方ですね。接着剤の硬化を待ってから、と押さえておきましょう。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 幅木部に張り上げる接着にはニトリルゴム系接着剤を使う
2 ×(誤り) 熱溶接は接着剤が硬化した後に行う。硬化する前ではない
3 ○(正しい) 壁面に張り上げる入隅部には面木を取り付ける
4 ○(正しい) 湿気のおそれのある下地にはエポキシ樹脂系接着剤を使う

選択肢2は、溶接接合を接着剤が硬化する前に行うとした点が誤りで、正しくは硬化した後に行います。

この問題のポイント

この問題では、ビニル床シートの張り方と接着剤の選び方が問われています。

特に熱溶接工法の手順は混乱しやすいところですね。

熱溶接工法は、シート同士の継ぎ目を熱で溶かした溶接棒でつなぐ工法です。まずシートを接着剤で固定し、その後に継ぎ目を溶接します。

このとき接着剤がまだ固まっていないと、溶接の熱や作業でシートが動いてしまうんです。だから接着剤が硬化してから溶接するのが順番になります。

選択肢1

選択肢1は幅木部への張り上げについての記述です。

シートを床から幅木部へ立ち上げて張るときは、はがれにくい接着剤が必要です。ニトリルゴム系接着剤はこうした立ち上げに向いています。

立ち上がり部の保持力が確保できるわけですね。記述のとおりなので適当です。

選択肢2

これが誤りを含む選択肢です。熱溶接工法で「張付け用接着剤が硬化する前に溶接接合を行った」としています。

溶接接合は、接着剤が硬化した後に行うのが正しい順番です。なぜかというと、接着剤が固まる前だと、溶接の熱や押さえる力でシートが動き、継ぎ目がずれるからなんです。

例えば固まる前に溶接すると、継ぎ目が浮いて後から開いてくることがあります。

順番が逆になっている点で、選択肢2は不適当ということです。

選択肢3

選択肢3は入隅部の面木についての記述です。

シートを壁面に張り上げるとき、床と壁が直角に出会う入隅は、シートが折れて切れやすい場所です。

そこに面木を取り付けて角をゆるやかにすると、シートが無理なく曲がります。記述のとおりなので適当です。

選択肢4

選択肢4は湿気のある下地への接着剤についての記述です。

湿気のおそれがある下地では、水に弱い接着剤だとはがれてしまいます。

そこで耐水性の高いエポキシ樹脂系接着剤を使います。記述のとおりなので適当です。

覚え方

熱溶接工法は、「先に接着、固まってから溶接」という順番で覚えると整理できます。

接着剤が固まる前に溶接すると、シートが動いて継ぎ目が乱れる、と押さえておきましょう。

熱溶接は接着剤が硬化した後、固まる前に溶接しないとセットで覚えると、選択肢2のような順番の入れ替えに気づけるでしょう。

一問一答

Q.

熱溶接工法の溶接接合は、接着剤が硬化する前と後のどちらで行うか。

硬化した後です。前に行うと熱や作業でシートが動いて継ぎ目がずれます。

Q.

湿気のおそれのある下地への張付けには、どの接着剤を使うか。

エポキシ樹脂系接着剤です。耐水性が高くはがれにくいためです。

令和5年 2級建築施工管理技士 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和5年度(後期)2級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

▼令和5年 2級建築施工管理技士▼

▼他の年度▼

▼他の試験▼

▼カテゴリ一覧▼

Topへ >>