けんせつる
上塗りのモルタルって、下塗りより濃いめにするんだっけ。
この記事の要点
令和6年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.40は、コンクリート壁下地のセメントモルタル塗りに関する問題です。正解は選択肢5。上塗りは下塗りより貧調合とするからです。
令和6年度(前期)2級建築施工管理技士 第一次検定 No.40は、コンクリート壁下地のセメントモルタル塗りに関する問題です。
問題文は建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。
この問題は能力問題で、五肢択一式なんです。5つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 下塗り・中塗り・上塗りの各層の塗厚は6mm程度 |
| 2 | ○(正しい) | 1回の練混ぜ量は60分以内に使い切れる量とする |
| 3 | ○(正しい) | 乾燥収縮によるひび割れ防止に保水剤を混和剤として使う |
| 4 | ○(正しい) | 下塗り後にむらが著しい場合は中塗り前にむら直しを行う |
| 5 | ×(誤り) | 上塗りは下塗りより貧調合とする。富調合は誤り |
選択肢5は、上塗りを下塗りより富調合としている点が誤りで、正しくは上塗りを貧調合とします。
この問題では、塗り層ごとの調合の考え方が問われています。
調合とは、セメントと砂の割合のことなんです。セメントが多いほど富調合、少ないほど貧調合といいます。
ここがつまずきやすいところですね。富調合は強度が出る一方で、乾燥収縮が大きくてひび割れやすいんです。
だから表面に出る上塗りほどセメントを控えめにして、下地に向かうほど富調合にします。下から上へ、だんだん貧調合にしていくわけです。
選択肢1は各層の塗厚についての記述です。
モルタルを一度に厚く塗ると、自重でずり落ちたり乾燥でひび割れたりします。
そこで1層あたりの塗厚は6mm程度に抑えて、何回かに分けて塗ります。記述のとおりなので適当です。
選択肢2は練混ぜ量についての記述です。
練ったモルタルは時間がたつと固まり始めて、施工性が落ちていきます。
例えば一度に大量に練ると、塗り終わる前に硬くなって使えなくなります。そこで60分以内に使い切れる量だけ練ります。記述のとおりなので適当ですね。
選択肢3は保水剤についての記述です。
モルタルは水分が急に逃げると乾燥収縮が進んで、ひび割れの原因になります。
保水剤を混和剤として加えると水分が保たれ、ひび割れを抑えられます。記述のとおりなので適当です。
選択肢4はむら直しについての記述です。
下塗りの面に大きな凹凸が残ったまま中塗りをすると、仕上がりが波打ってしまいます。
そこで下塗り後にむらが著しいときは、中塗りの前にむら直しを行って面を整えます。記述のとおりなので適当です。
これが誤りを含む選択肢です。「上塗りモルタルの調合は、下塗りモルタルよりも富調合とした」とありますが、ここが不適当なんです。
富調合はセメントが多いぶん強くなりますが、乾燥収縮が大きくてひび割れやすくなります。
表面に出る上塗りでひび割れが出ると目立つので、上塗りは下塗りより貧調合にしてひび割れを抑えるわけです。
富調合と貧調合が逆になっているため、選択肢5は不適当ということです。
モルタルの調合は「上にいくほど貧調合」と覚えると間違えにくくなります。
下地に近い下塗りは富調合で食いつきと強さを確保し、表面の上塗りは貧調合でひび割れを抑えるわけです。
富調合は強いがひび割れやすい、だから表面の上塗りは貧調合とセットで覚えると、選択肢5のようなひっかけに引っかからなくなるでしょう。
セメントモルタル塗りで、上塗りの調合は下塗りより富調合か、貧調合か。
貧調合です。富調合はひび割れやすいため、表面の上塗りは貧調合とします。
練ったモルタルは、おおむね何分以内に使い切れる量とするか。
60分以内です。時間がたつと硬化して施工性が落ちるためです。
出典
※ この記事の確認日:2026年6月
正解:選択肢5
モルタルはセメントが多い富調合ほど強くなりますが、そのぶん乾燥収縮も大きくなってひび割れやすいんです。だから表面に出る上塗りは下塗りより貧調合にしてひび割れを抑えます。「仕上げ層を濃くしておけば丈夫」と勘違いしがちなところですね。