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自動火災報知設備の感知器とは?種類・取付位置・使い分けと施工管理の確認ポイント

けんせつる

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「熱感知器と煙感知器の使い分けがわからない。壁から何センチ離すとか、設置できない場所とか、施工管理でどう確認すればいい?」

この記事の要点

自動火災報知設備の感知器は、消防法施行規則第23条で取付位置・感知器の種類・設置禁止場所が細かく規定されています。施工管理では次の3点が特に重要です。

  • 壁・梁からの離隔:感知器は壁面・梁・柱などの突起物から0.6m以上離して取り付ける(消防法施行規則第23条)。
  • 換気口・吹出し口からの離隔:煙感知器は換気口・空調吹出し口から1.5m以上離す(風による誤作動防止)。
  • 厨房への煙感知器・差動式の禁止:厨房など急激な温度変化や煙が発生する場所では定温式を使用する(差動式・煙感知器は誤作動の原因)。

自動火災報知設備の感知器の主な種類

感知器は「何を感知するのか」によって大きく3種類に分かれます。

種類感知原理主な型式
差動式感知器室温が急激に上昇したことを感知する。緩やかな温度変化には反応しにくい。差動式スポット型(1種・2種)
定温式感知器室温が一定温度(公称動作温度)に達したときに感知する。定温式スポット型(特種・1種・2種)
煙感知器煙粒子による光の散乱または減衰を検出して感知する。光電式スポット型(1種・2種・3種)

差動式は「温度の変化速度」を感知し、定温式は「絶対温度」を感知するのが基本的な違いですね。煙感知器は煙そのものを検出するため、炎が出る前の段階でも感知できます。

取付高さによる感知器の使い分け

天井の高さ(取付面の高さ)によって、使用できる感知器の種類が消防法施行規則で定められています。

取付面の高さ使用できる感知器
4m未満差動式スポット型(1種・2種)、定温式スポット型(特種・1種)、煙感知器(1~3種)
4m以上8m未満差動式スポット型(1種)、定温式スポット型(特種)、煙感知器(1・2種)
8m以上15m未満煙感知器(1・2種)のみ
15m以上20m未満煙感知器(1種)、炎感知器

ザックリ言えば、天井が高くなるほど熱感知器が使えなくなり、最終的に煙感知器か炎感知器しか使えなくなるでしょう。高天井の倉庫・体育館では煙感知器または炎感知器の選定が必要です。

感知器の取付位置の施工管理確認ポイント

施工管理で確認する感知器の取付位置ルールは次のとおりです(消防法施行規則第23条)。

確認ポイント規定値理由
壁・梁・柱からの離隔0.6m以上壁・梁近傍は空気のよどみが生じ、熱・煙が届きにくい
煙感知器の取付高さ天井面から下方0.6m以内煙は天井付近に集まるため、天井面に近いほど早期感知できる
換気口・空調吹出し口からの離隔(煙感知器)1.5m以上風速が高いと煙感知器が誤作動・感知遅延の原因になる
感知器間の間隔感知面積の規定以内(消防法施行規則別表第三)感知区域ごとの最大感知面積を超えないよう配置する

特に煙感知器の取付位置は「天井面からの下がり寸法が0.6m以内」という条件があるため、天井内にふところ(懐)が深い場合でも感知器本体は天井仕上げ面のごく近くに取り付けるよう確認が必要ですね。

用途別の感知器選定と設置禁止場所

部屋の用途によって使用できる感知器の種類が限定されます。施工管理では竣工図と照合して選定が適切かを確認します。

場所・用途適切な感知器不適切・禁止
厨房・調理室定温式スポット型(特種・1種)差動式(急激な温度変化で誤作動)・煙感知器(調理煙で誤作動)
浴室・脱衣室定温式スポット型(特種)差動式(湯気による誤作動)
高天井(8m以上)の倉庫・体育館煙感知器(光電式)・炎感知器差動式・定温式(取付高さが規定を超える)
エレベーター昇降路・パイプシャフト煙感知器(最上部に設置)定温式(熱が上部に集中するため)
押入れ・小屋裏差動式または定温式(感知器設置が必要な場合)用途・構造に応じて選定

管理人からのコメント

感知器の選定ミスは竣工後の消防検査で指摘されると、天井を開口して取替工事が必要になります。特に厨房の煙感知器は「煙感知器は高感度で良い感知器」という誤った先入観で選定されるケースがあります。

厨房では定温式が原則であることを、設計図と仕様書で必ず確認してください。また、感知器の取付高さ(天井面下方0.6m以内の要件)は天井ふところが深い場合に見落としやすいポイントです。

天井内の感知器取付ブラケット位置を確認しておきましょう。

混同しやすい用語の整理

差動式 vs 定温式

差動式:温度の上昇速度(変化量)を感知する。緩やかな温度上昇には反応しにくいため、厨房・浴室には不向き。


定温式:設定温度に達したことを感知する。厨房・浴室のように常時高温になる場所に適する。

スポット型 vs 分布型

スポット型:点状に設置する一般的な感知器。1台が特定の感知面積をカバーする。


分布型(空気管式):細い銅管(空気管)を天井全体に張り巡らせ、温度変化を広範囲で感知する。大空間の舞台・展示ホール等に使われる。

自動火災報知設備 vs スプリンクラー設備

自動火災報知設備:火災を感知して警報を鳴らす(消火は人間が行う)。
スプリンクラー設備:熱で自動的にスプリンクラーヘッドが開放して放水消火する設備。

検知・消火が自動。

一問一答

Q1. 感知器を壁面・梁から離さなければならない最小距離はいくらか。

A. 0.6m以上(消防法施行規則第23条)。壁・梁近傍は空気のよどみで熱・煙が届きにくいため。

Q2. 厨房(調理室)に差動式スポット型感知器を設置できないのはなぜか。

A. 調理時に急激な温度上昇が生じ、火災でなくても差動式が誤作動するため。厨房には定温式スポット型(特種・1種)を使用する。

Q3. 煙感知器を換気口・空調吹出し口から1.5m以上離す必要がある理由は何か。

A. 吹出し口付近は気流が強く、煙が拡散されて感知器に届きにくくなるため(感知遅延・誤作動の原因)。

Q4. 天井高さ8m以上の倉庫に熱感知器(差動式)を設置できないのはなぜか。

A. 差動式スポット型の使用可能高さの上限は8m未満のため。8m以上では煙感知器(光電式)または炎感知器を選定する必要がある。

まとめ

設備工事の施工管理は施工管理の視点でまとめています。

参考資料

  • 消防法施行規則 第23条(感知器の設置に関する基準)
  • 消防法施行規則 別表第三(感知器の感知面積の規定)
  • 自動火災報知設備の設置基準に関する解説(日本消防設備安全センター)
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建築業界の実務経験をもとに、建築施工管理の用語・施工手順・混同しやすい違いを整理しています。

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