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工期と工事費の関係とは?直接費・間接費と最適工期(経済速度)

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けんせつる

けんせつる

工期を短くすれば、工事費も安くなるんじゃないの?

直接費とか間接費とか、何が違うの?

この記事の要点

工事費は、工期を短くすると増える直接費と、工期が長いほど増える間接費に分かれます。

その合計が総工事費で、速すぎても遅すぎても高くなり、中間で最も安くなります。総工事費が最小になる工期が最適工期(経済速度)です。

過去問では、総工事費がU字型になることや、間接費の増減の向きが繰り返し問われます。

工事費は直接費と間接費に分かれ、その合計(総工事費)が最小になる工期が最適工期(経済速度)です。

「工期を詰めるほど安くなる」わけではありません。急ぐと残業や応援でかえって高くつくためです。

工期を変えると、直接費と間接費は反対の向きに動きます。その合計が下に凸のU字を描き、いちばん低い点が最適工期です。まず全体の形を図で押さえます。

工期と工事費の関係のグラフ。横軸が工期、縦軸が費用。直接費は工期が短いほど高く右下がり、間接費は工期が長いほど高く右上がり、総工事費は両者の合計で下に凸のU字を描き、最小点が最適工期(経済速度)となる。
工期と工事費の関係。直接費(工期が短いほど高い)と間接費(工期が長いほど高い)の合計が総工事費。U字の最小点が最適工期(経済速度)。※曲線の形は概念的な模式図。

この関係は、工程を早めるか通常どおり進めるかを判断するときの土台になります。原価の管理は原価管理、工程の組み方は工程表にまとめています。

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直接費・間接費・総工事費の3つで整理する

工事費を工期との関係で見るときは、次の3つに分けて考えます。

費目 工期を短くすると 主な内容
直接費 増える 材料費・労務費など、工事そのものにかかる費用
間接費 減る 現場経費・仮設・管理費など、時間に応じてかかる費用
総工事費 下に凸のU字(中間で最小) 直接費+間接費の合計

ポイントは、直接費と間接費が反対の向きに動くことです。急いで工期を詰めると残業・応援・機械の増強で直接費が増え、逆に工期が延びると現場を長く維持する間接費が増えます。

総工事費が最小になる工期が「最適工期」

直接費と間接費を足した総工事費は、工期が短すぎても長すぎても高くなります。

その中間に、総工事費が最も安くなる工期があります。これが最適工期で、そのときの施工速度を経済速度(最適施工速度)と呼びます。

グラフでは、総工事費の曲線が下に凸のU字を描き、その最小点が最適工期に当たります。工期短縮を検討するときは、この最小点より速く詰めるほど直接費がかさむ、という関係を押さえておきます。

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突貫工事はなぜ原価が急増するか

最適工期より無理に工期を詰める工事を突貫工事といいます。

突貫工事では、総工事費のU字の左側を急に駆け上がるように原価が増えます。単純に作業量が増えるからではなく、時間外・休日の割増賃金や、作業が輻輳することによる能率の低下が重なるためです。

だから「工期を詰めれば安い」とは限りません。最適工期を大きく外して急ぐほど、割高になります。

過去問でどう問われたか

工期と工事費の関係は、1級の第一次検定でほぼ毎年出題されます。引っかけは、直接費・間接費の増減の向きや、総工事費の曲線の形を逆・直線にすり替える形が中心です。

年度・級・No. どう問われたか(引っかけ)
1級 令和6年 No.58 総工事費は工期に比例して増加するとする→誤り。最適工期で最小になるU字型
1級 令和元年 No.53 工期を短縮すると間接費が増えるとする→誤り。間接費は時間に比例し、短縮で減る
1級 平成30年 No.53 突貫工事の原価急増の主因を、労務費が施工量に比例することとする→誤り(主因は割増・能率低下)
1級 平成29年 No.53 施工速度と原価のグラフで、総工事費を右肩上がり等にする→誤り。下に凸で中間に最小点

共通するのは、直接費・間接費の向きと、総工事費のU字(最小点)を取り違えさせる形です。「急ぐと直接費、延ばすと間接費、合計は中間で最小」と押さえると見抜けます。

まちがえやすいポイント

いちばん狙われるのは、総工事費のグラフの形です。

総工事費は「工期に比例して増える/減る」直線ではなく、最適工期で最小になるU字型です。直接費だけを見て「詰めるほど安い」と考えると引っかかります。

「直接費と間接費は逆向き、合計は中間で最小」と3点セットで押さえておくと取り違えません。

理解度チェック

Q.

工期を短くすると、直接費と間接費はそれぞれどう動くか。

直接費は増え、間接費は減ります。急ぐと残業・応援で直接費がかさみ、現場を維持する期間が短くなるので間接費は下がります。

Q.

最適工期(経済速度)とは何か。

直接費と間接費の合計(総工事費)が最小になる工期です。総工事費のU字グラフの最小点に当たり、そのときの施工速度を経済速度と呼びます。

Q.

突貫工事で原価が急増するのはなぜか。

時間外・休日の割増賃金や、作業の輻輳による能率低下が重なるためです。作業量が増えるからではなく、最適工期を大きく外して急ぐほど割高になります。

まとめ

  • 直接費は工期を短くすると増え、間接費は工期が長いほど増える(反対の向き)。
  • 総工事費=直接費+間接費で、下に凸のU字。最小点が最適工期(経済速度)。
  • 突貫工事は割増賃金・能率低下で原価が急増する。詰めるほど安いわけではない。
  • 過去問は、増減の向きや総工事費の曲線の形を逆・直線にすり替えて誤りを作る。

> 原価の管理は原価管理を確認する
> 工程の組み方は工程表(バーチャート・ネットワーク)を確認する
> 進捗の管理は工程管理曲線(バナナ曲線)を確認する

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参考資料

  • 一般財団法人 建設業振興基金「1級 建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」(工期と工事費の出題)
  • 工程管理・積算の解説(直接費・間接費・経済速度の関係を複数一致で確認)

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けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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