ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 仕上げ・内装
  3. > カーテン工事

カーテン工事とは?カーテンボックスの奥行き・縁加工・ランナーの数

本ページにはプロモーション(アフィリエイト広告)が含まれます。

けんせつる

けんせつる

カーテンって試験に出るの?布の話でしょ?

「ひるかん」とか「袋縫い」とか、聞いたこともないよ。

この記事の要点

カーテン工事は2級で繰り返し出ます。しかも公共建築工事標準仕様書に規定があり、寸法と加工の名前がそのまま問われます。

ねらわれるのは2つ。カーテンボックスの奥行き(ダブル付けを100mmとすると不足)と、レース上端の縁加工(カーテン心地を入れて袋縫い)です。

名前の似たカーテンウォール工事とは全く別の工事です。

カーテン工事とは、カーテンときれ地・カーテンレール・付属金物を取り付ける工事のことです。

公共建築工事標準仕様書では、内装工事ではなく「ユニット及びその他の工事」の章に置かれています(20.2.14 カーテン及びカーテンレール)。現場で取り付けるユニット製品の一つ、という扱いです。

カーテンのシングル・ダブルの別、片引き・引分け等の形式、開閉操作方式は特記によると決められています。設計図書で指定されるものです。

カーテンボックスの断面模式図。シングル付けは箱の中にレールが1本で奥行きが狭く、ダブル付けはレールが2本並び、開けたときのカーテンのたたみ代も納まるため奥行きが広く必要になることを示す。
ダブル付けはレールが2本並び、開けたときのカーテンのたたみ代も箱に納まる必要がある。これが奥行きの差になる。※関係をつかむための模式図で、実際の寸法・形状を描いたものではない。
わかって合格る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

テキスト本命わかって合格(うか)る 1級建築施工管理技士 第一次検定 基本テキスト

TAC出版/図解が多く全体像をつかみやすい定番。カーテンのような細かい分野も、標準仕様書の数値で押さえると迷いません。2級は2級のおすすめ参考書から。

価格・在庫は各販売ページでご確認ください。1級2級の参考書・過去問の比較もどうぞ。

ダブル付けのカーテンボックスが100mmでは足りない理由

この記事の本題です。2級で2回、同じ形で出ています。

ダブル付けとは、レースカーテンと厚地のカーテン(ドレープ)の2枚を吊るため、レールを前後2本並べて取り付ける納まりです。

このとき箱の中に納めるものは、レール2本分の幅だけではありません。カーテンを開けたときのたたみ代(ひだの厚み)も入ります。

奥行きが足りないと、開閉時にレースとドレープが干渉して動きが悪くなります。実務では、2枚吊りのカーテンボックスは150mm以上を見込むのが一般的です(180mm程度あればより余裕があります)。

つまり100mmでは2本掛けに狭すぎます。ここが試験の的です。

カーテンの加工と縁加工

標準仕様書は、カーテン本体の加工も細かく決めています。数値がそのまま問われるところです。

項目 規定
取付け幅・高さ 現場実測により定める
ひだの間隔 120mm程度
カーテン下端 腰のある窓は窓下から200mm程度下げる。腰のない窓等は床に触れない程度
暗幕用カーテンの重なり 両端・上部・召合せは特記による。特記がなければ300mm以上
上端の縁加工 75mm程度カーテン心地を袋縫いとする
両わき・すその縁加工 伏縫いとし、すその折返し寸法は100〜150mm程度
幅継ぎ レースカーテン等は押えミシンをかけないで両耳を遊ばせておく。ドレープ・暗幕用は袋縫い

上端の縁加工が繰り返し出ます。カーテン心地(芯地)を入れて袋縫いです。心地を入れるから上端に張りが出て、ひだの形が保たれ、フックも効きます。

独学で二次検定(施工経験記述)の書き方に不安があるなら、添削が受けられる独学サポート事務局の通信講座で早めにたたき台を用意しておくと安心です。

カーテンレールとランナー

レール側にも規定があります。

  • 規格……カーテンレールはJIS A 4802(カーテンレール(金属製))による。特記がなければ、強さによる区分は10−90、材料はアルミニウム又はアルミニウム合金の押出し成型材、仕上げはアルマイト、形状は角形。
  • ランナー……合成樹脂製とする。ただしレールジョイント部がある場合は車式のランナーを用いる。
  • ランナーの数……カーテンが別途工事の場合、1m当たり8個のランナーを取り付ける。
  • フック(ひるかん)……ステンレス製とする。
  • 中間吊りレール……中空に吊り下げるレールは中間吊りレールとし、吊り位置は間隔1m程度及び曲がり箇所とする。必要に応じて振れ止めを設ける。
  • 引分けカーテン……両引きひもによる引分けの場合は交差ランナーを使用する。暗幕カーテンはレール交差仕様とし、交差部の長さは300mm以上

