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けんせつる
主任技術者と監理技術者ってどう違うの?
この記事の要点
主任技術者はすべての建設工事に、監理技術者は特定建設業者が元請として一定規模以上の下請契約を結ぶ工事に配置する技術者です。
監理技術者が必要になる下請け金額の基準は、建築一式工事で8,000万円以上(その他の工事は5,000万円以上)です(令和7年2月1日施行)。監理技術者には1級施工管理技士などの資格が必要で、2級では務まりません。
建設業法では、工事現場に必ず技術者を置くよう定めています。この技術者が「主任技術者」か「監理技術者」かは、工事の規模や発注形態によって変わります。
その代表が主任技術者と監理技術者です。名称が似ているため混同しやすいですが、配置が必要な工事の規模と資格要件がまったく異なります。
ここをしっかり整理します。
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主任技術者とは、建設業法第26条第1項に基づき、すべての建設工事の現場に配置しなければならない技術者です。工事の施工計画の作成・工程管理・品質管理・技術上の指導監督を行います。
なぜすべての工事に必要かというと、工事の規模に関わらず「誰かが品質・安全を管理する責任者として現場にいなければならない」という考え方からです。
監理技術者とは、建設業法第26条第2項に基づき、特定建設業許可を持つ元請業者が一定規模以上の下請けを使う場合に配置しなければならない技術者です。
主任技術者の職務に加え、下請業者に対する指導・監督の職務を担います。より大きな工事で、下請業者をまとめて管理するための上位の役割です。
監理技術者が必要になる条件:
主任技術者は2級資格でも認められますが、監理技術者は1級資格が必要です。ここは間違いやすいポイントです。
| 項目 | 主任技術者 | 監理技術者 |
|---|---|---|
| 配置が必要な工事 | すべての建設工事 | 特定建設業者が元請で下請け合計8,000万円以上(建築一式)の工事 |
| 法的根拠 | 建設業法第26条第1項 | 建設業法第26条第2項 |
| 資格(建築) | 1級または2級建築施工管理技士等 | 1級建築施工管理技士等 |
| 下請への指導義務 | なし(自社工事の管理) | あり(下請業者への指導・監督) |
| 監理技術者資格者証 | 不要 | 必要(公共工事等では携帯義務) |
言い換えると、主任技術者は「誰でも持つ義務がある技術責任者」、監理技術者は「大きな工事で下請けも管理できる上位の技術責任者」ということです。
主任技術者・監理技術者の配置が必要な工事の要件と専任義務の整理は、国土交通省中部地方整備局の資料(下図)に示されています。
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工事1件の請負代金が4,500万円以上(建築一式工事は9,000万円以上)の工事では、主任技術者・監理技術者を専任で配置しなければなりません。
ここは金額を取り違えやすいところです。監理技術者の「配置」基準(下請総額8,000万/5,000万)と、「専任」基準(請負代金9,000万/4,500万)は別の数字なので注意が必要です。
専任とは、その工事現場のみに専属となることであり、他の工事と兼務できません。
なぜ兼務できないかというと、大きな工事ほど品質・安全の管理に集中が必要で、複数現場をかけもちしていると管理が手薄になるからです。
2020年の建設業法改正により、監理技術者補佐(1級施工管理技士補等)を専任で配置した場合、監理技術者は2つの現場を兼任できるようになりました。
人手不足への対応策として設けられた制度です。ただし、監理技術者補佐が「専任」である必要があります。
補佐を置けば誰でも2現場かけもちできるわけではありません。
また、令和6年12月13日施行の改正で、請負代金1億円未満(建築一式工事は2億円未満)の工事に限り、条件付きで複数現場の兼務を認める専任特例制度が新設されています。
主任技術者・監理技術者は、1級・2級の法規で繰り返し問われます。引っかけは「置く(配置)と専任の取り違え」「専任が必要な金額ラインのすり替え」「監理技術者講習の有効期間」が定番です。問題文は公式PDFで確認できます。
| 年度・No. | 問われ方/引っかけ |
|---|---|
| 1級 令和6年 No.66 | 請負代金が専任の基準額に届かない建築一式工事を「専任の者でなければならない」とした記述=誤り(配置と専任・金額ラインの取り違え) |
| 1級 令和4年 No.66 | 監理技術者講習の有効期間(受講した年度の翌年度の開始日から5年)の起算をずらした記述=誤り |
| 1級 平成30年 No.76 | 専任が必要な建築一式工事の請負代金基準額を、その他の工事の額と取り違えた記述=誤り(建築一式の方が高い) |
| 2級 令和6年後期 No.46 | 3,000万円規模の現場で主任技術者を「専任の者でなければならない」とした記述=誤り(置く≠専任) |
共通するのは、主任技術者は全工事に「置く」が、「専任」は請負代金が基準額以上の現場だけという線引きです。低額の現場で専任を求める記述や、配置基準(下請総額)と専任基準(請負代金)の数字を混ぜた記述は、誤りを疑います。
主任技術者と監理技術者の職務(施工計画・工程管理・品質管理・下請指導等)の比較は、同資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
「主任」はすべての工事に必要、「監理」は特定建設業者の元請が大規模な下請けを使う工事に必要です。監理技術者が必要な工事には主任技術者を置かなくてよい(監理技術者が兼ねる)のもポイントです。
請負代金4,500万円以上(建築一式は9,000万円以上)の工事は専任が必要。監理技術者補佐を置いた場合のみ2現場の兼任が可能になります。
主任技術者の配置が必要な工事の範囲は?
すべての建設工事(規模・金額を問わず)。
建築一式工事で監理技術者が必要になる下請け合計金額の基準は?
8,000万円以上(その他の工事は5,000万円以上)。
建築一式工事で専任の主任技術者・監理技術者が必要になる請負代金の基準は?
9,000万円以上(その他の工事は4,500万円以上)。
監理技術者に必要な資格(建築工事業)は?
1級建築施工管理技士、1級建築士など(2級では不可)。
> 建設業法の基本を確認する
> 資格としての違いは1級と2級建築施工管理技士の違いは?を確認する
法規の施工管理ポイントは法規にまとめています。
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参考資料
・建設業法(昭和24年法律第100号)
・建設業法施行令(昭和31年政令第273号)
・国土交通省 建設業法のページ
※ この記事の法令確認日:2026年6月
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「配置の金額」と「専任の金額」を取り違えない
主任技術者は全工事に配置が必要です。監理技術者は下請合計が建築一式8,000万円以上(その他5,000万円以上)になる元請工事で必要です(令和7年2月1日施行)。
監理技術者の「配置」基準と「専任」基準(建築一式9,000万円・その他4,500万円以上)は別の数字なので、ここを混同して人員計画を誤らないよう注意してください。
監理技術者資格者証の有効期限も現場着工前に確認が必要です。