けんせつる
土間コンクリートって、どうして湿気が多いんでしょうか。
この記事の要点
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.37は、ビニル床シート張りに関する問題です。正解は選択肢3。
令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.37は、ビニル床シート張りに関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 気泡を押し出した後に45kgローラーで圧着するのは正しい施工手順 |
| 2 | ○(正しい) | 熱溶接は張り付け後4時間以上経過させてから行うのが正しい |
| 3 | ×(誤り) | 防湿層のない土間コンクリートにはウレタン系(湿気硬化型)が正しく、エポキシ樹脂系は不適当 |
| 4 | ○(正しい) | 幅木天端をシリコーン系シーリング材で処理するのは水回りの正しい納まり |
選択肢3の「エポキシ樹脂系の接着剤を使用した」という記述が誤りで、正しくはウレタン系接着剤(湿気硬化型)を使用します。
ビニル床シートを張り付けるとき、シートの下に気泡が残ると浮きや剥がれの原因になります。
気泡を端から中心部へ丁寧に押し出した後、45kgローラーで全面を圧着します。ローラーの重量が接着面に均一な圧力をかけ、十分な接着力を確保するわけです。
この手順はJASS 26(内装工事)でも定められている正しい施工方法です。
熱溶接工法では、床シートの継ぎ目をU字状またはV字状に溝を掘り、溶接棒を熱で溶かし込んで接合します。
ここは混乱しやすいところですね。熱溶接は床シートを張り付けてすぐに行えません。接着剤が完全に硬化する前に溝切りや熱処理を加えると、シートが変形したり接着が乱れたりする可能性があります。
張り付け後4時間以上経過させ、接着剤が十分に硬化してから熱溶接を行うのが正しい手順です。この記述は適当です。
これが誤りを含む選択肢です。土間コンクリートは直接地盤の上に打設されます。
防湿層(防湿シートなど)がない場合、地盤中の水分がコンクリートを通じて上がってきます。これを湿気の上昇(毛細管現象による水分移動)といいます。
エポキシ樹脂系接着剤は2液を混合して硬化させるタイプです。湿潤環境では硬化反応が阻害され、接着力が大きく低下するため、防湿層のない土間コンクリートには不適なんです。
一方、ウレタン系接着剤(湿気硬化型)は空気中や下地の湿気を利用して硬化する仕組みです。湿気がある環境でも安定した接着力を発揮できるため、この条件に適しているわけです。「エポキシ樹脂系の接着剤を使用した」という記述は誤りで、正しくはウレタン系接着剤(湿気硬化型)を使用します。
ザックリ言えば、エポキシは「乾いた下地向け」、湿気硬化型ウレタンは「湿気のある下地向け」という使い分けになります。
けんせつるのひとこと
「防湿層なし」という条件を見落として接着剤を選ぶのが、現場でよく起きる失敗です。土間床の床仕上げでは必ず「防湿層あり・なし」を確認することが大切です。
水回りの床シートを立ち上げて幅木とするとき、幅木天端は仕上げ面と壁面の境界になります。この部分から水が浸入すると下地が傷む原因になります。
そのため、幅木天端をシリコーン系シーリング材で処理して止水するのは正しい納まりです。シリコーン系は耐水性に優れており、水回りの止水処理に適しています。
接着剤の選択は「下地の状態」と「接着剤の硬化機構」を組み合わせて整理するとわかりやすくなります。
湿潤下地(防湿層なし)→ 湿気硬化型ウレタン、乾燥下地 → エポキシ樹脂系という対応を押さえておきましょう。
「防湿層なし」というキーワードが問題に出てきたら、ウレタン系接着剤を選ぶのが正解です。エポキシを選びたくなるかもしれませんが、それが引っかかりポイントなんです。
防湿層のない土間コンクリートへのビニル床シート張りに適した接着剤は何か。
ウレタン系接着剤(湿気硬化型)です。地盤からの湿気が上がる環境でも安定した接着力を発揮します。エポキシ樹脂系は湿潤環境で接着力が低下するため不適当です。
ビニル床シートの熱溶接工法において、張り付け後に溶接作業を開始するまでの最低待機時間はどのくらいか。
4時間以上です。接着剤が十分に硬化してから溶接作業を行う必要があります。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢3
防湿層のない土間コンクリートは地盤から湿気が上がってきます。湿気に弱いエポキシ樹脂系接着剤では接着力が低下するため不適当です。この条件ではウレタン系接着剤(湿気硬化型)を使用するのが正しいわけです。