けんせつる
寒い時期に温めて養生してるなら、もう湿らせなくていいんだっけ。
この記事の要点
令和6年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.39は、コンクリートの養生に関する問題です。正解は選択肢1。加熱養生中も乾燥を防ぐため湿潤養生を続ける必要があるからです。
令和6年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.39は、コンクリートの養生に関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題は能力問題で、五肢択一式なんです。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ×(誤り) | 加熱養生期間中も乾燥を防ぐため湿潤養生は続ける。行わないのは誤り |
| 2 | ○(正しい) | 初期段階で凍結し所定の強度が出ないことを初期凍害という |
| 3 | ○(正しい) | 湿潤養生期間はセメントの種類と計画供用期間の級で決まる |
| 4 | ○(正しい) | 露出面を水密シートで被覆するのは初期の湿潤養生として有効 |
| 5 | ○(正しい) | 硬化過程のコンクリートには振動を与えない |
選択肢1は、加熱養生期間中に湿潤養生を「行わない」としている点が誤りで、正しくは加熱中も湿潤養生を続ける必要があります。
この問題では、養生の目的が問われています。
養生の目的は大きく2つあるんです。1つは凍結や急な温度変化を防ぐこと、もう1つは乾燥を防いで水和反応に必要な水分を保つことですね。
ここが混乱しやすいところですね。寒中コンクリートで加熱しても、温めるぶん水分は飛びやすくなります。
だから加熱養生と湿潤養生は両立させるのが正しいわけです。どちらか一方だけでよいという考え方が落とし穴なんです。
これが誤りを含む選択肢です。「加熱養生期間中は湿潤養生を行わないようにする」とありますが、ここが不適当なんです。
加熱養生は温度の低下を防ぐためのものですが、温めると表面から水分が蒸発しやすくなります。
水分が逃げるとセメントの水和反応が進まず、表面がもろくなります。だから加熱中こそ湿潤養生を続けて乾燥を防ぐ必要があるわけです。
湿潤養生をやめてよいとしている点で、選択肢1は不適当ということです。
選択肢2は初期凍害についての記述です。
寒冷期に打ったコンクリートが、固まり始める初期の段階で凍ってしまうことがあります。
例えば打設後すぐに氷点下になると、内部の水分が凍って組織がこわれ、所定の強度が出なくなります。これを初期凍害といいます。記述のとおりなので適当です。
選択肢3は湿潤養生期間の決め方についての記述です。
湿潤養生をどれだけ続けるかは、使うセメントの種類と、その建物に求める計画供用期間の級によって決まるんです。
強度の出方が遅いセメントや、長く使う建物ほど養生期間は長くなります。記述のとおりなので適当ですね。
選択肢4は水密シートによる被覆についての記述です。
コンクリート面が露出していると、そこから水分が逃げていきます。
水密シートでおおうと水分の蒸発を抑えられるので、初期の湿潤養生として有効です。記述のとおりなので適当です。
選択肢5は硬化過程の振動についての記述です。
固まりかけのコンクリートに振動を与えると、できかけた組織がこわれて強度が落ちることがあります。
そのため硬化過程にあるコンクリートには振動を与えないようにします。記述のとおりなので適当です。
養生は「凍結を防ぐ」と「乾燥を防ぐ」の両方が必要だと押さえておくと間違えにくくなります。
加熱はあくまで温度の対策で、乾燥対策は別に湿潤養生で行うわけです。
加熱しても水分は飛ぶ、だから加熱中も湿潤養生は続けるとセットで覚えると、選択肢1のようなひっかけに引っかからなくなるでしょう。
寒中コンクリートの加熱養生期間中に、湿潤養生は行うか、行わないか。
行います。加熱で水分が飛びやすくなるため、乾燥を防ぐ湿潤養生を続けます。
固まり始めの段階で凍結し、所定の強度が得られないことを何というか。
初期凍害です。打設直後の凍結に注意が必要です。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢1
加熱養生はコンクリートを温めて凍結を防ぐものですが、温めると水分が飛びやすくなるんです。だから加熱中こそ湿潤養生を続けて乾燥を防ぐ必要があります。「加熱しているから湿らせなくてよい」というのが一番危ない考え方ですね。