けんせつる
暑中・寒中コンクリート工事の施工管理ポイント|確認すべき温度記録と工程管理って、どういうこと?
この記事の要点
コンクリートの打設は気温の影響を大きく受けます。日平均気温が25℃を超える暑中期間・4℃以下になる寒中期間には、通常の打設管理とは異なる確認事項・記録が必要になります。
この記事では、施工管理者として何を確認し・何を記録し・工程上どう対処するのかを整理します。
夏と冬にコンクリートを打つときは、「普通に打てばいい」では済みません。
温度管理を怠ると、スランプ(流動性)の急低下・表面乾燥ひび割れ・初期凍害といった不具合につながります。施工管理者は事前に確認体制を整えておきます。
打設計画を立てる段階で、打設日が暑中・寒中のどちらに当たるかを確認します。
| 区分 | 適用の判断基準 |
|---|---|
| 暑中コンクリート | 日平均気温が25℃を超える時期(JASS 5) |
| 寒中コンクリート | 日平均気温が4℃以下になると予想される時期(JASS 5) |
「今日が暑い・寒い」という感覚ではなく、気象庁の過去データや天気予報をもとに日平均気温で判断します。打設日の数日前から気温を確認する習慣をつけましょう。
暑中コンクリートの打設温度(35℃以下)・練混ぜから打込み終了までの時間制限の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の6.12節に示されています。
寒中コンクリートの適用条件・材料及び調合の規定は、公共建築工事標準仕様書(下図)の6.11節に定められています。
施工管理者として最低限押さえておくべき記録項目がこちらです。
| 記録項目 | 暑中 | 寒中 |
|---|---|---|
| 荷卸し時のコンクリート温度 | 35℃以下を確認・記録 | 5℃以上を確認・記録 |
| 外気温(日平均気温) | 打設当日・前後を記録 | 打設当日・前後を記録 |
| 打設開始?完了時刻 | 練り混ぜから1.5時間以内か確認 | 延長は少ないが時刻記録は必要 |
| 養生温度 | 散水・日射遮断の実施を記録 | 加熱養生区画の温度を定期記録(1日2~3回) |
| 養生終了の判断記録 | 湿潤養生期間の確認 | 初期強度5N/mm2以上の確認(供試体圧縮試験) |
ザックリ言えば、「温度を測って・記録して・目標値の範囲内であることを証明する」というのが管理の基本です。
生コン工場に連絡して受け入れを保留します。受け入れ検査で不合格となった生コンクリートは打設しないのが原則です。
代替車の手配・打設計画の修正を早急に行います。
速やかに加熱を再開し、コンクリート温度が5℃を下回る前に復旧できたか確認します。停止時間と温度の経緯を記録に残します。
初期強度発現前に凍結した疑いがある場合はコアによる強度確認も検討します。
混同しやすい用語の整理
荷卸し温度はミキサー車からコンクリートが出てきた瞬間の温度です。打設時温度は実際に型枠内に流し込む時点の温度です。
運搬中に温度が変化することがあるため、荷卸しと打設の両時点で確認するのが確実です。受け入れ検査として記録するのは荷卸し時の温度が一般的です。
寒中コンクリートでは初期養生(打設直後から初期強度発現まで5℃以上を保つ養生)と、その後の湿潤養生の2段階があります。加熱養生はあくまで初期養生の手段のひとつです。
加熱を終了した後も急激に外気温にさらされないよう徐冷の管理が必要です。
暑中コンクリートの荷卸し時のコンクリート温度の上限は?
35℃以下(JASS 5)。これを超えた場合は受け入れを拒否し、生コン工場に連絡して対応する。
(出題例:1級令和元年午前 問29)
寒中コンクリートの初期養生で保持すべき温度と、養生終了の判断基準は?
5℃以上を保持する。養生終了は圧縮強度が5N/mm2以上に達したことを供試体の圧縮試験で確認してから判断する。
暑中コンクリートで練り混ぜ開始から打設完了までの目安の時間は?
1.5時間以内(JASS 5の目安)。スランプロスを防ぐために工場からの運搬距離と打設ペースを事前に確認しておく。
(出題例:1級令和元年午前 問29)
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> コンクリートの受け入れ検査を確認する
> コンクリートの養生方法と施工管理のポイントを確認する
参考資料
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)
・JIS A 5308 レディーミクストコンクリート
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)国土交通省
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
暑中コンクリートは打設温度35℃未満(35℃以下)の管理が必要です。寒中コンクリートは打設温度5℃以上を確保し、初期凍害を防ぐ保温養生が欠かせません。
気温記録は毎日複数回取得して施工記録に残してください。