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けんせつる
施工体制台帳・施工体系図って何?どんな場面で使うの?
この記事の要点
施工体制台帳とは、工事に関わるすべての下請業者の情報を記載して工事現場に備え付ける、元請業者が作成する書類のことです。民間工事では下請総額が5000万円以上(建築一式は8000万円以上・令和7年2月〜)で、特定建設業の元請業者に作成義務が生じます。
施工体系図は施工体制台帳をもとに作成する図表で、工事現場の見やすい場所に掲示する義務があります。台帳が「記録文書」、体系図が「掲示資料」という位置付けです。
建設業法では、一定規模以上の工事で下請を使う場合、元請に施工体制台帳の作成と施工体系図の掲示が義務付けられています(建設業法第24条の8)。
施工管理者はこれらの書類を適切に作成・管理する責任があります。現場でよく「台帳はあるけど中身が古い」という状態になりやすいので、最初から運用ルールを決めておくことが大切です。
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施工体制台帳を作成する義務があるのは、特定建設業の許可を持つ元請業者で、下請に発注する総額が一定額以上になる場合です。
| 工事の種類 | 作成義務が発生する下請総額(民間工事) |
|---|---|
| 建築一式工事 | 8000万円以上 |
| その他の工事(土木・設備等) | 5000万円以上 |
言い換えると、民間工事は建築一式なら8000万円、それ以外なら5000万円が作成義務の境界線ということです(令和7年2月の改正前は7000万円・4500万円でした)。
ただし公共工事は別で、下請契約があれば金額に関わらず施工体制台帳の作成義務が生じます(入札契約適正化法)。「金額基準は公共にも当てはまる」と思い込むのが引っかけです。
公共工事・民間工事別の作成義務の要件と作成フローは、国土交通省近畿地方整備局の資料(下図)に示されています。
下請総額とは、一次下請のみならず、その工事におけるすべての下請業者への発注金額の合計です。材料費を元請が支給する場合でも、支給材料の価格は含みません。
ここは混乱しやすいところですね。
施工体制台帳には、元請業者の情報だけでなく、すべての下請業者(一次・二次以下を含む)の情報を記載しなければなりません。
下請業者から再下請通知書を受け取り、その内容をもとに台帳を随時更新していくことが実務上の流れです。
例えば、一次下請のA社がさらにB社に発注した場合、A社からB社の情報が書かれた再下請通知書が届きます。それを受け取って台帳に反映させる、という作業を繰り返していくことになります。
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施工体系図は、施工体制台帳の内容をもとに、工事に関わるすべての業者の関係を図で表したものです。
誰がどの工事を担当しているかを一目で確認できるようにする目的があります。台帳が「詳細な記録」なら、体系図はその「見やすい要約図」というイメージです。
施工体系図は、台帳の内容を変更した場合は随時更新して掲示し直す必要があります。業者が途中から増えたり変わったりしたら、そのたびに更新します。
| 項目 | 施工体制台帳 | 施工体系図 |
|---|---|---|
| 形式 | 文書(台帳) | 図表(掲示資料) |
| 内容 | 詳細な業者情報・技術者情報 | 業者間の関係を図示 |
| 保管・掲示 | 工事現場に備え付け(保管) | 工事現場に掲示 |
| 閲覧 | 発注者から請求があれば閲覧させる | 常時だれでも見られる状態 |
要は、台帳は「中身の詳細版・保管用」、体系図は「ひと目でわかる掲示版」ということです。
施工体系図の作成義務(誰が・いつ・どこに掲示するかの要件)は、同資料(下図)に示されています。
混同しやすい用語の整理
施工体制台帳はすべての下請業者の詳細情報を記録した「文書」で工事現場に備え付けます。施工体系図はその内容を図で表したもので工事現場に「掲示」します。
台帳が原本、体系図がその要約図という関係です。
施工体制台帳には一次下請のみならず二次・三次以下のすべての下請業者を記載します。「一次下請だけでよい」と誤解されることがありますが、すべての階層の下請情報が必要です。
施工体制台帳の作成義務が生じる下請総額の基準は?(建築一式工事の場合)
8000万円以上(その他の工事は5000万円以上)。
施工体制台帳を作成する義務があるのはどの業者か?
特定建設業の許可を持つ元請業者。
施工体系図はどこに掲示するのか?
工事現場の見やすい場所(発注者・下請業者が確認できる場所)。
施工体制台帳には二次下請以下の業者の情報も記載するのか?
記載する。すべての階層の下請業者(一次・二次・三次以下)を記載する。
発注者から施工体制台帳の閲覧を求められた場合、元請業者はどう対応するのか?
速やかに閲覧させる義務がある(閲覧請求を拒否できない)。
一次下請業者からさらに下に発注した場合、元請業者が受け取る書類の名称は?
再下請通知書。
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参考資料
・建設業法(昭和24年法律第100号)
・建設業法施行令(昭和31年政令第273号)
・国土交通省 建設業法のページ
※ この記事の法令確認日:2026年6月
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「台帳はあるけど中身が古い」が一番危ない
施工体制台帳は民間で下請合計5,000万円以上(建築一式8,000万円以上・令和7年2月1日改正後)の工事で作成義務があります。下請業者が増減するたびに即時更新しないと、発注者の閲覧請求や行政の点検時に実態と食い違い、整備不備を問われます。「作って終わり」で放置するのが一番危ない。
施工体系図も工事現場の見やすい場所に掲示し、変更があれば貼り替えます。