けんせつる
液状化判定ってFL値・PL値で何を判断するの?地盤調査報告書にある液状化判定結果を施工管理でどう使うの?
この記事の要点
液状化判定は、地震時に地盤が液状化するリスクを評価する手法です。FL値(液状化抵抗率)が1.0以上であれば液状化しないと判定され、PL値で敷地全体の液状化危険度を評価します。
施工管理では液状化判定の計算は設計者が行いますが、地盤調査報告書の判定結果を読み取り・液状化対策工法が設計通りに施工されているかを確認することが施工管理の役割です。
液状化判定の計算は設計者の仕事ですが、結果の意味と施工上の確認ポイントは施工管理者も把握しておく必要があります。
液状化は、地震による振動で地盤中の砂粒子が水に浮いた状態になり、地盤が支持力を失う現象です。液状化が発生すると、建物の沈下・傾斜・地面からの噴砂などが生じます。
液状化判定は、標準貫入試験(SPT)などの地盤調査結果をもとに、各深度の地盤が地震時に液状化するかどうかを評価します。建築基礎構造設計指針(日本建築学会)や道路橋示方書に基づく手法が一般的です。
ザックリ言えば、「地震の揺れに対して地盤が耐えられるかを数値で評価したもの」がFL値・PL値なんです。
地盤調査報告書に記載される液状化判定の主な指標は次の通りです。ここは混乱しやすいところですね。
| 指標 | 意味 | 判定基準 |
|---|---|---|
| FL値(液状化抵抗率) | 地盤の液状化に対する抵抗力÷地震力の比。各深度ごとに計算する | FL≧1.0:液状化しない、FL<1.0:液状化の可能性あり |
| PL値(液状化指数) | FL値を深度20mまで積分して敷地全体の危険度を1つの数値に集約したもの | PL=0:危険性なし、0<PL≦5:低い、5<PL≦15:高い、PL>15:非常に高い |
施工管理者が報告書を見るときは、「FL値が1.0を下回っている深度はどこか」「PL値がいくらか」を確認します。FL値が1.0を下回る層があれば、その深度での液状化対策が必要なわけです。
ザックリ言えば、「FL値は1層ごとの成績表、PL値はその成績を合計した通知表」というイメージですね。
液状化が起きやすい地盤には共通する条件があります。
例えば、河川の近くや海沿いの埋立地では地下水位が浅く砂質地盤が多いため、液状化リスクが特に高い傾向があります。地盤調査で地下水位と土質を確認することが重要です。
ザックリ言えば、「水に近い砂の地盤は液状化しやすい」と覚えておくとよいでしょう。
液状化判定に用いるN値(標準貫入試験の打撃数)の計測方法は、昭和46年建設省告示第111号(下図)第一「標準貫入試験」として規定されています。
施工管理者が液状化判定に関して確認すべき主な場面は次の通りです。
なんとなく施工管理での役割のイメージができましたか。計算は設計者が行いますが、結果を理解して現場の施工が計画通りかを確認することが施工管理の仕事です。
液状化対策として採用されるセメント系固化材を用いた深層混合処理工法の改良体品質基準は、昭和46年建設省告示第111号(下図)第五に規定されています。
混同しやすい用語の整理
液状化は地震の振動により砂質地盤が水に浮いた状態になる現象(地震時に発生)。ボイリングは掘削工事中に地下水圧の差により砂が地下水とともに掘削底面に噴き上がる現象(施工中に発生)。どちらも砂質地盤で発生しやすいが、原因と発生場面が異なる。
FL値は各深度(1層ごと)の液状化抵抗率。1.0未満で液状化の可能性あり。PL値は深度20mまでのFL値を積分して敷地全体の危険度を1つの数値にまとめたもの。FL値が低い層がどれだけ厚く続くかでPL値が変わる。
FL値が1.0を下回るとどのような意味があるのか?
その深度で地震時に液状化する可能性があることを示す。FL値が1.0以上であれば液状化しないと判定される。FL値が低いほど液状化リスクが高く、対策工法(地盤改良・杭基礎等)の検討が必要になる。
PL値が15を超えるとどのような危険度と判定されるのか?
液状化危険度が「非常に高い」と判定される。PL=0で危険性なし、0~5で低い、5~15で高い、15超で非常に高い。PL値が高い場合は確実な液状化対策が必要。
液状化しやすい地盤の代表的な条件は何か?
砂質地盤(細砂~中砂)・地下水位が浅い・N値15以下の緩い締固め状態・埋立地や旧河道の4条件が代表的。これらが重なるほど液状化リスクが高まる。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
参考資料
・建築基礎構造設計指針(日本建築学会)液状化判定の節
・道路橋示方書・同解説(日本道路協会)
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
施工管理者が液状化判定に関して最も注意すべきは「地盤調査報告書を読まずに着工してしまう」ことです。
液状化リスクが高い場合に設計で地盤改良が指定されているのに、施工計画書に反映されていないケースがあります。着工前に地盤調査報告書・地盤改良設計・施工計画書の三者を必ず照合してください。
もう一つは「液状化対策の施工深度が不足する」問題です。
地盤改良の施工深度が設計値より浅くなることがあります。施工記録で深度を確認することが重要です。