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せっこうボードの継目処理とは?テーパエッジとベベルエッジで塗り広げ幅が違う

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けんせつる

けんせつる

目地処理の上塗りが200〜250mmって、なんでそんなに広げるの?

グラスメッシュだと下塗りを省ける、って何のこと?

この記事の要点

継目処理はボードのへりの形で決まります。テーパエッジの上塗りは幅200〜250mm程度、ベベルエッジは500〜600mm程度です。

グラスメッシュテープを使う場合は、ジョイントコンパウンドの下塗りを省略できます。ここが繰り返し出ます。

ボードの種類・留付けは石膏ボード、直張り工法はGL工法にまとめています。

せっこうボードの継目処理とは、隣り合うボードの継目を、ジョイントテープとジョイントコンパウンドで埋めて平滑に仕上げる工程のことです。

ボードを張っただけでは、継目に細い線が残ります。そのままクロス塗装で仕上げると、継目が透けたりひび割れたりします。

そこで、継目を埋めて目地のない平滑な下地面をつくります。これが継目処理です。

手順は下塗り(テープ張り)→ 中塗り → 上塗りの3工程で、塗り広げる幅が工程ごとに広がっていきます。

せっこうボードの継目の断面模式図。テーパエッジはへりがなだらかに薄く浅く広い溝になるため塗り広げ幅が狭く、ベベルエッジはへりが面取りされ細く深いV溝になるため塗り広げ幅が広くなることを示す。
テーパエッジはへりがなだらかに薄く、浅く広い溝ができる。ベベルエッジは面取りされた細く深いV溝になるため、段差を隠すのに広く塗り広げる必要がある。※関係をつかむための模式図で、実際の断面形状・比率を描いたものではない。
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テーパエッジの3工程

テーパエッジは、ボードのへりがなだらかに薄くなっているものです。2枚を突き合わせると、浅く広い溝ができます。

工程 やること
下塗り
(テープ張り)
継目部分の溝(テーパエッジ部分)にジョイントコンパウンドをむらなく塗り付け、直ちにジョイントテープを張る。テープの端や小穴からはみ出た余分はしごき押さえる。
中塗り 下塗りが乾燥した後、ジョイントテープが完全に覆われ、ボード面と平らになるように、幅150mm程度に薄く塗り広げる。
上塗り 中塗りの乾燥を確認後、むらを直すように薄く塗り、幅200〜250mm程度に塗り広げて平滑にする。乾燥後、軽く研磨紙ずりをしてさらに平滑に仕上げる。

幅が150mm → 200〜250mmと広がるのは、段差を目立たなくするためです。狭い範囲で厚く盛ると、そこだけ盛り上がって影が出ます。薄く広く延ばして、まわりのボード面へなじませます。

この上塗り200〜250mm程度が、1級で3回そのまま正しい肢として出ています。

ベベルエッジは幅が倍以上になる

ベベルエッジは、へりが面取りされているものです。突き合わせると細く深いV溝になります。

工程はテーパエッジと同じ3つですが、塗り広げる幅が変わります

継目の種類 中塗りの幅 上塗りの幅
テーパエッジ 150mm程度 200〜250mm程度
ベベルエッジ 400〜500mm程度 500〜600mm程度
切断面どうし(突付け) 400〜500mm程度 500〜600mm程度

ベベルエッジの下塗りは、V溝にジョイントコンパウンドを埋め込みながら周辺を平らに仕上げます。テープ張りはテーパエッジに準じます。

切断面どうしの継目は、切断面のボード用原紙表面を軽く面取りしてから突付けとし、あとはテーパエッジに準じます。ボードを切ったところは、へりの形が工場のままではないためです。

