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カーテンウォール工事の施工管理とは?方立工法・ユニット工法の違いと確認ポイント

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けんせつる

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カーテンウォール工事の施工管理って何?どんな場面で使うの?

この記事の要点

カーテンウォールとは、建物の荷重を負担しない非構造の外壁システムのことです。ガラス・アルミ・スチールなどのパネルを組み合わせて外壁を形成します。

取付工法は方立工法(マリオン工法)ユニット工法の2種類が主で、施工管理ではファスナーの種類・取付精度・層間変位への追従・シーリング処理が確認ポイントになります。

カーテンウォールは高層建築物の外壁に多く使われる工法で、建築施工管理技術検定でも施工管理の問題として出題されます。

ALCパネルECPと同様に「地震時の層間変位への追従」が重要な管理ポイントですが、カーテンウォールはより精度の高い取付管理が必要です。

なお、名前の似た「カーテン工事」は窓に吊る布のカーテンの工事で、まったく別の工事です(カーテン工事)。

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カーテンウォールのイメージ図。建物の躯体(床スラブ・梁)の外側に、荷重を負担しない外装パネルをファスナー(取付金物)で吊り付けた非耐力の外皮であることを示す断面
図:カーテンウォールのイメージ(模式図)。建物の重さを支えない外装パネルを、躯体(床スラブ・梁)の外側にファスナー(取付金物)で吊り付けた非耐力の外皮。地震時の層間変位はファスナーの回転・スライドで吸収する。

方立工法とユニット工法はどう違うか

項目方立工法(マリオン工法)ユニット工法
施工の流れ現場で方立(縦枠)・無目(横枠)を組み立ててからガラスやパネルを取り付ける工場でパネルユニットとして組み立て済みのものを現場で取り付ける
現場作業量多い(現場での組立が必要)少ない(組立済みを吊り上げて固定するだけ)
品質の安定性現場の施工精度に依存する工場生産のため品質が安定しやすい
工期比較的長い短縮しやすい
コスト比較的安い工場製作コストがかかる

言い換えると、「方立工法は現場で組み立てる・ユニット工法は工場で組んで現場で吊り付ける」ということです。高層ビルでは工期短縮・品質安定を優先してユニット工法が多く採用されます。

外観の構成方式(マリオン・スパンドレル・グリッド・パネル)

前項の方立工法・ユニット工法が「施工のしかた」による分け方なのに対し、メタルカーテンウォールは「外観(意匠)の構成」によっても分類されます。見える線の向きで呼び名が変わります。

構成方式見え方・特徴
マリオン方式方立(縦材)を見付けに表し、縦の線を強調する
スパンドレル方式スパンドレル(各階の腰壁部=床・梁を隠す横長パネル)と窓を水平に連続させ、横の線を強調する
グリッド方式縦材と横材を格子状に見せる
パネル方式(カバー方式)階高分を1枚のパネルで覆う

「マリオン=縦強調、スパンドレル=横強調」が基本の対比です。なおスパンドレル部は窓と窓のあいだの不透明な腰壁部分(床スラブ・梁を隠す部位)を指し、上下階の延焼を抑える役割もあります。構成方式は意匠の分類で、施工方式(方立工法・ユニット工法)とは別の見方です。

ファスナー(取付金物)の確認

カーテンウォールはファスナーと呼ばれる取付金物で躯体(スラブ・梁)に固定します。ファスナーの種類と取付精度が施工管理の核心です。

ファスナーの種類

種類特徴
ロッキング型ファスナーパネルが回転することで層間変位を吸収する。縦方向の動きに対応します。
スライド型ファスナーパネルが水平スライドすることで層間変位を吸収する。
固定型ファスナーパネルを固定点に拘束する。変位吸収はほかの部位が担う。

ファスナー取付の確認ポイント

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取付精度の確認

カーテンウォールは外観品質・防水性能の両面で高い取付精度が求められます。

シーリング処理の確認

カーテンウォールの目地シーリングは防水上の最重要工程です。

目地の防水方式(オープンジョイントとフィルドジョイント)

カーテンウォールの目地の止水には、大きく2つの考え方があります。前項のシーリングで塞ぐ方法は、このうちのフィルドジョイントにあたります。

方式仕組み
フィルドジョイント(クローズドジョイント)目地をシーリング材で塞いで止水する。シーリングの劣化が漏水に直結する
オープンジョイント目地を完全に塞がず、目地内部に外気と等圧の空気層(等圧空間)をつくる。雨水を押し込む内外の圧力差をなくし、水が入りにくくする(等圧理論)。外側に水返し、室内側に気密ライン(エアバリア)を設ける

オープンジョイントは「圧力差をなくして雨を入れない」、フィルドジョイントは「シールで塞いで止める」考え方です。オープンジョイントでは、室内側の気密が止水の要になります。

層間ふさぎ(防火・防煙)

カーテンウォールと床スラブ端部のあいだには、構造的にすき間ができます。火災時にこのすき間を炎や煙が通って上下階へ回り込むのを防ぐため、すき間に耐火材を充填します。これが層間ふさぎ(層間塞ぎ材)です。

層間ふさぎは、上下階を隔てる防火区画(層間区画)を成立させる重要な部位です。目地の防水とあわせて、隠れる前の確認と記録が要になります。

管理人からのコメント

カーテンウォールは躯体との接合部(ファスナー)の設計図確認が最初の重要ポイントです。ロッキング型・スライド型・固定型を設計図と現物で照合し、施工写真を残しましょう。

クリアランスが小さすぎると地震時に躯体と干渉するため、施工前の測量で確認することが基本ですね。シーリングはパネル番号に対応させた記録を作成しておくと、後日不具合が出たときの追跡に役立ちます。

混同しやすい用語の整理

方立(マリオン)vs 無目(トランサム)

方立(マリオン)はカーテンウォールの縦方向の枠材です。無目(トランサム)は横方向の枠材です。

方立と無目で格子状のフレームを形成し、ガラスやパネルをはめ込む構造です。「方立工法」という名称は縦の方立を骨格として現場で組み立てる工法からきています。

カーテンウォール vs ALC・ECP

どれも非構造の外壁パネルですが、カーテンウォールはアルミ・ガラスなどで構成した外壁システム全体を指します。ALC・ECPはセメント系の外壁パネル材料を指します。

カーテンウォールにはガラスカーテンウォール(全面ガラス)やメタルカーテンウォール(金属パネル)などの種類があります。

理解度チェック

Q.

カーテンウォールで工場でパネルを組み立て済みにして現場で取り付ける工法は?

ユニット工法。工場生産で品質が安定しやすく工期短縮できるが、工場製作コストがかかる。

現場での組立が必要な方立工法(マリオン工法)と区別する。

Q.

カーテンウォールで地震時の層間変位を吸収するための金物を何というか?

ファスナー。ロッキング型(パネルが回転して変位吸収)・スライド型(パネルがスライドして変位吸収)・固定型がある。

Q.

カーテンウォールの縦枠と横枠の名称は?

縦枠=方立(マリオン)、横枠=無目(トランサム)。この2部材で格子状フレームを構成してガラスやパネルをはめ込む。

まとめ

ALCパネル工事の施工管理ポイントを確認する

シーリング工事の施工管理ポイントを確認する

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参考法令・規格

  • JASS 14(カーテンウォール工事)-日本建築学会
  • 公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第17章 カーテンウォール工事

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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