けんせつる
液状化対策ってどんな工法があるの?地盤改良と置換工法の違いは?施工管理でどこを確認すればいいの?
この記事の要点
液状化対策工法は大きく①締固め(地盤改良)・②置換・③排水の3つのアプローチに分類されます。設計で採用された工法は設計図書に明記されており、施工管理では施工深度・改良範囲・品質確認記録が主な確認事項です。
液状化判定で液状化リスクが確認された場合に、どの対策工法が選定されたかを設計図書で把握することが出発点です。
液状化対策は設計者が工法を選定しますが、施工管理者はその工法の施工確認が役割です。各工法の概要と確認ポイントを整理しましょう。
液状化対策の主な工法を3つのアプローチで整理します。
| アプローチ | 代表工法 | 概要 |
|---|---|---|
| 締固め | サンドコンパクションパイル(SCP)・バイブロフローテーション | 砂杭を圧入するなどして地盤を締め固め、N値を高める |
| 固結(地盤改良) | 深層混合処理(CDM)・薬液注入 | セメント系固化材や薬液を地盤に混合・注入して固める |
| 置換 | 表層置換工法 | 液状化しやすい砂質土を掘削除去し、非液状化材料(砕石等)に置き換える |
| 排水 | グラベルドレーン工法 | 礫(砂利)を充填した排水パイルを設置し、地震時の過剰間隙水圧を速やかに逃がす |
ザックリ言えば、「地盤を硬くする」「悪い土を入れ替える」「水を逃がす」の3つの考え方で対策するわけです。
施工管理者が各工法で確認すべき主な項目は次の通りです。ここが現場確認の核心ですね。
例えば、深層混合処理でコアサンプルの一軸圧縮強度が設計基準値を下回った場合は、追加改良または補修が必要になります。施工記録と品質試験記録を並べて確認しましょう。
ザックリ言えば、「各工法で確認すべき数値(深度・強度・充填量)が設計値通りかをデータで追う」のが施工管理の仕事です。
液状化対策として多用されるセメント系固化材を用いた改良体の許容応力度は、昭和46年建設省告示第111号(下図)第五に規定されています。
液状化対策工法の施工管理は、次の流れで進めます。
ザックリ言えば、「着工前に設計書と施工計画を照合し、施工中は記録で追い、完了後は品質試験で検証する」の3段階です。流れをつかめましたか。
液状化対策工法の設計・施工計画において参照する地盤調査の方法は、昭和46年建設省告示第111号(下図)第一に規定されています。
混同しやすい用語の整理
液状化対策は地震時の液状化を防ぐことが目的(砂質地盤が対象)。軟弱地盤対策は圧密沈下や支持力不足を防ぐことが目的(粘性土地盤が対象)。目的・対象地盤・工法が異なるが、両方が必要な現場もある。
深層混合処理(CDM)はセメント系固化材を回転翼で地盤と混合して固結する工法。薬液注入は薬液を地盤に圧入して固結する工法。深層混合処理は大きな改良体を作れるが施工コストが高い。薬液注入は狭い範囲への適用や山留め補助に使われる。
グラベルドレーン工法はどのような原理で液状化を防ぐのか?
地震時に砂質地盤で発生する過剰間隙水圧を、礫(砂利)を充填した排水パイルを通じて速やかに逃がすことで、液状化の発生を抑制する。締め固めや置換ではなく「水圧を逃がす」アプローチで対策する。
深層混合処理の品質確認で何を確認するのか?
コアサンプル採取による一軸圧縮強度の確認。設計で定めた基準強度を満たしているかを確認する。強度不足の場合は追加改良または補修が必要。施工深度・改良径・固化材添加量も記録で確認する。
液状化対策工法の施工管理で最初に行うべき確認は何か?
設計図書で採用工法・施工範囲・品質基準を把握すること。次に施工計画書がそれを正確に反映しているかを確認する。施工が始まる前にこの二者を照合しておくことが重要。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
参考資料
・建築基礎構造設計指針(日本建築学会)液状化対策の節
・地盤工学会「地盤工学・実務シリーズ 液状化対策工法」
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
液状化対策工法で気をつけたい問題として「施工深度が設計値に届いていない」ケースです。
改良下端を設計通りの深度まで施工したかどうかは、施工記録の深度データを確認します。記録だけでなく、コア採取で実際の改良深度を確認することが重要です。
もう一つは「改良範囲が建物外周を必要十分にカバーしていない」問題です。
液状化対策の平面範囲が設計図書より狭く施工されることがあります。施工完了後に平面位置の測量記録を確認するようにしましょう。