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グラスメッシュテープなら下塗りを省略できる

これも繰り返し出ます。

標準仕様書は、テーパエッジの継目処理について「グラスメッシュテープを使用する場合は、ジョイントコンパウンドによる下塗りを省略することができる」と定めています。

ふつうのジョイントテープは紙製で、コンパウンドを塗った上に張って密着させます。だから下塗りが接着の役目を兼ねています。

グラスメッシュテープは網目状で、それ自体が粘着して下地に留まります。下塗りなしでも直接張れるので、省略が認められています。

ベベルエッジの場合は、グラスメッシュテープの中心に目地部分がくるように合わせて圧着し、その上からジョイントコンパウンドを塗って平らに仕上げます。

入隅部・出隅部とその他の処理

  • 入隅部……ジョイントテープ等を2つに折ってL形にコーナーに当て、下塗り・中塗りに準じて行う。
  • 出隅部……コーナー保護金物等を使用する。ぶつかって欠けやすい角を金物で守ります。
  • ねじ頭のくぼみ……留め付けた釘や小ねじ等の頭のくぼみは、ジョイントコンパウンドをボード面と平らになるように塗り付けて平滑に仕上げる。
  • 四周部・設備器具との取合い部……隙間には適切な充填材を充填する。

ねじ頭の処理は、留付けの話とつながっています。ねじ頭がボード面と同面だと、あとからパテで埋められません。紙を破らない程度に少しめり込ませるのはこのためです(石膏ボード)。

施工管理で何を確認するか

  • 材料の規格:ジョイントコンパウンドはJIS A 6914(せっこうボード用目地処理材)によります。継目処理に用いるテープ・付属金物は、せっこうボードの製造所の指定する製品とします。
  • 乾燥を待ったか:中塗りは下塗りが乾燥した後、上塗りは中塗りの乾燥を確認後です。乾く前に重ねると、ひび割れ・段差が残ります。
  • 継目の位置:壁のボード類で仕上げ面の場合は縦張りとし、原則として水平方向には継目を設けません。
  • 気温:接着剤を用いる場合、施工中・施工後に気温が5℃以下になると予想されるときは施工しません(採暖等の養生を行う場合を除く)。
  • 出隅の金物:コーナー保護金物が入っているか。仕上げてからでは直せません。

混同しやすい用語の整理

テーパエッジ と ベベルエッジ

どちらもボードのへりの形ですが、できる溝が違うので塗り広げ幅が変わります。

テーパエッジはへりがなだらかに薄く、浅く広い溝ができます。上塗りは幅200〜250mm程度です。

ベベルエッジはへりが面取りされ、細く深いV溝になります。上塗りは幅500〜600mm程度と倍以上です。

ジョイントテープ と グラスメッシュテープ

どちらも継目に張るテープですが、下塗りの要否が違います。

ジョイントテープは、ジョイントコンパウンドを塗った上に直ちに張ります。下塗りが接着を兼ねます。

グラスメッシュテープを使う場合は、ジョイントコンパウンドによる下塗りを省略できます

過去問でどう問われたか

壁のせっこうボード張りは、平成27年度から令和4年度まで、1級・2級で繰り返し問われています。継目処理に関する引っかけは2つのパターンです。

  • 上塗りの幅をそのまま出す……「テーパエッジボードの突付けジョイント部の目地処理における上塗りは、ジョイントコンパウンドを幅200〜250mm程度に塗り広げて平滑にした」は正しい肢。3回とも正しいので、覚えておけば消去法で切れます。
  • グラスメッシュの下塗り省略……「グラスメッシュのジョイントテープを用いる場合は、ジョイントコンパウンドの下塗りを省略できる」も正しい肢。省略できないと覚えていると外します。
年度・級・No. 継目処理はどう出たか
1級 令和4年 No.38 上塗りを幅200〜250mm程度に塗り広げた → 正しい肢(誤りは直張りの接着材の間隔)←①
1級 令和2年 No.43 上塗りを幅200〜250mm程度に塗り広げた → 正しい肢(誤りはねじ位置を端部から5mm) ←①
1級 平成30年 No.43 グラスメッシュのジョイントテープを使うときは下塗りを省略できる → 正しい肢 ←②
1級 平成27年 No.42 上塗りを200〜250mm幅に塗り広げた → 正しい肢 ←①
2級 平成28年 No.63 グラスメッシュのジョイントテープを用いる場合、下塗りを省略できる → 正しい肢 ←②
2級 平成27年 No.93 出隅部にコーナー保護金物を使用した/テーパーエッジで継目処理を行った → どちらも正しい肢