ランナーの数は、ひだの間隔と結びつけると納得できます。ひだの間隔が120mm程度なら、1mあたりのひだは8つ前後です。ランナー1m当たり8個は、この間隔に対応しています

施工管理で何を確認するか

  • 形式が特記どおりか:シングルかダブルか、片引きか引分けか、開閉操作方式は特記で決まります。設計図書と照合します。
  • カーテンボックスの奥行き:ダブル付けなのに奥行きが足りないと、後から直せません。下地を組む前の段階で図面を確認します。
  • 防炎性能の表示:きれ地は消防法で定める防炎性能の表示があるものとします。受入時に表示を確認します。
  • 色見本の提出:きれ地の色見本を監督職員に提出します。
  • 寸法は現場実測:取付け幅・高さは図面値ではなく現場実測で定めます。

混同しやすい用語の整理

カーテン工事 と カーテンウォール工事

名前は似ていますが、まったく別の工事です。

カーテン工事は、窓に吊る布のカーテンの工事です。標準仕様書では「ユニット及びその他の工事」に入ります。

カーテンウォール工事は、建物の外壁の工事です。荷重を負担しない(非耐力の)壁を、幕のように建物の外側に張る構法で、標準仕様書でも独立した章になっています。カーテンウォール工事にまとめました。

袋縫い と 伏縫い

どちらもカーテンの縁加工ですが、使う場所が違います。

袋縫い上端です。幅75mm程度のカーテン心地を入れて袋状に縫います。

伏縫い両わきとすそです。すその折返し寸法は100〜150mm程度とします。

過去問でどう問われたか

カーテン工事は、平成27年度から令和6年度まで、2級の第一次検定で4回問われています。引っかけは2つのパターンです。

  • 寸法・個数を小さくする……ダブル付けのカーテンボックスの奥行きを100mmとする(2回)、ランナーの数を1m当たり4個とする。足りない値に置き換えるやり方です。
  • 縁加工のすり替え……レース上端を「カーテン心地を入れないで袋縫い」とする。正しくは心地を入れて袋縫いです。
年度・級・No. 問われ方/引っかけ
2級 令和6年後期 No.41 ランナーの数を1m当たり4個とした → 少なすぎる(ひだの間隔120mm程度に対応する個数が要る) ←①寸法
2級 令和3年前期 No.28 レース上端の縁加工を「カーテン心地を入れないで袋縫い」とした → 心地を入れて袋縫い ←②縁加工
2級 平成30年後期 No.32 ダブル付けのカーテンボックスの奥行きを100mmとした → 2本掛けには不足 ←①寸法
2級 平成27年 No.94 ダブル付けのカーテンボックスの奥行きを100mmとした → 平成30年と同一の引っかけ ←①寸法

逆に、4回とも正しい肢として出ているのが「レースカーテンのカーテンボックスは、窓幅に対して片側各々150mm長くした」です。これは覚えておくと消去法で切れます。

上端の折返し長さをフック(ひるかん)の長さにより定めること、引分け式遮光用カーテンの中央召合せを300mmとすることも、正しい肢として繰り返し出ています。

つまりダブル付けの奥行き100mmと、レース上端の「心地を入れない袋縫い」。この2つが出たら誤りです。各行は該当する過去問解説にリンクしています。

理解度チェック

Q.

ダブル付けのカーテンボックスの奥行きを100mmとするのは適切か。

不適切です。レールが2本並ぶうえ、開けたときのカーテンのたたみ代も箱に納める必要があります。100mmでは開閉時にレースとドレープが干渉します。2枚吊りでは150mm以上を見込むのが一般的です。

Q.

レースカーテンの上端の縁加工はどうするか。

幅75mm程度のカーテン心地を入れて袋縫いとします。心地を入れないと上端がよれ、ひだの形が崩れます。「心地を入れないで袋縫い」は誤りです。

Q.

カーテンの両わき・すその縁加工は何か。すその折返し寸法は。

伏縫いです。すその折返し寸法は100〜150mm程度とします。上端の袋縫いと使い分けます。

Q.

中空に吊り下げるカーテンレールの吊り位置は、どの間隔で設けるか。

間隔1m程度、および曲がり箇所に設けます。必要に応じて振れ止めを設けます。

まとめ

  • カーテン工事は標準仕様書の「ユニット及びその他の工事」(20.2.14)にある。形式は特記による。
  • ダブル付けのカーテンボックスは、レール2本+たたみ代が入るため100mmでは不足。2枚吊りは150mm以上が一般的。
  • 上端=幅75mm程度のカーテン心地を入れて袋縫い。両わき・すそ=伏縫い(すその折返し100〜150mm程度)。
  • ひだの間隔は120mm程度。ランナーは合成樹脂製で、カーテンが別途工事の場合は1m当たり8個。
  • フック(ひるかん)はステンレス製。中間吊りレールの吊り位置は1m程度+曲がり箇所。

> 名前の似た外壁の工事はカーテンウォール工事を確認する
> 内装工事の全体像は内装工事を確認する
> 建具まわりは建具工事を確認する

1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

過去問本命1級建築施工管理 第一次検定 問題解説集

地域開発研究所/細かい分野ほど過去問で問われ方を確かめると効率的です。2級は2級のおすすめ参考書から。

独学がきつい・第二次の経験記述に不安があるなら、添削まで付く通信講座も選択肢です。経験記述の添削・独学サポート事務局を見る内容と料金の解説

独学の教材は1級のおすすめ参考書・過去問に、試験のしくみ・勉強法は受験ガイドにまとめています。

参考資料

  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第20章 ユニット及びその他の工事 2節「20.2.14 カーテン及びカーテンレール」(形式は特記/カーテンが別途工事の場合はカーテンレールに1m当たり8個のランナー/きれ地は消防法の防炎性能の表示/カーテンレールはJIS A 4802・特記がなければ強さの区分10−90・アルミニウム合金の押出し成型材・アルマイト・角形/ランナーは合成樹脂製・レールジョイント部は車式/フック(ひるかん)はステンレス製/取付け幅・高さは現場実測/ひだの間隔は120mm程度/カーテン下端は腰のある窓で窓下から200mm程度/暗幕用の重なりは特記がなければ300mm以上/上端は幅75mm程度のカーテン心地を袋縫い/両わき及びすそは伏縫い・すその折返し100〜150mm程度/中間吊りレールの吊り位置は間隔1m程度及び曲がり箇所)
  • JIS A 4802(カーテンレール(金属製))日本産業規格
  • 飾りんぼ「カーテンボックス計画|二重吊りカーテンの奥行き」(二重吊りは150mm〜180mmが一般的・レール2本分とたたみ代・ひだの厚みを考慮)/マルクラ カーテン卸館「カーテンボックス・天井埋め込みレール」(ダブル吊り2倍ヒダは150mm以上・奥行き不足は開閉時にレースとドレープが干渉)
  • 一般財団法人 建設業振興基金「2級 建築施工管理技術検定 第一次検定(学科)試験 問題」(カーテン工事の出題)

資格を取ったら、次はキャリアと年収

施工管理は人手不足で売り手市場です。今の待遇に不満があるなら、建設業界に強い転職エージェントに相談だけでもしておくと、自分の市場価値と選択肢が見えます。

建設業界専門の転職エージェント【RSG建設転職】▶

登録・相談は無料

独学で合格をめざすなら

使うテキスト・過去問で迷ったら、定番をまとめたこちらもどうぞ。

けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

経験記述の添削・通信講座

独学がきつい、第二次の経験記述が不安。そんな人は添削まで付く通信講座も選択肢です。

独学サポート事務局を見る ▶

内容・料金は公式で確認

けんせつる

けんせつる

施工管理の用語・過去問・受験ガイドを、初心者向けにやさしく案内します。

Topへ >>