この表のとおり、継目処理は「正しい肢」として出る側です。誤りの肢になるのは直張りの接着材の間隔やねじの位置で、継目処理はそこを消すための足場になります。

つまりテーパエッジの上塗りは200〜250mm程度、グラスメッシュなら下塗り省略可。この2つが出たら正しいと判断して先へ進めます。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

テーパエッジの継目処理で、中塗りと上塗りの塗り広げ幅はそれぞれいくつか。

中塗りが幅150mm程度、上塗りが幅200〜250mm程度です。段差をなじませるため、工程が進むほど広く薄く延ばします。

Q.

グラスメッシュテープを使う場合、省略できる工程は何か。

ジョイントコンパウンドによる下塗りです。紙のジョイントテープは下塗りが接着を兼ねますが、グラスメッシュテープはそれ自体で張れるためです。

Q.

ベベルエッジの上塗りの幅は、テーパエッジと比べてどうか。

広くなります。テーパエッジが200〜250mm程度、ベベルエッジは500〜600mm程度です。細く深いV溝の段差を隠すため、より広く塗り広げます。

Q.

出隅部の継目処理はどうするか。

コーナー保護金物等を使用します。入隅部はジョイントテープ等を2つに折ってL形にコーナーに当てます。

まとめ

  • 継目処理=下塗り(テープ張り)→ 中塗り → 上塗りの3工程。工程が進むほど広く薄く塗り広げる。
  • テーパエッジ:中塗り150mm程度 → 上塗り200〜250mm程度。
  • ベベルエッジ・切断面どうし:中塗り400〜500mm程度 → 上塗り500〜600mm程度。
  • グラスメッシュテープを使う場合は、ジョイントコンパウンドの下塗りを省略できる。
  • 入隅部はテープをL形に、出隅部はコーナー保護金物等。ねじ頭のくぼみもコンパウンドで平滑にする。

> ボードの種類・留付けは石膏ボードを確認する
> 直張り工法はGL工法を確認する
> 継目処理のあとの仕上げはクロス工事を確認する

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参考資料

  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第19章 内装工事 7節「せっこうボード、その他ボード及び合板張り」19.7.3 工法(イ)継目処理工法:テーパエッジは下塗り・テープ張り/中塗り幅150mm程度/上塗り幅200〜250mm程度・乾燥後に研磨紙ずり、ベベルエッジはV溝に埋め込み・中塗り幅400〜500mm程度/上塗り幅500〜600mm程度、切断面どうしは面取りのうえ突付け・中塗り400〜500mm程度/上塗り500〜600mm程度、グラスメッシュテープを使用する場合はジョイントコンパウンドによる下塗りを省略できる、入隅部はジョイントテープ等を2つに折ってL形に・出隅部はコーナー保護金物等を使用、釘や小ねじの頭のくぼみはボード面と平らに塗り付け
  • 同 19.7.2 材料:ジョイントコンパウンドはJIS A 6914(せっこうボード用目地処理材)による/継目処理に用いるテープ及び付属金物はせっこうボードの製造所の指定する製品
  • 同 19.7.3 工法(2)(4):壁のボード類で仕上げ面の場合は縦張りとし原則として水平方向には継目を設けない/接着剤を用いる場合、気温5℃以下になると予想される場合は施工を行わない
  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級・2級 建築施工管理技術検定 第一次検定(学科)試験 問題」(壁のせっこうボード張りの出題)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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